またもWobkeyが名作をリリースしました。
Zen65はWobkeyが販売する65%ANSIレイアウトのメカニカルキーボードです。
Wobkeyといえば、75%ANSIレイアウトの「Rainy75」で一躍有名となり、スクリューレスマグネティックケースを採用した80%TKL-ANSIレイアウトの「Crush80」でその地位を盤石なものとしました。
さらには、Crush80にはJISモデルがリリースされるなど、販売代理店である株式会社KIBUとの業務提携のもと、日本での知名度もアップしてきている印象です。
そんなWobkeyが満を持してリリースするのがこの「Zen65」です。
これまで表現してきた「Thocky」の極みとも言える打鍵感と打鍵音にさらにバリエーションを持たせるため、Zen65はユーザー自身で3つのマウント方法を選択できる特徴を備えています。
まさに本機は「Thockyの到達点」とも言える極地にあるキーボードと言えるかもしれません。
本記事では進化を続けるWobkeyの新作「Zen65」についてレビューしていきます。

- 一つのキーボードで多彩な打鍵感を楽しむことができる
- コンパクトで使いやすい
- パームレストなしでも手首が痛くならない
- 多彩なカラーリングでお好みの一台が選べる
- ファンクションキーがない
- 日本語配列がない
- カスタマイズ製が高すぎて使いこなせないケースも
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Wobkey Zen65のクラウドファンディングについて
Zen65はクラウドファンディング方式となっていますが、オールオアナッシング(最低受注数に満たないと製造されない)ではないため、リターンを応募すると漏れなく希望モデルを購入できるという形になっています。

要するに予約販売方式と捉えていただいて良いでしょう。
10月30日のプロジェクト終了後、製造が開始され、手元に届くのはおそらくは12月頃となる見込みです。

Zen65の価格
区分 | 割引名称 | 割引率 | 一般販売予定価格 | 提示価格 | 差額(おトク) |
---|---|---|---|---|---|
日本語配列 | 限定価格 | 21% off | 32,800円 | 25,900円 | 6,900円 |
Lite系 | 早割 | 21% off | 25,900円 | 20,500円 | 5,400円 |
MK割 | 13% off | 25,900円 | 22,500円 | 3,400円 | |
Ultra系 | 早割 | 22% off | 31,900円 | 24,900円 | 7,000円 |
MK割 | 20% off | 31,800円 | 25,500円 | 6,300円 | |
限定キット | 限定価格 | 16% off | 43,900円 | 36,900円 | 7,000円 |
Zen65の価格に関しては、先に購入するほど割引率が高くなっています。
お得に購入したい場合は、早めに手続きを済ませた方が良いでしょう。
Wobkey Zen65の概要
Zen65は「Lite」「Pro」「Limited」の3つのグレードがあり、それぞれのカラーリングや仕様が異なります。




カテゴリ | カラー | RGB | スイッチ | プレート | 表面処理 | バッテリー |
---|---|---|---|---|---|---|
Lite | Black | ARGB | Violet Switch | PCプレート | 180メッシュ 陽極酸化 | 3000mAh |
Silver | ||||||
White | ||||||
Pink | ||||||
Ultra | Black | ARGB | Luna Switch | FR4プレート Flex Cut | 220メッシュ 陽極酸化 | 6000mAh |
Black(日本語配列) | ||||||
Silver | ||||||
White-Gold | ||||||
Pink-Gold | ||||||
Warm Silver | ||||||
Red | ||||||
Limited (100台限定) | Warm Silverキット | NO RGB | – | NO Cut アルミニウム合金プレート | 220メッシュ 陽極酸化 + 純銅製ボトムケース | 6000mAh |

Wobkeyのキーボードらしく、Thockyな打鍵感のために徹底的なこだわりを見せており、今回のモデルに関しても1.2mm厚のフレックスカットPCBとフレックカットスイッチプレートを採用しています。
また、 吸音材にもこだわっており、全てにおいて「Thocky」な打鍵音を作り出すために設計されているようです。

また、今回の目玉機能となるのがこの選択できるマウント機構です。
下記の3つのマウントに対応しており、好みに応じて組み替えることが可能です。
- PCBガスケットマウント/プレートガスケットマウント
- トップマウント
- ポジショニングボードガスケットマウント


また、マウント方法については、Crush80同様にスクリューレスケースとなっているため、ネジの付け外しをせずに簡単に変更することができます。
また、基板に関してもポゴピン接続による簡単接続となっており、今後のカスタムも容易です。

6000mAhの大容量バッテリーにより、最大45日間の駆動が可能です。

バッテリー収納ケースの下にある真鍮製の「サウンドキャビティ」はなんと236g!この重さがタイピング体験の重要な役割を担っているようです。
【写真で見る】Wobkey Zen65レビュー
それでは早速、実際のZen65の写真を見ていきましょう。
Wobkeyのキーボードではお馴染みのグレーの専用ケースに入っています。

キーボードは専用の布で包まれており、梱包はバッチリですね。

上部の収納スペースには各種パーツが入っています。

本機はVIAに対応しているため、カスタマイズは自由ですが、デフォルトの機能説明も詳しく書いてある点も良心的ですね。

国外ブランドだとこういった気遣いがないところもあるので、Wobkeyはそういった面で非常にきめ細やかです。

内容物は、キーボード本体、交換用キースイッチ、交換用キーキャップ、マニュアル、キースイッチ/キーキャッププラー、接続ケーブル(A to C)、マウントパーツ各種、マニュアルです。

KIBUが販売する正規輸入品ということもあり、しっかりと日本語のマニュアルが付属しています。
これは嬉しい。


今回選択したのは、シルバーボディのクラシックカラーです。

重量感が凄まじいと思って測ってみると、なんと1.5kgでした。


65%キーボードでこれはとんでもない質量です。
後述しますが、比重の高い「銅」が入っています。
キーレイアウトに関しては通常のANIS65%となっており、デフォルトキーキャップはWINとなっています。

macOS用のキーキャップは付属していません。

最下段のコントロールキーの右隣は0.25uのスペースがあるため、ノールックでのアローキー操作が楽ですね。

アクセントチャームが非常におしゃれです。

もちろん、交換も簡単にできます。

キーキャップもさることながら、アルミケースの仕上がりが抜群に良いですね。
しっかりと面取りされたトップフレームは本当に美しいです。

ケース外観としては、曲線と直線がうまい具合に切り分けられており、見る角度によってもさまざまな表情を感じ取ることができます。

220メッシュのかなり細かいビードブラスト仕上げとなっているため、変なぎらつきはなく、マット調です。

特に背面は非常に複雑な形状をしています。

背面にType-Cポートがある以外にスイッチ類は見当たりません。

ちょうどこのグレーに色が変わっている部分の中に3000mAhのバッテリーがそれぞれ仕込まれています。

ティルトアングルは約8度と若干高めの傾斜です。
ティルトレッグはなく、調整はできません。

続いて底面です。
滑り止めのゴム足は小さく4箇所配置されています。
グレーに色が変わっている部分は別パーツとなっており、この部分にバッテリーが入っています。

Crush80でも採用していた3ピース構造ですね。

底面部分のここはマグネット式になっており、開けると‥

2.4GHz接続用のUSBドングルが入っています。

続いてキーキャップについて見ていきます。
キーキャップ素材はPBTとなっており、ダブルショットです。

この価格でPBTダブルショットを採用できるなんて、あいかわらずコスパがバグっています。
バリもなく成型精度も良好ですね。

搭載しているキースイッチはモデルによって異なります。
このモデルは「Pro」なので、KailhのLunaスイッチがインストールされていました。
押下圧は45gfと丁度よく、ショートストロークのため高速タイピングができます。
あえて「鳴らす」設計となっているため打つたびに心地のよい底打ち音が楽しめます。


RGBディフューザーが付いています。
キーボード全体の打鍵音を踏まえてしっかりとカスタムされている印象を受けました。



プレート素材はFR4のフレックスカット。
このフレックスカットが打鍵感の柔らかさの秘密かもしれません。

それでは、分解しましょう。
スクリューレス構造のため、トップケースを持ち上げると簡単にはずすことができます。

4箇所にマグネットが仕込まれており、この突起のおかげもあってか簡単に外れることはなく、でも力を入れるとはずれるという絶妙なバランスを作り出しています。

ドーターボード接続構造となっており、ポゴピンを介してドーターボードへ接続する形となっているため、基板セットはそのまま外せます。

スイッチプレートとPCBの間にはしっかりとした吸音フォームが入っていますね。

デフォルトはシリコンソックスを履いたスイッチプレートガスケットマウントです。
個人的にはこれが一番ちょうど良い柔らかさでした。

基板の下にも2枚の吸音フォームが仕込まれており、簡単に外すことができます。
打鍵音をもっと聴かせたいのであれば、これらを取り外すことで調整ができる点もGoodですね。

基板自体もFlexCutとなっているのは衝撃的でした。
回路設計、どうなっているんだろう笑

そして重さの秘密はこのカッパープレートです。
これの単体重量はなんと236g!
銅は比重が高いため、抜群の重量感と安定感を作り出します。
いやー…これ、この価格で出せるのは本当に信じられません。

Wobkey Zen65のメリット
私が実際に使用して感じたWobkey Zen65のメリットは下記の4つです。
- 一つのキーボードで多彩な打鍵感を楽しむことができる
- コンパクトで使いやすい
- パームレストなしでも手首が痛くならない
- 多彩なカラーリングでお好みの一台が選べる
一つのキーボードで多彩な打鍵感を楽しむことができる



やはりZen65の1番のメリットは、多彩な打鍵感を一つのキーボードで味わうことができることでしょう。
さらには、そのカスタマイズもスクリューレスケースのおかげで極めて短時間で組み換えができる点も大きなメリットだと言えます。
打鍵感のバリエーション
- PCBガスケットマウント/プレートガスケットマウント
- トップマウント
- ポジショニングボードガスケットマウント
最も打鍵感が柔らかく、WobkeyらしいThockyな打鍵音が得られるのが1番のPCBガスケットマウント/プレートガスケットマウントでしょう。
スイッチプレートとPCBの両方が宙に浮いている状態となっているため、打鍵の衝撃を最大限に吸収することができます。
その次に柔らかいのは3番のポジショニングボードガスケットマウントでしょう。
これは、要するにスイッチプレートのみでマウントする従来方法のガスケットマウントで、腰のある打鍵感が得られます。
また、硬い打鍵感が好みの方は、沈み込みにないトップマウントも選択可能です。
沈み込みのないダイレクトな打鍵感ですが、吸音材がしっかり入っていることで比較的デッドな打鍵音を楽しむことができます。
下記はデフォルト設定のPCBガスケットマウント/プレートガスケットマウントのタイピングサウンドです。
コンパクトで使いやすい

Zen65はファンクションキーがない65%レイアウトとなっています。
そのため、80%TKLキーボードなどと比較すると、随分と小さく感じることでしょう。
デスクがそれほど大きくない場合でも置く場所に困らないのは魅力的ですね。

ただし、アルミニウムボディとブラスウェイトが入っているため重量は1kg以上です。
よって、持ち運びには向いていないため注意してください。
パームレストなしでも手首が痛くならない

Zen65のキーボード前面の高さは、わずか19mmしかありません。
競合機種をみると、やはりここが25mmー30mm程度あるものが多く、パームレストの利用が前提となってしまいます。

メカニカルキーボードが苦手という方の中には、手首が痛くなることを理由にする方も多いでしょう。
そういった場合、パームレストの利用が推奨されますが、やはり慣れるまでの違和感は大きいです。
そういった点でパームレストなしでも手首が痛くならないのは大きなメリットですね。
多彩なカラーリングでお好みの一台が選べる

Wobkey Zen65は、大きく分けると6種類のカラーリングから選択できます。
ベーシックな「ブラック」、最近流行ってきているレトロ調のグレーに加えて、目の覚めるような赤、よりレトロ調のホワイトなど、多彩なカラーリングからお好みの色を選択できます。
また、ピンクやバイオレットといったガーリーな中性的なカラーが選択できるのも魅力の一つですね。
Wobkey Zen65のデメリット
実際に購入する前に注意したZen65のデメリットは下記の4点です。
- ファンクションキーがない
- 日本語配列のみカラーリングが選べない
- カスタマイズ製が高すぎて使いこなせないケースも
- 硬い打鍵感が好きな方は要検討
ファンクションキーがない

これは商品仕様となるのでなんともいえまんせんが、Zen65にはファンクションキーがありません。
よって、ファンクションボタンを押すには、コンビネーションが必要となります。
レイヤーが一つ後ろになることで、慣れないと使いにくい可能性があるのは、普段から75%レイアウト以上のキーボードを使っている場合ではデメリットと感じるケースがあるかもしれません。

私が65%キーボードを使う場合は、スペースバーを長押しするとレイヤーキーになるように設定しています。(MOD-TAP)
これだと、通常のタイピングをしながら、スペースバーを押しつづけて数字キーを押すとファンクションキーになります。
VIAでの設定方法は、Anyを設定して「LT(1,KC_SPC)」とするとできます。

日本語配列のみカラーリングが選べない

Zen65では、日本語配列モデルがあらかじめ用意されています。

おそらく、これは日本市場を踏まえたKIBUの采配が光る部分でしょう。
やはり、ほとんどの日本人が日本語配列しか利用していないことを考えると、この選択肢を用意しているのは素晴らしいことです。
しかし、残念ながら日本語配列モデルに関しては、ケースカラーが「黒」しか選べません。

無難なケースカラーで、どなたでも購入しやすいですが、他のカラーリングを選びたい方にとってはちょっと残念ですね。
カスタマイズ製が高すぎて使いこなせないケースも

Zen65のメリットとしても挙げましたが、カスタマイズ製が高すぎるがゆえに使いこなせないケースも考えらえます。
ただし、そういった場合は「デフォルト」の状態でも十分楽しめますので、安心してください。
Clackyな打鍵音が好きな方は要検討

Zen65の打鍵音は「コトコト系=Thocky」で耳馴染みがよく、クオリティの高いタイピング体験を提供してくれます。
一方で、Thocky系とは対となる「カチャカチャ系=Clacky」のタイピング音が好きな方にとっては、少々チューニングが必要です。
具体的には、写真に写っている吸音フォームを外し、PCB下のフォームも撤去、マウント方法をトップマウントに変更する必要があるでしょう。
ただし、Zen65の商品デザインとしては、あくまでも「Thocky全振り」だと考えています。
フレックスカットやガスケットマウントなど、どの要素も完全に「コトコト系」に振り切っていることを踏まえると、高音寄りのタイピングサウンドを求めている方に関しては、よく検討した方が良いでしょう。

ガッチガチの打鍵感がお好みの方は間違いなくフレックスカットなしの限定モデルをおすすめします。
こちらはおそらくはタイピングサウンドの傾向がガラッと異なっているはずです。
まとめ|究極のコトコト体験をあなたにも

以上、Zen65についてのレビューをお伝えしました。
個人的に65%サイズでThockyを求めるのであれば、Zen65は一種の到達点かもしれません。
これだけ良い音でタイピングができてカスタマイズも自在に行える、極め付けはこの低価格。
コストパフォーマンスで考えると頭ひとつ抜けているキーボードだと感じました。
あなたもぜひ、究極のThockyを体感してみてください!
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