1000枚のチケットが完売する熱気…第一回キーボードマーケットトーキョー取材レポート

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2024年3月2日、日本で初めてのキーボード展示即売会イベントである「キーボードマーケットトーキョー(キーケット)」が開催されました。

第一回にも関わらず、1000枚用意した事前販売チケットは完売という盛況っぷり。

本記事では当日の様子を「自作キーボードマニア視点」で紹介していきます。

本記事は公開前にキーボードマーケット運営事務局より掲載許諾をいただいています。
キーボードマーケット運営事務局におかれましては取材許可を頂けたことについてこの場を借りて御礼申し上げます。

取材および執筆は、自身も自作キーボードマニアであるGreenEchoes Studio河村が行いました。

この記事の著者
Kawamura top R

GreenEchoes Studio代表

河村亮介(カワムラリョウスケ)

サイト運営者兼WEBライターとして自社メディアを立ち上げ、現在では複数の法人運営メディアの企画運営を行う。仕事上、ヘビーに文字を打つことが多く効率化を求めるうちにキーボード沼にハマり、「GreenKeys」を開設。

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キーボードマーケットトーキョー開催概要

  • 日時:2024年3月2日(土) 11:00 – 16:00
  • 会場:東京都台東区花川戸2-6-5東京都立産業貿易センター台東館7F展示室(北)
  • 公式サイトhttps://keeb-market.jp/

第一回目のキーケットの会場となったのは、東京都台東区にある「東京都立産業貿易センター台東館」です。

7階展示スペースの半分を貸し切っての開催でした。

東京メトロ浅草駅から徒歩で約7分程度の立地で、浅草寺から程近い場所です。

当日の天候は快晴。

記念すべき第1回目の開催にふさわしい、まさに「キーボード日和」でした。

  • 出展サークル数:36つ
  • 企業ブース:6つ
  • 事務局ブース:1つ
  • 「遊舎工房」ブース:1つ
  • 合計:44ブース
出展者リストおよび販売サイト一覧を見る▷▷
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スクロールできます
NoName運営販売ジャンル代表作おしながき
A-1Fuji Parmesan Claft Worksふじっこ
Alco
外部サイト
キーキャップ
オーダーキーボードケース
マーブル塗装
外部サイト
外部サイト
A-2海産物Nori
しゃちの水槽
外部サイトキーキャップ海の生き物モチーフ
金属キーキャップなど
外部サイト
A-3SAMPO外部サイト
A-4CRAB CRAFTCRAB CRAFT外部サイトキーキャップ猫アケコン シマエナガ
A-5alglabnet(あるじらぶねっと)alg外部サイトキーボード/キーキャップTaihei70,かき氷,氷外部サイト
A-6島根大学ものづくり部PimしいたけキーボードErgoGridGo外部サイト
A-7YMG WorksYMG WORKS外部サイトキーボードThe End Point外部サイト
A-8kbd.arashike.comあらし外部サイトキーボードCorchim
A-9王立魔界鍵盤製作所魔王
にるぽ
外部サイト
キーボード
TRRSケーブル
Silverbullet
にるぽケ
外部サイト
外部サイト
A-10栗屋くりきささキーボードYak40外部サイト
A-11沼人の会yohe ₍₍⁽⁽(ʃ( ‘ㅅ’))₎₎⁾⁾
Mark
foostan
ボックス キーキャップ
モンスオブファンク
荒涼
外部サイト (yohe)
外部サイト(MARK)
外部サイト(BOXXX KEYCAP)
外部サイト(モンスオブファンク)
外部サイト(荒涼)
キーボード
キーキャップ
M0ii0シリーズ
treadstone/LEFTOVER
corne/cornelius
THINK_シリーズ
zinc / MDA Future Suzuri
外部サイト
外部サイト
外部サイト
外部サイト
外部サイト
外部サイト
A-12自キ温泉街販売所サリチル酸自キ温泉ガイド外部サイトキーボード7sPro Maxなど外部サイト
B-1うさきーぼー堂ぎーくらびっと
Haruka
外部サイト
外部サイト
キーボードTimothy
もこもこ動物キーキャップ
外部サイト
外部サイト
B-21U猫キー屋ymkn(やまけん)外部サイトキーボードKeeBar外部サイト
B-3スケルトンキーボードスケルトンキーボード外部サイトキーボードFrost68など外部サイト
B-4m.kiと愉快な仲間m.ki外部サイトキーボードcoolシリーズ外部サイト
B-5寺見屋ラボてらひで外部サイトキーボードMellow65外部サイト
B-6KESキーボード制作部らて外部サイトキーボードRadon_kb
B-7のぎけす屋せきごん外部サイトキーボードBLE Pro Micro外部サイト
B-8ハシビロ工業ハシビロ工業外部サイト電子パーツChameleon Key外部サイト
B-9famichufamichu外部サイト磁気スイッチキーボード外部サイト
B-10パレットシステムよっぴ外部サイトキーボードAZ-CORE
B-1174th74th外部サイトキーボードSparrowなど外部サイト
B-12romly.comrom軸の秤軸の秤
C-1狭ピッチキーボード協会takashicompany外部サイトキーボードminiDrive外部サイト
C-2satromi workssatromi外部サイトキーボードminimum TL Split Keyboard外部サイト
C-3パタマナアンドゥー外部サイト
C-4DecentKeyboards中里キーボードNanaju外部サイト
C-5U40u27a4キーボード外部サイト
C-6ゴリラボKKaK外部サイト
C-75z6p Instruments by Dm9Recordshsgw外部サイトキーボードFrannel外部サイト
C-8SotonoSotonoMIDIキーボードOctapad外部サイト
C-9A&N LABORATORYあんりある外部サイトキーボードキースイッチマウスキット外部サイト
C-10ozsanozsan外部サイトキーボードMonkeypad外部サイト
C-11はやしたろうはやしたろう外部サイトキーボードON THE GOなど外部サイト
C-12電脳甲板工廠くしま外部サイトキーボードRooxシリーズ参加不明
S-1moimateゆかり外部サイトキーボード/キーキャップCreaterpad外部サイト
S-2FILCOFILCO外部サイトキーボードMINILA-R外部サイト
S-3HHKBHHKB OFFICIAL外部サイトキーボードHHKB
S-4BasekeysKS Japan【masro】外部サイトキーボードIO
S-5REALFORCEREALFORCE外部サイトキーボードREALFORCE
S-6遊舎工房遊舎工房外部サイトキーボードなど外部サイト
S-7GrabShellGrabShell外部サイトキーボードGrabShell
S-8キーボードマーケット運営事務局ブースでの販売
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(ななめの人)
外部サイトキーボードAcperience70外部サイト

キーボードマーケットトーキョー取材レポート

筆者はプレスの側、やはり自作キーボードを実際に購入したいという思いもあり、先行入場チケットを購入し、列に並びました。

10時半に先行入場者の整列が始まると、瞬く間に100人が集結。

一気にイベントらしい雰囲気に包まれました。

keyket 1

「ここからここまでが整理番号11番から20番!」 

moimtate代表でキーケット運営のゆかりさんの声が響く。

先行入場者は、恐らくは購入順に1から100番までの整理番号が振られ、整列後にスタッフがスマホ画面のQRコードを読み取り、左手に入場パスをつけて先行予約特典のノベルティを渡していく…大変手際よく、あっという間に全員の受付が完了しました。

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先行入場特典のノベルティ(筆者オフィスで撮影)

「押さないでください!走らないでください!」

11時。

スタッフの声と共にゆっくりと開場しました。

keyket 3

自作キーボード界隈の古参が集う超人気ブース「A-11 沼人の会」「A-12 自キ温泉街販売所」

開場直後から一際混雑が目立ったのが「沼人の会」と、横に並ぶ「自キ温泉街販売所」です。

「自キ温泉街販売所」運営のサリチル酸さん曰く、「自キ温泉は沼人の会の下部組織」ということで、会計が同一となっていました。

サリチル酸さんに関しては、ブログ「自作キーボード温泉街の歩き方」の運営者でもあり、自作キーボードを世に広めるために積極的に活動をされている方です。

同ブースでは、ハッピーなレイアウトで左右分割できる60%レイアウトキーボードの第二弾「7sPro Max」のプロトタイプを販売しているほか、新作40%キーボードなど多数販売しており、各々が手に取ってその感触を確かめていたのが印象的でした。

keyket 58

沼人の会では、自作キーボード会を盛り上げてきた5名の方が共同で出店。

数々の名機がずらりと並ぶ中、zinc作者であるモンスオブファンクさんに、改良型zincの特徴をお伺いすることができました。 

zincは、左右分割のロウスタッガードスタイルの40%レイアウトキーボードです。

keyket 54

これまでにも、実装しやすいタブ付きLEDに対応した基板にするなど、アップデートを繰り返してきました。

今回の改良版では、特にマイコン周りの修正に力を入れたとのこと。

近年主流となってきている、接続端子が「USB Type-C」となっているタイプのマイコンは、従来型のMicro-B端子タイプと比較すると、基板からはみ出る端子の長さや厚さが大きく異なります。

従来のモデルでは、Micro-Bを基準に設計されているため、Type-Cマイコンでは、一部基板と干渉するものもありました。

また、Type-Cマイコンには複数の「亜種」が存在し、微妙に形状も異なることから、対応が難しいケースも。

これらに対応したのが「新基板」とのことです。

今回特別に用意された3Dプリント製の「ミドルプレート」は、長さ問題に対応するために若干外枠からはみ出る形で修正されていました。

Kawamura top RKawamura

個人的には、はじめて入手した自作キーボードが「7sPro(組み立て済み)」で、はじめてはんだつけしたキーボードが「zinc」だったため、大変思い入れが深いブースでした。

ブース名沼人の会
運営者yohe ₍₍⁽⁽(ʃ( ‘ㅅ’))₎₎⁾⁾
foostan
Mark
ボックス キーキャップ
モンスオブファンク
荒涼
販売サイト外部サイト (yohe)
外部サイト(MARK)
外部サイト(BOXXX KEYCAP)
外部サイト(モンスオブファンク)
外部サイト(荒涼)
ジャンルキーボード
アルチザンキーキャップ
代表作M0ii0シリーズ
treadstone/LEFTOVER
corne/cornelius
THINK_シリーズ
zinc,MDA Future Suzuri
販売リスト下記のポストを参照
あとはサリチル酸さんが作った販売リストもどうぞ。
ブース名自キ温泉街販売所
運営者サリチル酸自キ温泉ガイド
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーボード
代表作7sPro Maxなど
販売リスト外部サイト 

様々なこだわりが詰まった「B-1 うさきーぼー堂」

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左右分割カラムスタッガード60%レイアウトキーボードを販売していたのが「うさきーぼー堂」

サムクラスタ(親指で操作する部分)が一段下がっているのが大変特徴的です。

keyket 19

構造を見ると、マイコンを設置する基板から二つの基板に対して端子接続することで、物理的に段差を設けているような仕組みとなっていました。

keyket 17

特にこだわりが見られたのが、上記画像の「Win」「alt」の2キー部分。

制作設計者のぎーくらびっと氏曰く、「小指での操作性を高めつつ、ブラインドでも押鍵できるようにしたかった」とのこと。

なるほど、確かにタイピングしてみると、手元を見なくても小指部分がタイピングできるではありませんか。

keyket 21

端子周りも非常にユーザビリティに富んでおり、白いボタンについても自身で好きなボタンに設定可能。

「普段は使わないけど、いざという時に必要なキーに設定することを想定」しているそう。

また、キーキャップについても自身で設計して販売しているというこだわり。

あらかじめ無地で3Dプリントされたキーキャップのレジェンド部分にポスカで着色してやすりで削り取ると、右図のように印字が浮かび上がるというもの。

そのほかにも、一体型のパームレストの形状にもこだわるをいう徹底っぷり。

keyket 20

新作についても用意しているようで、今後も目が離せないクリエイターの一人です。

また、隣には羊毛フェルトで作成した可愛い動物キーキャップがたくさん並んでいました。

制作者のHarukaさんは「直前に出店を決めた」とのことでした。

ブース名うさきーぼー堂
運営者ぎーくらびっと
Haruka
販売サイト外部サイト 
外部サイト
ジャンルキーボード
代表作Timothy
もこもこ動物キーキャップ
販売リスト外部サイト 
外部サイト

出展者イチ長いキーボード「B-2 1U猫キー屋」

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1U猫キー屋で特に目を引いたのが、非常に横に長い「KeeBar」です。

keyket 26

開発したコンセプトを聞くと、多くの方が共感できるコメントを聞くことができました。

開発者のymkn氏曰く、普段60%/65%などのキーボードを使っている方が40%キーボードへ移行する時に障害になりやすいのが、数字キーおよび数字キーのシフトレイヤーに位置する「記号」の打ちにくさがある、とのこと。

数字行を廃した40%キーボードは、その特性上、数字および記号に関しては印字がない「裏レイヤー」へと移行せざるを得ないため、どうしても「裏レイヤーの数字・記号位置の暗記」というスイッチングコストが非常に大きくなってしまうのです。

それを解決すべく作られたのが本機。

keyket 25

中央部にテンキーライクに配置された数字/記号キーは、40%入門者の方におすすめしたいキーボードと言えるでしょう。

また、方向キーが独立しているのもユーザビリティが非常に高いと感じました。

keyket 24

他にも、JIS配列にも対応した商品も多数展示されていました。

ブース名1U猫キー屋
運営者ymkn(やまけん)
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーボード
代表作KeeBar
販売リスト外部サイト 

ありそうでなかった’あの配列’のロープロ「A-5 alglabnet(あるじらぶねっと)」

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alglabnet(あるじらぶねっと)ブースで一際目を引いたのが、新作「Teihai70H」です。

keyket 31

その外観からは、Keychron K3と見間違うようなルックスですが、よくみると「ハッピーな日本語配列」となっているのがおわかりいただけるでしょうか。

ラップトップパソコンの上にキーボードブリッジを置いて、その上にキーボードを置く、いわゆる「尊師スタイル」を快適に実現するためには、従来のノーマルプロファイルのメカニカルキーボードでは少々高いため、手首が無理に背屈する格好となってしまうのです。

このTeihai70Hであれば、非常に薄型となっているため、手首の負担を最小限にして快適なタイピングが実現可能。

再下行のスペースバー部分が分割されている点も、自作キーボードならではの配慮ですね。

keyket 34

このようにalgさんのロープロファイルキーボードは一見すると3Dプリントケースのようなルックスですが、本人曰く「アクリル積層ケースの側面に黒のマスキングテープを貼ってそれらしく見せている」とのことです。

マスキングテープといっても、黒の製本テープのようなしっかりとしたもののようにも見えました。

これは素晴らしいアイディアですね。

他にも、ロープロファイルキーボードを中心にたくさんの作品を販売しているのが印象的でした。

ブース名alglabnet(あるじらぶねっと)
運営者alg
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーボード/キーキャップ
代表作Taihei70,かき氷,氷
販売リスト外部サイト 

 

超重量級ボディでハードヒッターも満足できる「A-9 王立魔界鍵盤製作所」

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「魔王」さんが運営する王立魔界鍵盤製作所では、代表作である「SilverBullet」の新色を含む3種類が展示販売されていました。

keyket 39

左右分割カラムスタッガード40%レイアウトが特徴的だったことに加えて、超重量級のアルミボディが特に印象的でした。

専用パームレストについては、自動車のタイヤ用のバランスウェイトを仕込めるようになっており、恐らくはどんなヘビーヒッターでもびくともしないのが、このキーボードの最大の「ウリ」だと感じます。

併設していたTRRSケーブルを販売する「にるぽ」さんが手がける「にるぽケ」はすでに完売。

サンプル品を見せていただきましたが、その仕上がりの美しさはご自身で作ったとは思えないほど精巧に作られていました。

氏曰く、「ハンダを当てすぎるとナイロンが溶けてしまうので、加熱時間などに非常に気を遣うためかなり製作は難しい」とのことです。

自作キーボード界隈の手練れもギブアップした方も多いという話も聞かせていただきました。

ブース名王立魔界鍵盤製作所
運営者魔王/にるぽ
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーボード
TRRSケーブル
代表作Silverbullet
にるぽケ
販売リスト外部サイト 
外部サイト

こだわり抜いたアルミケースが魅力「A-8 kbd.arashike.com」

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あらしさんが手がけるのは、「沼人の会」foostan氏が設計した世界的にも有名なキーボード「corne」の専用設計のフルアルミニウム製のケースです。

ガスケットマウント構造という、ケース内で基板が「浮いている」ような構造となっているため、非常に柔かな打鍵感となっていました。

通常のキーボードが奥側から手前方向へ傾斜しているのに対して、本ケースは中央部から端に向かって傾斜がつく、いわゆる「テンティング角度」が付いているのも大きな特徴でしょう。

究極の打鍵感を求めるべく、様々なフォームの試作やテンティング角度なども研究されており、まさに「究極のcorneケース」に仕上がっている印象を持ちました。(参考:40% ガスケットマウントキーボード (ケース) Corchim を GB してる話 (advent calender 2023)

筆者もcorneユーザーのため、GBに参加させていただきました。

ブース名kbd.arashike.com
運営者あらし
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーボード
代表作Corchim
販売リスト外部サイト

超コンパクトで運指負担を軽減!「C-1 狭ピッチキーボード協会」

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常に客足が絶えなかったのが印象的な「狭ピッチキーボード協会」を運営しているのはtahashicompany氏。

PCB基板でできたクールな名刺に思わず「すごいっ」と声が出ました。

この名刺、実際にキーボードとしても使えるとのことです。

takashicompany

一般的に、キーボードの中心から中心までの距離=ピッチは「19.05mm」と言われており、これが「標準」となっています。

この間隔を狭くして、可能な限りコンパクトかつ運指の距離を小さくするというコンセプトで開発されているのがこの「狭ピッチキーボード」ということなのでしょう。

takashicompany氏が設計するキーボードの多くは0.8u=約16mmピッチとなっていました。

そうなると、やはりキーキャップもオリジナルのものを用意する必要があり、ご自身でキーキャップも製造するという徹底っぷり。

私も一台購入させていただいたので、後日組んでみたいと思います。

(参考ブログ:【狭ピッチ】Kailh Choc v1の0.8uキーキャップの3Dデータ公開しました

ブース名狭ピッチキーボード協会
運営者takashicompany など
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーボード
代表作miniDivide/miniZone
販売リスト外部サイト 

持ち運びしやすさを追求した「A-6 島根大学ものづくり部Pim」

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赤い横断幕が一際目を引いたのが、「島根大学ものづくり部Pim」。

ErgoGridGo開発者のしいたけ氏は、同部の「元部長」とのことで、現在は大学院へ進学されているとのこと。

設計コンセプトは「持ち運びしやすいキーボード」というのがきっかけで、「フルサイズキーボードを持ってきている友人を見て、もっとコンパクトで打ちやすいキーボードを設計したくなった」と話してくれました。

ErgoGridGoは、一体型でかつ中央部にテンキーを配したカラムスタッガード40%レイアウトキーボードです。

運搬時のキースイッチの抜けを防止するために、あえてソケット化はせずにソルダー基板にしているこだわりよう。

新開発のパームレスト兼トラックパッドは、キーボードの蓋にもなる優れもの。

給電の関係上、有線接続前提での使用となりますが、「無線でも利用できるか検討したい」とのことでした。

ブース名島根大学ものづくり部Pim
運営者しいたけ
販売サイトなし
ジャンルキーボード
代表作ErgoGridGo
販売リスト外部サイト 

ダブルトラックボールの個性が光る「A-7 YMG Works」

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ダブルトラックボールが目を惹くド派手なライティングで魅せてくれたのがYMG WORKSの「The Endpoint」です。

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やはり、注目すべきは両手の異なる位置に配置された大玉トラックボールでしょう。

右手側にはKensinton SlimBladeのような人差し指操作、左手側にはロジクールのMX ERGOのような親指操作ができる位置にそれぞれトラックボールがついており、好みに応じてユニットの取り付け位置を選択できるなど、非常に柔軟性が高い設計となっていました。

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販売ページより引用
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ブース名YMG Works
運営者YMG WORKS
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーボード
代表作The End Point
販売リスト外部サイト 

レトロルックスとタイプライターみたいな音がする「C-7 5z6p Instruments by Dm9Records」

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5z6p Instruments by Dm9Recordsのブースで一際目を引いたのがこの「Frannel」と名付けられた40%オーソリニア(格子状配列)キーボードです。

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まるでSF映画にある宇宙船のコックピットをそのまま抜き出したようなレトロなルックスは、今回のキーケット会場の中でも一際際立っていました。

さらに特徴的なのが、右上のトグルスイッチをオンにした際の「カチカチ音」です。

このカチカチ音の正体は「ソノレイド」という「電気を流すことで磁界を発生させて鉄芯を動かす装置」が動作している音とのこと。

参考:タカハ機工株式会社

近年、採用例が増えつつあるソノレイド搭載キーボード。

(最近ではpolicium氏がリリースしたGRIN ONEDarakuneko氏がリリースするleneko52Rもソノレイドが搭載されている)

設計者のhsgw氏曰く、「昔のタイプライターみたいな音がして面白いのが魅力です。ただし、自分の部屋でソノレイドを音にしてタイピングしていると発狂しそうになる」とのことでした。

keyket 79

そのほかにも、左右分割40%レイアウトオーソリニアキーボード「Meias」など、様々なキーボードが展示販売されていました。

ブース名5z6p Instruments by Dm9Records
運営者hsgw
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーボード
代表作Frannel
販売リスト外部サイト 

マーブル塗装が芸術的「A-1 Fuji Parmesan Claft Works」

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キーケットの入り口付近で一際目を惹くカラフルなブースだったのが「Fuji Parmesan Claft Works」を企画している「ふじっこ」さんのブース。

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keyket 83

マーブル塗装と呼ばれる技術で着色しており、柄に関しては「一点もの」となっているため、同じ色でもそれぞれ違った雰囲気が楽しめるというのが非常に魅力的です。

塗装ベースによっては色が乗りにくいものもあるようで、当日はすでに完売していた「Trident40 PCB」対応のKPrepublic製のアルミケース「PSD40」の塗装では、通常の処理以外にも「プライマー」と呼ばれる塗料が乗りやすくする下地処理材を噴く必要があったようで、非常に手間がかかっている様子でした。

どのマーブルペイント商品もムラなくクリアコーティングがされており、どの角度から撮影しても美しい光沢を楽しむことができます。

ブース名Fuji Parmesan Claft Works
運営者ふじっこ
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーキャップ
代表作マーブル塗装
販売リスト外部サイト 

残念ながら、共同出展者のAlcoさんについては、トラブルにより直前で出店ができなくなってしまったとのことですので、次回に期待したいですね。

また、当日ブースの販売を手伝いにきてくれたというt-miyajima氏の自作キーボード「Ponshu70」も展示してありました。

銀杏の木でつくられているという本機は、通常は鉄板が仕込まれているため8キロ以上あるとのこと。

今回は鉄板を抜き、檜の板に換装して軽量化して臨んだそうで、5キロのダイエットに成功したとおっしゃっていました。

keyket 80

Aliceレイアウトとアルミ塊感がたまらない「A-10 栗屋」

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独特のキーレイアウトで一際目を引いていたのが、くりきさささんが設計した「Yak40(ヤクヨンジュー)」です。

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上下2ピース構成のケースとなっており、トップケースはCNCアルミニウム製、底面の蓋はアクリルパネルで作成されていました。

この左右が分かれて中央部へ向かって傾斜しているレイアウトは「Alice(アリス)レイアウト」と呼ばれており、通常のロウスタッガードのレイアウトながらもエルゴノミクス視点でキーが配置されているため、より自然な腕の角度でタイピングができるように配慮されています。

(アリス配列の元祖は恐らくはTGR-Aliceだと推察されます。参考はこちら▷▷

keyket 92

Yak40は、メイン基板とは別にドーターボードというパーツで接続端子が独立しているのも特徴の一つです。

Yak40のように打鍵感を改善するために基板がケース内で可動製を持って固定されている(バーガーマウント)場合、端子部が固定されている状態では、端子部付近の打鍵感が損なわれる可能性があります。

これを回避するためや、設計上の自由度を上げるために独立したドーターボードを採用しているような印象でした。

(ドーターボードは界隈でも最新のUnified Daughterboard S1が採用されていました)

keyket 93

ブースに訪れた際は、すでにケースがセットとなったキットはほぼ完売状態。

くりきさささん曰く、「やはりご自身でアルミニウムケースを発注されたことがない方がほとんどなので、ケース付きの方が好まれるようです」とのこと。

筆者個人としては、3Dモデルデータがあれば比較的容易にケースの注文ができてかつ、自分の好きな色を指定できるというメリットを知っているだけに、このケース注文のハードルを下げることができれば、Yak40だけでなくもっと多くのキーボードに注目される機会ができると感じました。

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個人で販売している以上、比較的高額なアルミニウムケースを在庫として持っているのはリスクが大きいことや、ニーズが読みにくいということもあるため、クリエイター目線からすると、買った人がデータを元に発注してくれた方が楽なのかもしれません。

ブース名栗屋
運営者くりきささ
販売サイトなし
ジャンルキーボード
代表作Yak40
販売リスト外部サイト 

新次元立体キーボード「C-11 はやしたろう」

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はやしたろうさんのブースの中央に配置されていたのが、昨年リリースして話題になったカラムスタッガードレイアウト立体キーボード「Killer Whale」です。

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メイン基板の下に付いているパーツはモジュール式となっており、好みに応じて好きなパーツを組み込める非常にカスタマイズ製に富んだ仕様となっています。

ハンダつけを含めた組み立て難易度についての質問には、「ひとつひとつのハンダつけ作業は普通の自作キーボードとほとんど変わりありません。ただし、箇所や手順が多いため、通常よりも根気強く組み立てる必要がある」とのことです。

後述するMonkey Padとともに、「立体」にアプローチしたキーボードはキーケットの中でも珍しく、新しいジャンルを開拓している印象を強く持ちました。

そのほか、多彩なレイアウトを誇るオーソリニアキーボードの「ON THE 15」にトラックボールモジュールが付属した新作「ON THE 17」も販売されていました。

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ブース名はやしたろう
運営者はやしたろう
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーボード
代表作ON THE GOなど
販売リスト外部サイト 

テンティング角度が自由自在な「C-10 ozsan」

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ozsanが設計した「Monkey Pad」は、オーソリニアレイアウトキーボードです。

独立した親指部分はモジュールを入れ替えることで機能がカスタマイズできるという優れもの。

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keyket 106
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トラックボールやジョイスティック、ロータリーエンコーダノブなどのパーツを好みで付け替えることが可能です。

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個人的に目を引いたのがこの可変式テンティング機構です。

どの角度にしても、左右の端が水平になるように設計されているため、ガタツキが出ることがありません。

ozsan曰く、「3軸の延長線がどの角度でも1点で交わるように設計すると、この機構が実現できます。これが左右の辺が並行であれば常に接地しているのは簡単なのですが、角度がついているとちょっと工夫が必要なんです」とのこと。

ブース名ozsan
運営者ozsan
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーボード
代表作Monkeypad
販売リスト外部サイト 

宝石のような美しさ「A-2 海産物」

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noriさんとしゃちの水槽さんが出店している「海産物」のブースでは、アルチザンキーキャップを販売していました。

筆者が訪問した際にはほとんどの作品が完売している状態であったため、代表作である大型鉱石をモチーフにしたキーキャップや、ザトウクジラが封入されたキーキャップの撮影は残念ながら行えず。

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試作段階のステンレス製のキーキャップは、どうしても十字の軸受け部分の精度を出すのが難しく、最終的には「手作業で地道に削らなければいけないんです」とのお話を聞かせていただきました。

ブース名海産物
運営者Nori
しゃちの水槽
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーキャップ
代表作海の生き物
販売リスト外部サイト 
外部サイト

(追記)

作者様からのご指摘で下記の2点を修正致しました。

  • シャチを封入した→ザトウクジラを封入した
  • アルミ製のキーキャップ→ステンレス製のキーキャップ

シンプルかつ超コンパクトな意欲作「C-5 U40」

 

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U40で出品されていたのは、38キー構成の「Potato38」「Mono38」の2機。

両方ともにロウスタッガードレイアウトのミニマルな構成となっていますが、左右に分割できるかどうかで差異があるとのことです。

CHERRY MXキースイッチを使用しているにも非常に薄型な点や、左右分割部分のTRRSケーブル周りの作り込みが非常に美しく、大変見応えがありました。

ブース名U40
運営者u27a4
販売サイト
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CERACOATで極上の打鍵感が味わえる「S-4 Basekeys」

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企業ブースで取材させていただいたのは 「Basekeys」です。 

masroさんの新作「IO Dualshot2」についてお話を伺いました。

本機は、「GMK Dualshot2」キーキャップに着想を得ており、同じカラートーンのベースカラー、スプラッシュ塗装がされている「IOシリーズ」の新作です。

https://oblotzky.industries/products/gmk-cyl-dualshot-2
keyket 115

最大の特徴は「CERACOTE」と呼ばれる特殊皮膜塗装をされており、masroさん曰く「落としても傷がつかないほど頑丈な皮膜」とのことでした。

keyket 114

また、CERACOTEは「打鍵感と打鍵音もめっちゃ変わる(masro氏)」とのこと。

試しにCERACOTEをしていないIOと打鍵感の違いを確認させてもらったところ、CERACOTE済みのモデルの方が金属的な反響が減り、高音が減衰したような、いわゆる「Thocky」な打鍵音になっていました。

IOについては、まだ市販化は未定で、「満足のいく仕上がりになったら販売するかもしれない(masro氏)」とこだわりがひしひしと感じられるまさに「逸品」でした。

ブース名Basekeys
運営者KS Japan【masro】
販売サイト外部サイト 
ジャンルキーボード
代表作IO
販売リスト

まとめ

第一回目の開催にも関わらず大盛況の後に閉会した「キーケット」。

閉会後の公式Xのポストの4枚目の画像をみると…

「また来年お会いしましょう」の文字が隠されていました。

これは「第二回」開催も期待できそうですね。

ますますの盛り上がりを見せる「自作キーボード」界隈、引き続き注目していきたいと思います。

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GreenKeys著者情報

河村 亮介のアバター 河村 亮介 GreenKeys運営責任者/事業代表

WEBサイト運営事業GreenEchoes Studio代表をしています。他社法人メディアの運営ほかキーボードメディアや通信系メディアへの寄稿を行うなど、ウェブライターとしても活動しています。今年はオリジナルキーキャップセットを作る予定。

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