狭ピッチの新型はよりクールにトレンドを取り入れた「新仕様」にアップデート。
takashicompanyは、2025年3月22日に開催される日本最大のキーボード展示即売会「キーボードマーケットトーキョー2025(通称:キーケット)」にて、新作キーボード「PalmSlave」を発表します。
当メディアでは、その魅力を一足先にお届けすべく、先行レビューを実施しました。
PalmSlaveは、takashicompanyがリリースするキーボードの大きな特徴である「狭ピッチ」をさらに昇華した素晴らしい作品となっています。
ぜひキーケットへ行った際はお手に取ってみてはいかがでしょうか?
PalmSlave商品情報

名称:Palmslave (miniDivide v2)
- 従来のキーより小さい0.8u(16mm)の狭ピッチを採用した小型の分割型キーボード。
- 小さく薄いため持ち運びに便利で「出かけた先で文字を打つ」のにピッタリ。
- 特にスマートフォンとの相性が抜群。普段遣いとしてデスクの省スペース化にも貢献できます。
- Choc v1とv2(Lofree)キースイッチの取付けが可能。またキースイッチソケットを取り付けることでキースイッチの交換が容易になります。
- BLE Micro Proを用いた無線化にも対応。
- 基本キット + 3Dプリントケース ¥20,000
- 基本キットのみ ¥10,000
販売場所:
- キーケットE-11ブース(狭ピッチキーボード協会)
- オンラインショップ(順次商品ラインナップに追加)

PalmSlaveの完成図
まずは、組み立てた様子からみていきましょう。












PalmSlave実機レビュー
それでは早速、PalmSlaveの実機をレビューしていきましょう。
今回のレビューコンテンツには「組み立て方法」は含まれていません。組み立て方法についてはビルドガイドをご覧ください。
今回提供していただいたのは、キーケットでも販売予定の「3Dプリントケースセット」です。
内容物は、基板パーツセット(白い箱)、ケース(左右分、トップケース、ボトムケース、マイコンカバーの合計6パーツ)、キーキャップの3セットです。

PalmSlaveの形をあしらったロゴがおしゃれですね。

白い箱の中身はこのようになっています。

使用に必要なパーツ類はすべて揃っており、これを自身でハンダつけをして組み立てていくことになります。
続いてケースについてみていきましょう。
ケースは自家印刷ではなく、JLC3DPに発注したものです。
素材はレジンを採用しており、スプレーペイントサービスを利用しているものと見られます。
色斑もなく、非常に綺麗な仕上がりとなっていますね。
また、ケース形状も角の造形など非常にきめ細やかな部分まで美的配慮がされている素晴らしい完成度となっています。

底面側はあえてエッジを効かせた形状になっているのもメリハリが効いていていいですね。




つづいてキーキャップについてもみていきましょう。
こちらもケース同様に色斑はありません。

ロープロファイルながらもこのように行によって傾斜が異なるこだわりを見せています。


ステム形状はKailh choc v2に対応した十字となっており、キースイッチとのフィッティングも良好でした。

基板はリバーシブル形状となっています。
この前作にあたるminiDivideはハンダつけ前提でしたが、今回はすべてソケット対応となり、ホットスワップに対応しました。

このサイズ感でソケットを使えるなんて信じられません。


前作のminiDivideとの比較はこちら。
ソケット化したことに加えて、LEDが省略されていることがわかります。
その他、細かい部分でも基板のマイナーアップデートが随所に見られました。

基板外径とボトムケースの内径もジャストフィット。
これは気持ちいいですね。

ちなみに、今作は「Kailh choc v2」対応ではありますが、choc v1キースイッチも利用可能です。

スイッチの形状の違いは中央の足の太さが異なる点です。

キースイッチをはめるとこんな感じになります。
今回はLofree x Kailh Hades Silent Linearをチョイスしました。

マイコンカバーを被せると完全に同一色になります。

それにしてもこの造形は非常に美しいですね。

底面には4箇所にゴム足を貼ります。
場所はお好みでOKです。

この六角ナットのジャストフィットしている造形、ほんとに素晴らしい。
みていて楽しくなるキーボードってそうそう出会いませんが、まさにこれは「それ」です。







PalmSlaveの注目ポイント
商品の大まかな概要が分かったところで、PalmSlaveの魅力について見ていきましょう。
- 完全無線対応でiPhoneやiPadにも使える
- ミニマムで可愛らしい
- ポップなカラーラインナップでデスクが華やかになる
- キーマップの変更がGUI上で可能
完全無線対応でiPhoneやiPadにも使える
新幹線にて
— takashicompany (@takashicompany) January 5, 2025
Keyboard: #Palmslave (miniDivide v2) アクリルプレートケース
Switch: Lofree Hades
Keycap: #Zero8SlimFitMX Black#KEEB_PD#KEEB_PD_R230#自作キーボード#狭ピッチキーボード協会 pic.twitter.com/0NOG30zLaW
やはり、一番の魅力は、完全無線対応でiPadやiPhoneなどのデバイスでも利用できるということでしょう。
16mmピッチの極小サイズで且つ、左右分割で左右間接続についても無線で行えるため、カフェなどの狭いスペースでもおしゃれにかつ効率よくタイピングすることができます。
ミニマムで可愛らしい
16mmピッチの魔力はやはり「ミニマム」という部分に宿ります。
通常ピッチよりも約3mm程度小さいため、キー数が増えるごとにサイズの差が大きくなるのです。
つまり、片手5列のPalmSlaveは、Corne miniやKeyball39などの通常ピッチの片手5列キーボードと比較すると15mm=1.5cm小さくなるため、ミニマムなルックスが楽しめます。
ポップなカラーラインナップでデスクが華やかになる

見てくださいこのポップなカラーラインナップを!
キーケットで販売予定のPalmSlaveキットは下記のようになっています。
- 基本キット + 3Dプリントケース ¥20,000
- 基本キットのみ ¥10,000
#キーケット の支度
— takashicompany (@takashicompany) March 2, 2025
Keyboard: #Palmslave (miniDivide v2) Orange Yellow Matt & Ultramarine Matt
Switch: Lofree Ghost switch
Keycap: Zero8 Slim-Fit MX#KEEB_PD #KEEB_PD_R239 #自作キーボード #MechanicalKeyboard #狭ピッチキーボード協会 pic.twitter.com/RXFGwvIbOC
現時点でカラーは未確定ですが、複数色の3Dプリントケースを持ち込み予定とのこと。
これはポップでおしゃれですね!

基本キットのみを購入し、ケースをJLC3DP等のペイント込みのプリントサービスを利用すると、自分の好きなカラーのケースを注文できるのも大きなメリットでしょう。
私が今回サンプルとして利用しているのは「オレンジイエロー(マット)」です。

キーマップの変更がGUI上で可能

PalmSlaveは片手19キー、合計38キーの超スモールキーボードです。
そのため、「レイヤーキーを押す」ことによる「レイヤー移動」でフルサイズ分のキーをタイピングする仕組みとなっており、アルファベットは表レイヤー、その他の記号や方向キーといったキーは、裏レイヤーに配置するのが基本的な考えとなっています。
そこで重要になってくるのが「キーマップのカスタマイズ」です。
このカスタマイズは、「Remap」というWEBアプリで行うことができます。
特定のアプリをインストールする必要もなく、自身が登録したキーマップを呼び出すこともできる非常に使い勝手の良いキーマップ変更ソフトです。
従来の「キーマップ変更」というと、プログラミングの知識が必要でしたが、これはビジュアル上で変更することができるため、コードを書く必要はありません。
自作キーボード初心者でもまったく問題なく操作することができるでしょう。
PalmSlaveのちょっと気になるポイント
ここからは、PalmSlaveの「ちょっと気になるポイント」について見ていきます。
- ハンダつけの箇所が多い
- 組み立てには別途工具やパーツの用意が必要
- ピッチが狭いため慣れるまでに時間がかかる可能性
- QAZレイアウトのためキーマップに工夫が必要

「デメリット」というほどではないのですが、購入前に知っておいた方が良いことを説明します。
ハンダつけの箇所が多い

PalmSlaveは「自作キーボードキット」です。
よって、すべてのパーツを自身でハンダつけしなければいけません。
実装すべきパーツはすべて同梱されていますが、すべて組み立てるまでに2-3時間はかかることが予想されます。

このハンダつけが楽しいのですが、完成品を求めている人にはけっこう大変な作業かもしれません。
組み立てには別途工具やパーツの用意が必要
このキットを組み立てるには、工具の準備が必要です。
ハンダつけセット一式(温度調整機能つきハンダコテ、コテ台、作業マット、糸ハンダ、ハンダクリーナーなど)を準備する必要があるため、チャレンジしようと思っている人はちょっと気合を入れる必要があるでしょう。
また、無線化する場合には、追加でパーツを「BLE micro Pro」を購入する必要があります。
ピッチが狭いため慣れるまでに時間がかかる可能性

PalmSlaveは通常のキーボードと比較すると、キーとキーの間の感覚が狭いため、慣れるまでに時間がかかる可能性があります。
通常のキーボードのピッチは約19mm(≒19.05mm)で、その差は3mm。
たった3mmの違いですが人間の指は意外にも繊細で、この狭さに慣れるまでに時間がかかる方もいらっしゃるかもしれません。
特に手が大きい、指が太い方に関しては、購入前に試打をすることをおすすめします。

指の細い女性や標準的な手の大きさの方であれば問題なくタイピングできるでしょう。
私は比較的手が大きい部類ですが、特に問題はありませんでした。
(手を最大限に広げた状態で親指から小指まで約16cm)
QAZレイアウトのためキーマップに工夫が必要
「QAZレイアウト」は、端的にいうと左手側のアルファベットキーの端がQAZとなっている片側5列の配列のことを指します。

左手に着目してみましょう。
通常、「ESC」や「Tab」「Shift」と言ったキーは小指で押しているケースが大半だと思います。
ただし、QAZレイアウトでは、そもそもそう言った修飾キーがキーボードの端にないため、これまでのタイピング方法を検討する必要が出てきます。
例えば、Remapには「Mod-Tap」と呼ばれる機能がそなわっており、「単押し」と「長押し」で異なるキーを入力することができます。
これを仮に「Z」に割り当てて、「単押し」で「Z」、長押しで「Shift」と割り当てを行えば、左小指のシフトキーは問題なく入力できることでしょう。
ただし、元々の単押しである「ESC」や「Tab」キーに関してはこれが使えないため、同じ位置の裏レイヤーに置く、などの工夫が必要になります。

スモールキーボードの楽しみの一つがこの「自分自身でキーマップを決定する」ということです。
一見すると「大変そうだなー」と思うここが、自作キーボードの醍醐味でもあったりします。
まとめ

以上、PalmSlaveについてのレビューをお伝えしてきました。
無刻印かつコンパクト、QAZレイアウトの超ニッチ仕様ですが、このコンパクトさには唯一無二の魅力があります。
ちょっとでも興味を持った方、実際に試してみてはいかがでしょうか。
「狭ピッチ」の魅力の虜になるかもしれません。
キーケット当日はぜひ、E-11「狭ピッチキーボード協会」ブースを覗いてみてくださいね。
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