Wobkey Rainy75 HE/RTレビュー|性能だけでなく打鍵感も極上の磁気式キーボード

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磁気式キーボードが市場に出始めてから数年が経過し、当初加熱していた「スペック競争」についても落ち着きを見せてきました。

トレンドとしては「8000Hz pollingレート」「無線よりも有線接続」「0.01mm単位での調整感度」などが主流となりつつあります。

スペックでの競争が落ち着いてきたからこそ、ようやく「キーボード」自体の楽しみである「打鍵感」や「ルックス」にフォーカスした商品が出始めてきました。

Wobkey Rainy75HE/RTは、まさに磁気式キーボードの「セカンドフェーズ」を象徴するにふさわしいキーボードと言えるでしょう。

本記事では、Rainy75HE/RTのスペック以外の部分にフォーカスしてレビューしていきます。

この記事の著者
Kawamura top R

GreenEchoes Studio代表

河村亮介(カワムラリョウスケ)

サイト運営者兼WEBライターとして自社メディアを立ち上げ、現在では複数の法人運営メディアの企画運営を行う。仕事上、ヘビーに文字を打つことが多く効率化を求めるうちにキーボード沼にハマり、「GreenKeys」を開設。

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Wobkey Rainy75HE/RTの概要

  • 日本発売日:2024年11月10日(先行販売。発送は11月下旬から開始)
  • 日本販売代理店:株式会社KIBU
  • 価格
    • Rainy 75 HE Lite(Gateron Jade Pro)|31,500円(税込)
    • Rainy 75 HE Pro(Gateron Jade Pro)|33,500円(税込)
    • Rainy 75 RT Lite(TTC KOM RGB)|33,000円(税込)
    • Rainy 75 RT Pro(TTC KOM RGB)|35,000円(税込)

Rainy75HEとRTーProとLiteの違い

Rainy75は合計で6種類のモデルが存在します。

キースイッチの違い

  • Gateron Jade Pro|名称に「HE」がつく
  • TTC KOM RGB |名称に「RT」がつく

ProとLiteの違い

ProLite
キーキャップカラーマルチカラーグレー
キーキャップ材質Dye-Sub PBT+PCDouble shot PBT
プレートカーボンFR4
ウェイトステンレス氷晶ミラーガラス
ボディカラーナチュラルグレー・ギャラクシーシルバーナチュラルグレーのみ
Rainy75HE /RTのスペック詳細
項目HE LITERT LITEHE PRORT PRO
メーカーWOBKEY | 日本正規代理店 KIBU
カラーバリエーションナチュラルグレーナチュラルグレーナチュラルグレー・ギャラクシーシルバーギャラクシーシルバー・ナチュラルグレー
接続方法USB 有線のみ
インターフェースType-C
ケーブルグラフェンケーブル
本体重量約2KG
本体サイズ320 × 135 × 35mm
ウェイトミラーガラスミラーガラスステンレス氷晶ステンレス氷晶
プレートFR4FR4カーボンカーボン
キーキャップPBT(ダブルショット)PBT(ダブルショット)PBT+PCPBT+PC
ホットスワップ対応対応対応対応
RGB対応対応対応対応
ラビットトリガー機能対応 (AP/RP0.01mm ~ | 0.005mm 単位調整)対応 (AP/RP0.01mm ~ | 0.005mm 単位調整)対応 (AP/RP0.01mm ~ | 0.005mm 単位調整)対応 (AP/RP0.01mm ~ | 0.005mm 単位調整)
搭載スイッチGateron Jade ProTTC KOM RGBGateron Jade ProTTC KOM RGB
ポーリングレート&スキャンレート8000Hz(< 0.125ms 遅延)
デッドゾーンなし
筐体素材6063アルミ合金(陽極酸化処理 | カラーチタン)
加工方法CNC削り出し
マウント方式ゲーミング特化Surroundガスケットマウント
ドライバソフトウェアウェブアプリ | 日本語対応
項目詳細
製品名RAINY 75 HE/RT
サイズ312 x 135 x 42mm
接続方法USB 有線
重量本体約2kg
キーバックライト 81 キー RGB
プレートFR4 (Lite) / カーボン (Pro)
構造ガスケット/ドラムマウントマウント
搭載スイッチGateron Jade Pro Switch (HE) / TTC KOM RGB Switch (RT)
遅延0.125ms
スキャンレート8000HZ
アクチュエーションポイント0.01-1mm (0.005mm 単位調整)
デッドゾーントップ: 0.1mm (0.005 単位調整) ボトム: 0.1mm (0.005 単位調整)
対応OSWindows/MacOS/Linux

カタログスペックと特徴について

Rainy75HE/RTの特徴
  • 高性能ラピッドトリガー
  • 日本語対応のウェブドライバーでセッティング可能
  • 8000Hzの超低遅延入力
  • 4層PCB
  • 専用USBケーブルに航空用3Aグラフェンを使用
  • サラウンドガスケットマウント機構を採用
  • 多くの磁気スイッチに対応可能

高性能ラピッドトリガー

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ラピッドトリガーの設定精度が非常に高く、0.01-1mmの間で0.005mm単位での設定が可能となっています。

日本語対応のウェブドライバーでセッティング可能

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インストール型のソフトウェアではなく、WEBソフトを用いてキーマップの変更や磁気スイッチの設定が可能です。

キーマップ変更WEBアプリ:https://www.wobwxe.com

また、「FN+C」を押すことで、キーマップや性能設定・ライティング設定などのプリセットを変更することができるため、ゲームやOSによって即座に設定を変更することができます。

8000Hzの超低遅延入力

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ポーリングレートが8000Hzとなっているため、理論上では入力から動作するまでわずか0.125msしか遅延がありません。

これにより、ゲーミング用途において素早いアクションを瞬時に起こすことが可能です。

4層PCB

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通常、キーボードの基板は2層設計とされることが多いですが、Rainy75HE/RTでは4層としており、干渉防止効果を高めているとのことです。

専用USBケーブルに航空用3Aグラフェンを使用

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付属のケーブルは航空用の3Aグラフェンとという素材を採用しているようです。

これにより、データ伝送の安定性、電動製、熱伝統性能を向上させるとのこと。

サラウンドガスケットマウント機構を採用

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詳細な機構について言及されていませんが、シリコンゴムで基板を挟み込んでケースに挟み込むことで、打鍵時に基板が撓むような設計になっているようです。

さらに、Rogers高性能フォームを搭載することで、快適な打鍵感に寄与しているとのこと。

多くの磁気スイッチに対応可能

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デフォルトで採用されている2種類のキースイッチ(Gateron Jade Pro・TTC KOM RGB)以外にも下記のキースイッチに対応しています。

  • Gateron Jade Pro
  • Gateron Jade
  • TTC KOM RGB
  • TTC KOM
  • IYX 磁珀軸

さらに、今後のアップデートにより対応キースイッチが増えるようです。

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磁気式キースイッチに関しては、基板と互換性があっても磁性がことなることで利用できないケースも多いため、今後のアップデートで様々なキースイッチに対応してくれるのは嬉しいですね!

写真でみるWobkey Rainy75HE/RT

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それでは前置きが長くなりましたが、早速実際のRainy75HE/RTを見ていきましょう。

今回サンプルとして提供していただいたのは、Gateron Magnetic Jade Proスイッチを採用したHE Proモデルです。

まずは外箱から。

外観は通常盤のRainy75とほとんど変わりません。

ただし、通常版と比較するとかなり重い気がします。

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開封し、箱の中身を確認します。

内容物

  • 硬いポップの台紙
  • 取り扱い説明書
  • キースイッチプラー/キーキャッププラー
  • 専用USBケーブル(Type-A to Type-C)
  • サンプルキースイッチ(TTC KOM RGB)
  • 本体
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それでは全体から見ていきましょう。

75%レイアウトとなっており、ファンクションキーは独立、右下のアローキーは最下行と同じ位置に収まっています。

印字は非常に特徴的な形をしており、全体を通してカラフルな印象を受けます。

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キーキャップの材質はPBT、印字方法は昇華印刷です。

かなり肉厚のキーキャップを採用している様子。

印字に滲み等はありません。

プロファイルはCherryライクなステップスカルプチャードスタイルとなっています。

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ところどころで、ポリカーボネート製の半透明キーキャップがアクセントとして使われているのも非常に印象的ですね。

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アローキーはすべてポリカーボネート製のキーキャップとなっています。

LEDが透過して非常に美しい。

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しっかりと「Rainy」の象徴である「雲と雨マーク」も健在です。

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裏面も見ていきましょう。

裏面には豪華なステンレス製の「氷晶」ウェイトが存在感を放っており、お馴染みの雲マークがあります。

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見た目をよくするためか、表面にはネジ穴はなく、本体を分解するには裏面からアクセスする形になりそうです。

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背面にはシンプルにUSB差し込み口のみ。

他のキースイッチ類などはありません。

Kawamura top RKawamura

やはりフルアルミニウムボディとなると、シンプルにした方が製造はしやすい印象です。プリセット切り替えについても、キーボード側での操作にしたのはそのためでしょう。

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タイピング角度は約7度。

ティルトアングルは固定となっており、ティルトレッグはありません。

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キースイッチについても見ていきましょう。

今回選択したのがJade Proでしたが、TTCのスイッチも2個付属してきました。

TTCの方はボックスステムとなっており、かなり外観が異なります。

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また、キースイッチ自体の高さも異なっており、若干ですがTTCの方が背が高い印象を受けました。

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後述しますが、Jade ProがThocy傾向、TTC KOMはClacky傾向のスイッチです。
かなりキャラクターが異なりますが、日本人好みなのはおそらくJade Proのような気がします。

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また、Proを冠したモデルで最も大きく異なる点は、キースイッチプレートにカーボンファイバーを使用していることでしょう。

個人的にはカーボンファイバーの弾むようなリアクションが好みです。

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プレートオプションが選択できる場合は大体カーボンファイバーにしています。弾むような打鍵感は癖になります。 

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Wobkey Rainy75HE/RTのメリット

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Rainy75HE/RTのメリット
  • 磁気式キーボードなのに打鍵感と打鍵音が最高に気持ちいい
  • 重量感と金属塊感による満足度が非常に高い
  • 全体的なルックスが素晴らしい
  • 性能ももちろん一級品

磁気式キーボードなのに打鍵感と打鍵音が最高に気持ちいい

まずはこの動画を見てください。

…そう、めちゃくちゃいい音がするのです。

これまでの磁気式キーボードといえば、メカニカルキーボードと比較して「カチャカチャ」する感じが非常に強く、メカニカルキーボードと比較すると「おもちゃみたいな音」がするものが多くありました。

また、「反応速度の高さ」を重視するあまりにトップマウントで伝達ロスの少ないアルミニウムなどの硬いスイッチプレートを採用しているケースも多く、まるで「まな板を叩いているような」打鍵感のものが多かった印象です。

しかし、Rainy75HE/RTは、全く次元の異なる打鍵感や打鍵音を味わうことができました。

やはり、従来通りのガスケットマウント構造に加えて、十分な吸音材を採用したため、より「デッド」で 「Thockyな」打鍵感と打鍵音に仕上がっているのだと評価しています。

メカニカル版Rainy75の「雨音のような打鍵音」をさらにぎゅっと圧縮したような打鍵音は虜になる方も多いのではないでしょうか。

メカニカル版のRainy75との比較はこちらの動画をご覧ください。

重量感と金属塊感による満足度が非常に高い

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見てください!

このアルミ塊感満載の抜群のルックスを。

Rainy75HE/RTのボディは6063アルミニウム合金でできているため、ボディのどこを見ても「金属」です。

そのため、重量は約2kgと非常に重く、タイピングしていてずれることはまずあり得ません。

デスクに置く時も「ドンっ」という鈍い音を立てて鎮座することでしょう。

この質感と重量感は、きっとあなたを満足させまます。

全体的なルックスが素晴らしい

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Rainy75HE/RTは、無骨でベーシックな外観が非常に美しいです。

特に、絶妙な幅で縁取りされたケース周囲の余白部分は、アルミニウムの質感をさらに際立たせてくれます。

キーキャップの色合いとボディの色合いも統一感があり、見ているだけでも一つのインテリアとして成立してしまうほどに美しいです。

性能ももちろん一級品

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Screenshot

もちろん、磁気式キーボードとしての性能は言うまでもなく素晴らしいです。

これだけの反応性を持ったままガスケットマウント構造を採用できる点は本当に驚愕です。

Rainy75HE/RTのデメリット

やはり、メリットがあれば当然デメリットも存在します。

私が感じたRainy75HE/RTのデメリットは下記のとおりです。

Rainy75HE/RTのデメリット
  • キースイッチによって打鍵音・打鍵感の好みが分かれる
  • 種類によってキーキャップが選択できない

キースイッチによって打鍵音・打鍵感の好みが分かれる

これは本当に個人の感覚による違いがある部分ですので、あくまでも「個人的な意見」として捉えてください。

Rainy75HE/RTで選択できるキースイッチに関しては、全くキャラクターが異なります。

Jade Proは間違いなく日本人好みの「Thocy」なサウンドです。

一方で、KOM RGBは中国やアメリカなどで好まれているような「Clacky」なサウンドです。

これまで、メカニカルキーボード版のRainy75の打鍵音を想像して購入するのであれば、私は間違いなくJade Proスイッチを搭載したモデルをおすすめします。

種類によってキーキャップが選択できない

残念ながら、Rainy75HE/RTは、好みのキーキャップとプレート、ウェイトの選択に自由度がありません。

ProとLiteの違い

ProLite
キーキャップカラーマルチカラーグレー
キーキャップ材質Dye-Sub PBT+PCDouble shot PBT
プレートカーボンFR4
ウェイトステンレス氷晶ミラーガラス
ボディカラーナチュラルグレー・ギャラクシーシルバーナチュラルグレーのみ

例えば、シックなルックスを好むユーザーであれば、きっとグレーのキーキャップを選択したいと考えるでしょう。

しかし、その場合、強制的にプレートはFR4となり、ウェイトはステンレスではなくミラーガラスを選択するしかなくなってしまうのです。

Kawamura top RKawamura

キーキャップのみ別売りとなるともっと良いですね。

まとめ

以上、Rainy75HE/RTについてのレビューをお伝えしてきました。

こういった磁気式キーボードは、ゲーミング用途での利用を目的に購入されるケースがほとんどですが、Rainy75HE/RTに関しては、通常のタイピングユースでも十分に楽しむことが出来るでしょう。

特に、磁気式キーボードの反応の速さは、特に文字を打つ用途に関しても効果を発揮します。

「打てばすぐ文字が出る」という新体験が出来るため、タイピングが速くなったような感覚を楽しむことが出来るのです。

初めての磁気式キーボードとして、Rainy75HE/RTはぴったりでしょう。

是非購入を検討してみてください!

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GreenKeys著者情報

河村 亮介のアバター 河村 亮介 GreenKeys運営責任者/事業代表

WEBサイト運営事業GreenEchoes Studio代表をしています。他社法人メディアの運営ほかキーボードメディアや通信系メディアへの寄稿を行うなど、ウェブライターとしても活動しています。今年はオリジナルキーキャップセットを作る予定。

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