Kailh Choc v2スイッチのラインナップが一気に充実してきた2025年。
その一方で、「狭ピッチ・Choc v2スイッチ・ロープロキーキャップ」を実現させるには「キーキャップを自作するしかない」という結論に達していました。
そうした中で beekeeb が公開したのが、今回紹介する「Choc Spacing Keycaps for Choc v2 Key Switches」 という解説記事です。
Greenkeysでも、Toucan取材の際に beekeeb.jp(合同会社くるみ)へ直接ヒアリングを行い、「基板ピッチ:縦17mm×横18mm」「対応キーキャップ:16.5×17.5mm以内」という狭ピッチ仕様を確認したうえでXポストを行いました。(GreenKeys)
今回のbeekeebの解説は、そうした「狭ピッチ問題」を、グローバル向けに体系的に言語化した内容とも言えるものです。
この記事では、そのポイントをGreenkeys視点で紹介します。
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この記事の著者
Greenkeys Editor-in-Chief/Web Writer /Founder of Japan Layout Alliance (JLA)
日本のキーボード専門メディア「Greenkeys」の編集長です。
メカニカルキーボード、自作キーボード、入力デバイスに関するレビュー・取材・検証・撮影・計測・執筆を一貫して担当しています。
Kailh Choc v2ブームの裏でくすぶっていた「キーキャップ問題」
Kailh Choc v2キースイッチの火付け役となったのは、2023年5月末にキックスターターでデビューを飾った「Lofree Flow」でしょう。
これまでのロープロスイッチの常識を覆すようなスムーズな打鍵感に驚かされた人も多いはず。
Chocスイッチにはv1とv2があり、相互互換性はありません。
キースイッチの電極脚の位置は共通ですが、中央脚の太さが異なっているため、基板上でも相互互換性はないのです。
参考:Beekeeb
また、Choc v1キースイッチを使ったキーボードは通常のキーピッチ(19.05mm)よりも短いピッチで作られていることが多く、キーキャップ自体も一回り小さいものが流通していました。
しかし、Choc v1キースイッチとは異なり、Choc v2キースイッチはMX互換の「十字ステム」を採用していたため、キーキャップ規格もMXに倣い「19.05mm」ピッチに適合するように「約18mm四方」で設計されているものが大半でした。
Choc v1規格で作っていたキーボードに関しては、キースイッチフットプリントの中央脚部分をφ5mmへ拡張するだけでChoc v2に対応できます。
beekeebのコンテンツではノーマルピッチは「19.05×19.05mm(もしくは19.00mm)」、Chocを用いたいわゆる「狭ピッチ」は「18×17mm前後」としています。
しかし、ナローピッチ用のMX互換キーキャップが存在しなかったため、その実装を諦めざるを得ない状況が続きました。

既存ロープロファイルキーキャップのサイズ問題との二重苦
前述のように、ナローピッチに対応したロープロキーキャップは、これまでは存在しませんでした。
Choc v2のナローピッチキーキャップを探した時に、MBKやChosfoxなど、ナローピッチ前提の人気キーキャップはChoc v1ステム専用となっており、Choc v2の「+」ステムには物理的に刺さりません。
また、XVX / SMOLOなどMXステム対応ロープロキャップは、ほとんどが「標準ピッチ前提サイズ」なので、Choc v2の狭ピッチに載せるとキー同士が干渉してしまう。
つまり、「ステム互換性と横方向の物理干渉という二つの問題が同時に存在していた」といえます。
Tai-Hao MT165 / THCSの登場が救世主に

そこで登場したのがまさに待望の「ナローピッチ専用のMX互換ロープロキーキャップ」です。
Tai-Haoがリリースした MT 165 と THCS の2種類は、まさにこの問題を100%解決できる救世主といえます。
日本の自作キーボード界隈でも流行る「狭ピッチ」がグローバルになるか
このコンテンツ、実は日本でもかなりホットな話題です。
最近では、moNa2をはじめとしたいわゆる「狭ピッチ」が流行っており、手の小さい日本人の特徴や、女性などに「刺さる」仕様となっています。

Kawamuraイベント取材でも小さい方が可愛いなどの意見も多く、実際に女性からは「小さい方が打ちやすい」という声も聞かれました。
beekeebは、私が知る限りでは、かねてよりChoc v1キースイッチを用いた、彼らの言葉で言うならば「Chocスペーシング」でキーボードを作り続けてきました。
偶然か必然か、その事実を知ってかどうかはわかりませんが、Tai-Haoがこれに「ジャストフィットする」キーキャップを作ってくれたこともあり、「狭ピッチキーボード」の設計に関わるスタンダードが実質的に確立したと言えそうです。
Kawamura市場の原理に従えば、今後はbeekeebのChocスペーシングを採用した方が、互換性のあるキーボードが作れるような気がします。
キーボード設計者の方は、ぜひ彼らが公開した設計ガイドを参考に、日本からも「狭ピッチ」を盛り上げていって欲しいなーと思います。


