これはゲーミングキーボードにしておくには勿体なさすぎる。
そんな感覚を初めて持ったキーボードがBH65です。
近年では磁気式キーボードの打鍵感や打鍵音については劇的に改善されてきたモデルが増えてきていますが、これは別格です。
忖度なしで「ずっとタイピングしていたくなるような」キーボードだと自信をもっておすすめできます。
本記事では、NuPhy X BH65についてレビューしていきます。

- 打鍵感と打鍵音が素晴らしい
- アルミケースを含めたキーボードとしての完成度が段違いで高い
- LEDライティングが秀逸
- キーマップ変更WEBアプリが非常に使いやすくて便利
- クオリティに見合っていない価格設定が非常に良心的
- 打鍵音が気に入らない方も中にはいるかもしれない
- 重量が重く持ち運びには向かない
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NuPhy X BH65のスペック等の概要について

特筆すべき特徴
- 220 Mesh オールアルミニウム製ボディ
- 8kHz USB Polling Rate
- 16kHz Full-keyboard Scanning Frequency
- 0.125msの超低遅延
- 0.01mm RT 感度
- 打鍵音がハイファイサウンド
仕様
- レイアウト: ANSI 65%
- キー数: 68
- スイッチタイプ: ハイプロファイル磁気スイッチ
- スタビライザータイプ: プレートマウント
- マウントタイプ: トレイマウント
- 電源オフ交換可能スイッチサポート: はい
- Nキーロールオーバーサポート: はい
- バックライト: トップエミッティングLED
- バックライトモード: 20
- 互換システム: macOS/Windows/Linux/Android/iOS 動作環境: -10〜50℃
- 有線ポーリングレート: 8000Hz
- PCBスキャンレート: 16000Hz
- キーキャップ:PBT
- キーボード:オールアルミボディ
- 長さ 321.5 mm (12.66 インチ)
- 幅 114.8 mm (4.52 インチ)
- 背面高さ 29.9 mm (1.18 インチ)
- 前面高さ 20 mm (0.79 インチ)
- 重量 1103 グラム (2.43 ポンド)
- タイピングティルトアングル 6.0º
利用できる磁気式キースイッチ
- Gateron Magnetic Jade Pro
- Gateron Magnetic Jade Gaming
- TTC Magneto(確認中)
【写真でみる】NuPhy X BH65レビュー
それでは早速、BH65の実際の写真を見ていきましょう。
かなりしっかりとした箱に入っています。

ゲーミングキーボードらしからぬ「シック」な梱包が非常に好印象です。

「ゲーミング」というと多色のLEDがキラキラ光ってかなり騒がしい印象を受けてしまいますが、こういった「普通な」感じは、普通にキーボードとして使いたい人にとってはいいですね。(はい、私です)


内容物は、キーボード本体、簡易マニュアル、ネジ(4本)、USB Type-A to Cケーブル、キーキャップ/キースイッチプラーです。


ネジの使い道についてほとんど触れられていませんが…
あまり知られていませんが、こちらに専用カスタマイズのための3Dデータが配布されており、自身で印刷したパーツを取り付けるためのネジだと思われます。

重量はなんと1kgを超えています。

この重さが抜群の安定感を引き出してくれます。
さすがオールアルミニウム製ボディは違いますね。

ちょっと今回は趣を変えて、「ケース」に着目するために裏面から見ていきましょう。

ほんと、ケースの完成度が素晴らしいのです。

見てください、このシックな仕上がりを。
220メッシュのビードブラスト(細かい粒子をアルミニウムに打ち付けることでマット調の仕上げにする手法)は非常にきめ細やかな仕上がりとなっており、触るとさらさらしています。

ややくすんだ濃いブルーのようなアルマイト処理を施された絶妙なマットカラーは高級感に溢れており、アルミニウムに刻まれた線の美しさを引き立てています。

このティルティングフィートなんかはもう芸術作品です。

タイピングアングルは約6度の固定となっており、前述のティルトフィートによってデスクとの間に空洞ができることで、クリスピーな打鍵音を演出します。
キープロファイルはCherryライクな形となっており、行によって傾斜角度が異なります。

キーキャップ形状はシリンドリカル、キーキャップ素材はダブルショットPBTです。

非常に綺麗に整形されています。

キーキャップ製造元は明かされていませんが、KeyTokが製造しているのでしょうか。

裏面を見たら次は側面を見ていきましょう。
ボディの側面にスイッチ等は見られず、Type-C接続のUSBポートのみとなっています。

極め付けはこのサイドビューです。

ブラックホール・ライトトレイルとネーミングされたこの部分は、ブラックホールの神秘的なビジュアルを表しているようです。
吸い込まれるように窪んでいる部分に造形美を感じます。

もちろん、中央に仕込んであるLEDディフューザーで光ります。
もうこれ、たまりませんね。

公式画像だとこんな感じで紹介されています。
確かにこれはSF味をすごく感じますね!

ケースのこだわりはまだまだ続いており、キーボード右上に「BH65」の刻印があり

上面右下には「Clutch or kick O」の刻印が刻まれています。

上面左上にもLEDディフューザーがあり、サイドLEDと同色に光ります。

ようやくトップビューです。
ベーシックな65%ANSIレイアウトとなっており、方向キーが独立しています。

ゲーミングキーボードとしての利用を想定しているためか、Mac用の交換用キーキャップの付属はありません。




キーの背景は黒、印字はミントグリーンとなっており、アクセントキーキャップの紫と合わせてサイバー感を演出しています。



全キーに南向きLEDが搭載されていますが、光を透過しないPBT製キーキャップのため、光がキーの間から漏れ出るような光り方をするのが特徴です。

デフォルトでは、Gateron Magnetic Jade Pro/Gamingが選択できます。

プレートはアルミニウム素材を利用しており、マウントは恐らくはトップマウントです。

ゲーミングキーボードは、低遅延を実現するためにトップマウントを選択することが多い一方で、打鍵感が犠牲になるケースが多くあります。
その点、BH65ではシリカゲルを用いた独自の吸振構造を採用しており、快適なタイピングフィールを味わうことができました。

忘れてはいけないのがキーマップ変更と磁気エフェクト変更アプリです。
BH65は、最新のNuPhy io 2.0に対応しています。
設定画面も直感的で非常にわかりやすく、日本語にも完全対応しているため操作で迷うことはほとんどないでしょう。

上記の画面と下記の画面が一つのウィンドウに表示されており、実際のキーボードを見ながらキーマップ変更、磁気エフェクト設定をしたのタブを切り替えて設定していきます。
設定はリアルタイムで反映されるようです。

磁気式エフェクトだけでなく、MOD-TAPやマクロの設定も可能です。
MOD-TAPに関しては、Vialファームウェアと同じく、閾値の調整までできるという優れもの。(通常のVIAなどではコンパイル前に設定しないと調整できません)

キー入力時にNuPhy ioを立ち上げておくと、しっかりとレイヤー切り替えまで反映してくれています。これは地味にすごい。
BH65本体にはモード切り替えスイッチはありませんが、ファンクションキーを押しながら下記ボタンを押すことで、それぞれのキーマップと磁気エフェクト設定に切り替えることができます。
- Fn+Q→M1
- Fn+W→M2
- Fn+E→M3

一つのモードは4つのレイヤーを持っているため、異なるOSを共存させる設定にしたり、ゲーミングシーンであれば異なるゲームにおいて専用設定を3つまで保存することも可能です。

NuPhy X BH65のメリット
私が実際に使用してみて感じたBH65のメリットは下記の5点です。
- 打鍵感と打鍵音が素晴らしい
- アルミケースを含めたキーボードとしての完成度が段違いで高い
- LEDライティングが秀逸
- キーマップ変更WEBアプリが非常に使いやすくて便利
- クオリティに見合っていない価格設定が非常に良心的
- 有線接続だけのため技適の心配がない
打鍵感と打鍵音が素晴らしい
私が最もBH65に惹かれたポイントは「打鍵音」です。
本家が公開している打鍵音はこちらですが、録音環境のためかかなり「ピーキー」な印象です。

これは動画で損をしてしまっているような気がします。
私の環境で撮影したのがこちら。
Thocyとは異なる方向というのがわかるでしょうか。
おそらく、吸音はほとんどしていないはずです。
衝撃を吸収するために「シリカゲル」を仕込んでいるくらいではないでしょうか。
金属ケース内に響く反響音が非常に特徴的で、ずっとタイピングしていたくなります。
特にスペースバーの「コーン!」というサウンドはたまりませんね。
また、アルミ製のトッププレートの硬さとトップマウントが相まってかなり「硬い打鍵感になるかなー」と予想していたのですが、シリカゲルのおかげか、そこまで目立った硬さはなく、心地良い程度です。
個人的にはかなり好みでした。
アルミケースを含めたキーボードとしての完成度が段違いで高い
BH65は、ケースを含めてキーボードとしての完成度が非常に高いと感じました。
まず、目を引くのがアルミニウム製ケースのデザインの素晴らしさでしょう。

220メッシュの細やかなビードブラスト処理が施された筐体は非常に手触りがよく、アルマイト処理により青味がかった黒のような絶妙なボディカラーは、所有している喜びを感じさせます。

また、吸音材などを足さないシンプルな構成で商品としてリリースできているのは、打鍵音込みでの総合設計を詰めた結果なのではないかと推察しています。
LEDライティングが秀逸

BH65は、とにかくLEDライティングが綺麗です。
ゲーミングキーボードらしいと言えば、とにかく多色で光っているというイメージがありますが、BH65の光り方はかなり上品です。
また、LEDライティング込みで設計されたと思われるケースの窪みから光っている様は、まさしく宇宙を感じさせます。
Haloシリーズで培ったライティング技術が活きていますね。
キーマップ変更WEBアプリが非常に使いやすくて便利

磁気式キーボードと言えば、ハードウェア面はもちろんのこと、設定を行うソフトウェア面も非常に重要です。
その点、BH65は、専用編集アプリである「NuPhy IO 2.0」が非常に秀逸だと感じました。
デフォルトで日本語対応しているため、ブラウザ翻訳によるわかりにくさもなく、すべてが直感的に操作することが可能です。

様々なメーカーの磁気式キーボードを使ってきましたが、おそらくNuPhyの設定アプリの作り込みは、頭ひとつ抜けています。
本当に分かりやすいし、トラブルも少ないです。
ファームウェアアップデートもスムーズなのも素晴らしいですね。
クオリティに見合っていない価格設定が非常に良心的

これだけのクオリティで、価格はなんと26,950円(税込)です。
感覚的には4万円くらいの高級キーボードという印象でしたが、まさかこの値段で販売できるとは驚きですね。
有線接続だけのため技適の心配がない

BH65は「有線接続専用キーボード」です。
よって、利用時に気になる「技適」について考える必要がないのも魅力の一つでしょう。
ゲーミングキーボードは、入力してから反応するまでがいかに低遅延かというのが重要となっています。
BH65のポーリングレート(入力してから反応するまでの速度目安で用いられる)は8000Hzです。
通常の有線接続/2.4GHzUSBドングルを用いたキーボードの目安が1000Hzということを考えると、単純に8倍速く反応することになります。

ただし、普通に利用する分には1000Hzでも8000Hzでも大きな体感の差はありません。
ただし、BT接続は125Hzなので、流石に「ちょっと遅れて入力っされているな」というのはわかるかもしれません。
私はわかってしまう人なので、有線接続の方が好きです。
NuPhy X BH65のデメリット
やはり良い商品でも購入する前に確認したい注意点は存在します。
一般目線でBH65を購入する前に注意したいデメリットは下記の2点です。

正直なところ、デメリットを探すのが難しいくらい完成度の高いキーボードです。
これは本当に素晴らしい。
- 打鍵音が気に入らない方も中にはいるかもしれない
- 重量が重く持ち運びには向かない
打鍵音が気に入らない方も中にはいるかもしれない
やはり、最近の磁気キーボードを含めたキーボードシーンで人気なのは「Thocky」方向の打鍵音ではないでしょうか。
吸音材によってミュートされた鼻がかった低音を押し出すような打鍵音です。
ガスケットマウントで打鍵感が柔らかく、「カチカチ」ではなく「コトコト」系のキーボードが人気ですね。
そう言った「コトコト系」のキーボードの打鍵音を求めている方には向かないかもしれません。
また、静かなオフィスでの利用を考えている方にも向かないでしょう。

音量を考えると、オフィスではタイピングできません。
重量が重く持ち運びには向かない

BH65だけでなく、アルミニウム製のケースを採用しているキーボード全般に共通することですが、重量があるため持ち運びには適しません。
流石に1kgあるキーボードをカバンに入れて持ち歩くのは現実的ではないでしょう。
まとめ|磁気式キーボードとしてではなく聴かせるキーボードを探している方にもおすすめ

以上、BH65についてレビューしてきました。
BH65は、磁気式キーボードとして登場していることから、一般的なメカニカルキーボードファンの購入対象から外れてしまっているケースも十分考えられます。
これだとやはり勿体無いですね。
BH65は、打鍵感を重視しているメカニカルキーボードファンにこそ使ってほしいキーボードだと感じました。
気になった方、ぜひトライしてみてください!
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