MeKaBuとは、モジュールカスタマイズを可能にした完全無線対応の左右分割・40%オーソリニアレイアウトを採用したロープロファイルメカニカルキーボードです。
「自作キーボードを複数人で共同開発したら、どんなものが生まれるのだろう?」というプロジェクトの成り立ちが斬新で、メカメカしいルックスが特徴的なキーボードとなっています。
随所こだわりが見られるMeKaBuですが、やはり1番の注目点は、左右の操作パーツがモジュール化しており、使用者の趣向に応じて組み換えて利用できることでしょう。
本記事ではモジュール式キーボード「MeKaBu」についてレビューしていきます。

- モジュール交換によるキーボード体験が新しい
- ありそうでなかった「メカ感」が斬新
- ケーブルフリーで実現した「自由さ」が魅力的
- キースイッチが抜きにくい
- 初心者にはビルドハードルが高い
- ZMK STUDIOでもキーマップ変更ができるが完全ではない
- 別途バッテリーが必要
- 17mmピッチのため利用できる市販キーキャップが限られている
- 側面ロータリーエンコーダーモジュールを操作する際に本体が動いてしまう
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GreenEchoes Studio代表
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MeKaBu Keyboard|BOOTHでの販売項目と価格(一覧)

価格はすべて税込表記です。
キーボード本体
- 〖MeKaBu〗スタンダードキット
- 組立キット:¥30,500
- 組立済みセット(完成品):¥38,500
拡張モジュール
- 〖MeKaBu〗トラックボールモジュール
- 組立キット:¥4,000
- 組立済みセット(完成品):¥4,500
- 〖MeKaBu〗エンコーダモジュール
- 組立キット:¥1,800
- 組立済みセット(完成品):¥2,200
- 〖MeKaBu〗アナログスティック&エンコーダモジュール
- 組立キット:¥3,100(
- 組立済みセット(完成品):¥3,600
- 〖MeKaBu〗磁束測位型自由制御モジュール:¥2,000
- 〖MeKaBu〗1キーモジュール:¥1,800
周辺パーツ(小物)
- バッテリーカバー(OLEDあり):¥300
- 17mmピッチキーキャップセット:¥3,000

MeKaBu Keyboadのスペック概要と名称の由来
MeKaBuの概要についてまとめました。
キーボードの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本コンセプト | 4×6配列をベースにした40%クラスの左右分割キーボード。用途に合わせてモジュールを足していく“プラットフォーム”型。 拡張モジュールは「Node」という名称。 |
| モジュール | トラックボール/ロータリーエンコーダなどを着脱式で追加できる設計。どのモジュールも左右どちらにも接続でき、組み合わせも自由。 |
| キットに含まれるもの(要点) | 左右メインPCB(⼀部PCBA済み)、Xiao nRF52840×2、エンコーダモジュール×1、トラックボールモジュール×1、モジュール接続ケーブル×2、Choc v2ソケット×46、左右ケース、各種ネジなど |
| 注意点 | キーキャップ/キースイッチは付属しない。ケースはFDM 3Dプリントのため積層痕や反りが出る場合がある。 |
名称の由来
「MeKaBu」という名前には、
- **メカニカルな部品群(Mecha)**の集まり
- 芽株(分岐しながら増殖していく構造)=派生・拡張していくイメージ
…という二重の意味が込められています。
自由な発想で多様に広がっていく自作キーボード文化そのものを象徴する言葉として、遊び心を持たせつつ、親しみやすい名称にした——という位置づけです。
あわせて「学名:Futhesia Moduora(フセシア・モデュオラ)/通称:MeKaBu」という“設定”も用意されています。
参考:note(ノート)
#MeKaBu_KB pic.twitter.com/XIMHmxvR8L
— tepo/某なれはて☃️⛷️🏔️ (@teporz) December 20, 2025
共同開発プロジェクトとしてのMeKaBu
MeKaBuは「自作キーボードを複数人で共同開発したら何が生まれるか?」という好奇心からスタートし、強みの異なる4人が役割分担しながら進めたプロジェクトです。
- アラサーBP(@BParound30):発案者。PCB設計・修正を主担当。
- O-tbc(@yovvv08):ケース設計を主担当。
- tepo/某なれはて(@teporz):ファームウェア/モジュール/格納フレーム開発、世界観設定を主担当。
- 蓮乃 紫-LKS(@Murasaki_min):PR(広報)・アイデア面を担当。
現時点でのMeKaBu Projectの立ち位置
現時点ではMeKaBu Projectについては終了しています。
明確なプロジェクト終了日程については明記されていませんが、広報の記録からは2025年9月末時点と推察されます。
開発完了後の体制についても共有されており、販売担当を「某なれはて」氏が担うこと、BP氏は知見発信へ、O-tbc氏は休憩、蓮乃氏は引き続き広報…といった形で“次のフェーズ”へ移っていく旨が記されています。

今後の販売について
MeKaBuの販売を継続して実施しているtepo氏の発言を元にこれまでの販売実績と今後の販売予定についてまとめます。
これまでの販売
サポートサーバー(Discord)内での抽選販売を実施→当選者にBOOTHの注文ページURLを案内する方式
抽選販売は過去7回実施され、現時点では終了しています。
これからの販売予定
現時点で販売が決定していると思われるのは下記の2つのパターンです。
1)キーケット2026での販売
**MeKaBuとSparAkashaの「一般販売」**を行う旨が書かれています。 (tepo氏のXより)
- 開催日:2026年3月28日(土)
- 時間:10:30–16:00
- チケット販売開始見込み:2026年2月中旬頃
- ブース:A-5
- WEBカタログ:https://catalog.keyket.jp/tokyo-2026/exhibitor/A-05
2)Boothでの販売継続?
tepo氏の発言として、キーケット後も「ひっそりとやっていきます」とコメントしていることから、オンラインショップでの販売継続も期待されます。
レビュー環境
レビュー環境は下記の通りです。
- 接続環境:macOS
- 使用スイッチ:Kailh choc v2 Deep Sea Island Mini
- レイアウト:40%オーソリニア(レビュー時は30%として利用)
- 主な用途:コンテンツ執筆(日本語のタイピング)
【写真で見る】MeKaBu Keyboardレビュー
それでは早速、MeKaBuの実際の写真を見ていきましょう。
こんな感じでケースに基板が既に装着されている状態で受け取りました。

内容物は本体、文書3通、名刺、ステッカー、オリジナルMakerChip、名刺が入っています。



おまけで入っていたミニMeKaBuキーホルダーが非常に可愛らしいですね。



キーボードを見ていきましょう。
ケース素材は3DP製となっており、トップケース・ボトムケースの2ピース構成です。
上下の接続はボトムケースに埋め込まれたインサートナットを介して行います。

トップケースはスイッチプレートと一体化しており、トップケースにキースイッチをはめた後に、トップケースとボトムケースを合体させるようなマウント構造となっています。
そのため、打鍵感はかなりタイトとなっています。

デフォルト構成は、左手にロータリーエンコーダーモジュール、右手にトラックボールモジュールを搭載しています。
キー配列の基本は片手6列×4行のオーソリニア(格子状配列)となっており、モジュールより中央のキーが格子から外れているような配置となっています。
キースイッチの向きに関しては上下が不規則となっているため、脱着の際は向きに注意する必要がありそうです。



ケース左右中央のスリット部分は別パーツとなっており、リセットスイッチとインジケーター用の穴が空いています。
このスリットの下にマイコンモジュールが格納されている形です。




ケース中央下部にはジョイスティック型の見慣れないパーツが装着されており、デフォルトでは左手側にアローキー関連、右手側にPage Upなどの特殊キーが登録されていました。


Kawamuraこのスティック状のパーツ、かなり利便性が高いです。
一つ実装するだけでアローキーの機能をすべて担うことができます。
スティックの側面にはスライドスイッチが搭載されており、3DPとネジで加工されたパーツが装着されています。


モジュール周りを見ていきましょう。
モジュールに関しては、側面でのエンコーダー操作を行うモジュールに合わせて同部位が切り抜かれており、専用の蓋で塞ぐような構造となっています。



トラックボールモジュールに関してはネジ頭にくっつくように磁石が埋め込まれている構造となっているため、簡単に取り外すことができます。


ボールの材質はおそらくはPOM、直径約19mm、ベアリング支持となっているため回転が非常にスムーズです。

ケースを見ていきましょう。
ボトムケースは四箇所にインサートナットが埋め込まれており、基板を支持すると思われる突起が四箇所に見られます。
下部は先述したようにモジュールを搭載するための窪みと切り抜きがありますね。

実際に基板を置くと下記の部分が開く形となり、ここにLiPoバッテリーを設置します。

ケース裏面にはMeKaBuロゴがくり抜かれたようになっています。



ゴム足も埋め込む用の窪みが作ってあり、設計のきめ細やかさが光りますね。

今回は特別に別売りの17mmピッチのキーキャップも付属していただきました。



最後に完成した姿を見ていきまししょう。






基板に関しては下記をご覧ください。





MeKaBu Keyboardの3つの魅力
ここでは、実際に使用してみて感じたMeKaBuのメリットについて紹介していきましょう。
MeKaBu Keyboardの3つの魅力
- モジュール交換によるキーボード体験が新しい
- ありそうでなかった「メカ感」が斬新
- ケーブルフリーで実現した「自由さ」が魅力的
モジュール交換によるキーボード体験が新しい

MeKaBuはモジュール交換による「ひとつ進んだ」自分好みのカスタマイズが可能です。
デフォルトでは、左側にロータリーエンコーダー、右側にトラックボールモジュールがついていますが、これらを入れ替えて使うことも可能です。
さらには、別売りのモジュールを購入することで、自身の好きな操作スタイルのキーボードを作り上げることが可能となっています。
キーキャップやキースイッチのカスタマイズだけでなく、キーボードの機能自体をカスタマイズできるという点では、革新的と言えるでしょう。
モジュール一覧
- 〖MeKaBu〗トラックボールモジュール
- 組立キット:¥4,000
- 組立済みセット(完成品):¥4,500
- 〖MeKaBu〗エンコーダモジュール
- 組立キット:¥1,800
- 組立済みセット(完成品):¥2,200
- 〖MeKaBu〗アナログスティック&エンコーダモジュール
- 組立キット:¥3,100(
- 組立済みセット(完成品):¥3,600
- 〖MeKaBu〗磁束測位型自由制御モジュール:¥2,000
- 〖MeKaBu〗1キーモジュール:¥1,800
ありそうでなかった「メカ感」が斬新

MeKaBuの魅力の一つに、「ありそうでなかったメカ感」があります。
筆者はこれまでにたくさんの自作キーボードを使用してきましたが、ここまで明確に「メカメカしい」ルックスに振り切っているキーボードは初めてです。
Kawamuraこのメカ感は、「モジュール交換式」という部分からから着想を得ていそうですね。
日本男児が好きな「合体ロボ」を連想させるようないい意味での厨二感はグッとくるものがあります。
ケーブルフリーで実現した「自由さ」が魅力的

MeKaBuは、技適取得済みの無線マイコンを用いており、PCとの接続だけでなく、左右間接続も含めてすべてケーブルレスで利用することが可能です。
特に真価を発揮するのが左右を離して利用する場面でしょう。
やはり、左右分割キーボードのメリットは、自分の好きな幅に広げてタイピングできることです。
トラックボールモジュールを使えばポインティングデバイスへの持ち替えも不要になり、ホームポジションをキープしたままタイピングに没頭できるというのは大きなメリットと言えます。
MeKaBu Keyboardを導入する前に気をつけたいこと
MeKaBuを購入する前に気をつけたい注意点についてピックアップしてみました。
MeKaBu Keyboardを導入する前に気をつけたいこと
- キースイッチが抜きにくい
- 初心者にはビルドハードルが高い
- ZMK STUDIOでもキーマップ変更ができるが完全ではない
- 別途バッテリーが必要
- 17mmピッチのため利用できる市販キーキャップが限られている
- 側面ロータリーエンコーダーモジュールを操作する際に本体が動いてしまう
キースイッチが抜きにくい
MeKaBuは基板上で17mmピッチを採用しており、通常のキーボードと比較するとキースイッチ同士の間隔が狭くなっています。
さらに、キースイッチを装着した時のケースとのクリアランスについてギリギリを攻めており、ケース自体のフレームが高さのある構造となっています。
この二点が影響して、フレームに近い部分のキースイッチをキースイッチプラーで引き抜くことが難しくなっている印象を持ちました。
初心者にはビルドハードルが高い
MeKaBuは、初心者には若干ビルドハードルが高い可能性があります。
キースイッチソケットやダイオードのハンダつけ以外にも、電源スイッチ、方向スイッチ、マイコンなどのハンダつけが必要となっています。
また、部品点数が多く、ビルドガイドを見ながら慎重に進める必要がありそうです。
ZMK STUDIOでもキーマップ変更ができるが完全ではない
MeKaBuはZMK Studioに対応しており、GUI(画面を見ながら)でキーマップの変更が可能です。
一方で、AMLのオンオフ、AMLに関するマウスクリックキーなどの細かい部分の設定に関してはZMK Studio上では行うことができません。
上記に加えたて、モジュールを変更した場合なども自身でファームウェアをビルドする必要があります。
現在では、購入時の仕様(左手:ロータリーエンコーダー/右手:トラックボール)でAMLオン/オフの2種類のファームウェアが配布されていますが、これ以上のカスタマイズをする場合は専門知識が必要となる点は注意が必要です。
Kawamuraカスタマイズの幅が広がるほど、GUIでの対応が難しくなるのは致し方ないのかもしれません。
別途バッテリーが必要
MeKaBuの使用には、別途バッテリーの用意が必要です。
昨今では、LiPoバッテリーの取り扱いがかなりデリケートになっているという側面もあり、販売ページ内にも案内がありませんので注意が必要です。
詳細なサイズに関しての言及は避けますが、こちらの公式ドキュメントからご覧いただけます。
LiPoバッテリー選択・購入時の注意点
- 1セル(1S)3.7VのLiPoを使用(2セル/7.4Vは不可)。
- 左右2本使用(目安:300mAh)。サイズがケースに収まるか要確認。
- コネクタは「PH 2ピン(2.0mmピッチ)」。※1.25mmが混在しやすいので注意。
- 同じ2ピンでも極性(+/-の配線順)が逆の製品があります。接続前にテスター等で極性確認(逆接は故障原因)。
- LiPoは圧迫・折り曲げ・穴あけ・高温に弱いです。膨張/異臭/発熱が出たら使用中止。初回充電は目を離さない。
- PSE(電気用品安全法):日本では条件によりリチウムイオン蓄電池が規制対象になり、販売される電池はPSE表示等が必要な場合があります。購入時は、できれば**国内流通品(販売者情報・表示が明確)**を選ぶと安心です。
- 廃棄は自治体/回収ルールに従い、端子を絶縁して処分してください(膨張・破損品は回収不可の場合あり)。
このまとめ文面に関しては生成AIを利用しています。
17mmピッチのため利用できる市販キーキャップが限られている
MeKaBuはコンパクトさをウリにしている関係上、キースイッチ間隔については17mmピッチを採用しています。
一般的に市販されているキーキャップに関しては、通常ピッチ(19.05mmピッチ)で設計製造されているため、市販のキーキャップを使用することができません。
最近では、Tai-Haoがナローピッチキーキャップの販売を開始しましたが、現状では「市販品」という括りでは購入できる交換用キーキャップが限られているという点は注意する必要があるでしょう。

側面ロータリーエンコーダーモジュールを操作する際に本体が動いてしまう

MeKaBuには、側面ロータリーエンコーダーモジュールが用意されていますが、これを回そうと思うと本体が動いてしまいます。
これは構造というよりも本体重量に依存する問題となっており、軽量な3DP製キーボードにおいては避けられない問題だと捉えています。
価格・販売形態・入手性
- 入手性:★☆☆☆☆(製造数が限られており入手できたらラッキー)
- 価格帯:3万円-4万円
- 販売形態:通常販売
- 再販予定:未定(これまでは予約販売)
- 入手先:公式サイト(Booth)
まとめ
以上、MeKaBuについてレビューしてきました。
最近ではCornix LPをはじめ、左右分割形の完全無線対応キーボードが注目されつつあります。
そんな中で本機は、流行のトレンドを押さえつつ、「モジュール式」という独自の特徴を持っていることからも、他と一線を画した左右分割キーボードを探している形にとってはおすすめできる商品と言えるでしょう。
ただし、組み立て難易度がやや高い点や、カスタマイズを本格的に行うとなると専門知識が必要となる点に関しては購入前によく確認する必要があります。
興味を持った方、ぜひ商品ページもご覧になってみてはいかがでしょうか。

- 初版執筆日:2025/12/20
- 最終更新日:2025/12/20
- 取材方法:商品提供
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