Flow is Back!
メカニカルキーボード界に衝撃を与えた「Lofree Flow」の第二弾、「Flow2」が発表されました。

アルミニウム筐体の素晴らしい剛性はそのままに、打鍵感と打鍵音が「聴かせる方向」へアップグレードされました。
さらには待望のキーマップ変更にも対応し、ルックスもより「Apple製品」との親和性が高くなるなど、初代「Flow」と比較しても「すべてにおいて進化」したと言えます。
Flow2は、「タイピングが楽しい」と思わせてくれるLofreeからの「タイピング体験のプレゼント」とも言えるでしょう。
本記事では「Flow2」について、実際の写真を用いてレビューしていきます。
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【写真で見る】Lofree Flow2レビュー
それでは早速、Lofree Flow2の実際の写真を見ていきましょう。
まず、外観はこんな感じです。
白いキーキャップ×シルバーボディモデルの外箱は「白」、黒いキーキャップ×スペースグレーボディモデルの外箱は「黒」となっています。

現時点ではキーキャップカラーとスイッチの組み合わせについては未定です。

違いは外装のカラーのみで、内容物に関してはほぼ変わりありません。
黒いキーキャップを搭載したFlow2 84keysモデルにフォーカスして見ていきましょう。
外観は至ってシンプル。
上下でジャストフィットする箱に入っています。




外箱にはしっかりと技適認証マークがあり、日本国内でも無線接続が可能です。

海外企業でこういったライセンスリテラシーを持っていることは非常に重要です。

パッキングについても、近年のApple製品に見られるようなミニマムな感じとなっているのも非常に好印象ですね。

入っているキーボードをどかすと、下にはアクセサリーや説明書類が入っています。
重要なのはUSBドングル、交換用キーキャップ、Type-C(L字アングル)to Type-AのUSBケーブルですね。


USBケーブルはナイロン編みで柔軟性がある素材感となっており、取りまわしやすい印象です。

デフォルトでついているキーキャップはmacOS用となっており、オプションとしてWindows用のキーキャップがついている形となっています。


初代Flowでは、WindowsとmacOSのキーキャップが併記されており、あまり評判が良くありませんでした。
しっかりとFlow2で改善してきていますね!


先にキーキャップについてみていきましょう。
今回採用されたキーキャップは、Flow1とは異なり、PBT素材のシャインスルーとなっています。
このように文字部分のみ光を透過する形となっており、初代の「昇華印刷」とは異なっているのがわかりますね。




光を透過する点では黒・白共に変わりませんが、黒の方がバックライトをつけないと視認性が悪いです。




形状はキートップを左右方向に円柱で削り取ったような緩やかなアールがついている「シリンドリカル」タイプとなっており、行によって傾斜は変わりません。


下の写真は左からFlow Lite/Flow/Flow2です。

このようにこれまでの2つのキートップは四隅から中央に向かって窪んでいる「スフェリカル」形状だったことを踏まえると、Flow2から大きく変わったことがわかります。
また、角の丸みについてもこれまでのキーキャップよりも角ばっており、エッジが効いた印象です。

個人的はかなり好きなポイントです。
シリンドリカルは指の置くポイントが強制されすぎない感じが好きです。


全体の外観についてみていきましょう。
まずは俯瞰図から。

84keys/68keysで大きくサイズ感が異なることがわかります。
また、どちらもシャインスルーキーキャップとなっていますが、黒いキーキャップの方が悪い意味で視認性が悪く、いい意味で無刻印っぽくてクールな印象です。

ボディカラーも大きく異なります。
白がシルバー、黒がスペースグレーです。



おそらくは暗にMac製品のカラーとの親和性を高める狙いがあるようなカラーリングですが、完全に「同一色」ではない点は注意しましょう。


各所にスポットを当てていきます。
キーキャップの質感は若干のシボがかった様相をしており、光を反射しやすいです。
特に黒いキーキャップは顕著となっています。
カラーは黒よりも「墨色」に近い感じ。


今回から背面には何も端子がなく、右側面に集中配置をしています。

右側にはすべてのモデルに共通して余白があり、余白前面にはステータスLEDバー、側面上部にはType-C端子、その下にタッチセンサーが搭載されています。

後述しますが、このタッチセンサーはボリュームの調整および照度の調整しか行えず、それ以外の機能を割り振ることはできません。

背面は至ってシンプル。
しっかりと技適マークがありますね。


今回から可動式のティルトレッグが搭載されました。

調整は2段階となっています。

黒い部分はゴム素材で、畳んでいる時と立てている時の両方で滑り止めの役目を果たします。


ネジはT8特殊ネジ?でしょうか。

左のティルトレッグを上げると、スイッチが出てきます。
左から無線接続、有線接続、オフの3択です。



ティルトレッグの長さはすべてのモデルで同一となっている関係上、一行少なくなっている68keysモデルのみ角度が異なります。




Apple製品と言えば、MacやiPhoneでも共通のRを採用していることで有名ですが、Flow2に関しては同一のRの採用には至らなかったようです。




ただし、Magic Trackpadとはほぼ同じRなので、並べていて気持ちいいです。むしろここに気づいている時点で私が気持ち悪いかもしれない。ごめん。
キースイッチは今回の発売に合わせてリニューアルされており、黒い方が「PULSE(タクタイル)」、白い方が「SURFER(リニア)」が搭載されていました。





今回のキースイッチはハウジングが一新されており、別パーツで拡散レンズがついています。

このレンズ、超小さいけどもしっかりと「Lofree」の文字が刻印されれあったり、スイッチの円形に合わせてぴったりしているのを見ると、恐ろしく精度が高いです。



スイッチプレート素材は樹脂系で、おそらくはPC(ポリカーボネート)のような印象です。



分解こそしていませんが、初代と同じガスケットマウント構造です。

外観レビューはこんな感じです。
Lofree Flow2のおすすめポイント(メリット)
商品の外観を見たところで、私が感じたFlow2のメリットについてお伝えします。
- 洗練された外観が美しくMacとの親和性が高い
- 打鍵音・打鍵感に優れている
- 価格が安い
- カスタマイズ性が非常に高い|VIAに対応
洗練された外観が美しくMacとの親和性が高い

まず、最初に驚いたのが「商品としての質感の高さ」です。
これは見る喜びや所有する喜びを満たしてくれるものであり、Flow2の1番の魅力といっても過言ではないでしょう。

好みは分かれそうですが、個人的には本体右端の「余白」の部分がたまらなく好きです。ここにアルミ素材の美しさを感じます。

打鍵音・打鍵感に優れている

Flow1と比較すると、打鍵感のテイストはかなり変わりました。
初代は「ミュート感が強いコトコト系」のサウンドでしたが、v2では「聴かせる感じのコトコト系」へ進化しました。
ミュート成分が減り、より立体感のあるタイピングサウンドを味わえるようになったため、その心地よさのためだけにタイピングしたくなるほどです。

悪く言えば「ボリューム的な意味合いで打鍵音が大きく」なりました。
ただ、これはあくまでも「打鍵音を楽しむための進化」であり、騒々しくなったわけではありません。
ただし、オフィス向きではないことは間違いありません。
オフィスで使いたい方は静音スイッチを選択しましょう。
(Flow JISで同様の静音スイッチを採用していますが、オフィスでも使えるくらいの音量です。)
価格が安い
正直、価格に関しては「安すぎる」と思います。
特にVIP価格はとんでもない割引率です。
販売スケジュール
- 6月12日ー7月9日|VIP価格での予約販売($1.00のデポジット支払いで特別価格購入)
- 7月10日ー|KickStarterでのクラウドファンディング開始
レイアウト | VIP価格 | 通常価格 |
---|---|---|
68keys 65% | $89.00 | $189.00 |
84keys 75% | $99.00 | $199.00 |
100keys 96% | $109.00 | $209.00 |
おそらく、クラウドファンディング開始後もそれなりの割引率となることが予想されるため、通常販売を待たずしてKickstarterで購入するのがベターでしょう。
カスタマイズ性が非常に高い|VIAに対応

ついにFlow2から待望のVIAに対応しました。
つまり、自分の好きな位置に好きなキーを設定できます。
加えて、有線でも無線でもAnyキー機能を用いた「Mod-Tap」が設定できるため、カスタマイズできる幅が大きく広がりました。


Mod-Tapは、「短く押す」と「A」、「長く押す」と「Control」のような挙動が実現できます。
VIAのAnyキーの設定についてはこちらのシミュレータが便利です。

また、特定のキー操作を登録してワンボタンで実行できる「マクロ機能」も利用可能です。
キーマップ変更に関する注意点▷▷
現時点ではVIAのデータベースにFlow2の登録が反映されていないため、キーマップの変更には「.json」ファイルを読み込ませる必要があります。
VIAにアクセスし、歯車マークのタブから「Show Design Tab」をオンにして、Designタブへ移動→Designタブで「Use V2 Definitions(deprecated」をオフにした状態で「Load」ボタンから.jsonファイルを読み込む必要があります。
.jsonファイルはおそらくは公式サイトで配布されます。

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Lofree Flow2を買う前に確認したい注意点(デメリット)
先にお断りさせてください。
実は、先に挙げてメリットよりもデメリットの方が多く挙げています。

実は5月6日に東京で開催された「Lofreeインフルエンサーミーティング」でも同様のデメリットを指摘しました。
しかし、すでに開発はほぼ完了しており、フィードバックが活かせない状態だったのです。
しかし、Lofreeはこうした「生の声」を非常に大切にしてくれる企業ですので、「Flow2 JIS」や「Flow3」に活かされることを期待してあえて記載します。
‥といっても、そんなに大きなデメリットは正直ないのですけどね笑
- 本体右側のタッチセンサーのカスタマイズができない
- 静音リニア以外はオフィス向きではない
- 日本語配列がない
- 黒いキーキャップは視認性が非常に悪い
- 横出しUSBは好みが分かれる
- モデルによってティルトアングルが異なる
- 電源スイッチが押しにくい
本体右側のタッチセンサーのカスタマイズができない

多分これが一番残念なポイントです。
Flow2のタッチセンサーは、ボリューム調整および照度調整以外は設定できません。
VIA対応となりましたが、この部分についてはカスタマイズできないのです。

理想を言えば、ここはスクロールに設定したかったですね。
Shiftを押しながらだと横スクロールになるとか。これは次回に期待しましょう。
静音リニア以外はオフィス向きではない
通常のタクタイル・リニアモデルのスイッチを採用したFlow2は基本的には「打鍵音を楽しむタイプのキーボード」です。
よって、打鍵音は少々大きいため、オフィス向きではありません。
静かな環境で使う必要がある方は、静音リニアスイッチ「VOID」を選びましょう。


オフィスでもある程度ガヤガヤしている場所であればきっと問題ないでしょう。
ただ、Flow2は打鍵音を楽しめるのがウリみたいな部分もあるので、必要とあればオフィスと自宅の2個使いがおすすめ。
日本語配列がない
今回リリースする「Flow2」には、現時点では日本語配列の用意はありません。
ANSIレイアウトのみとなるため、注意が必要です。

日本語配列が良い場合は、私が配列監修を行った「Flow Lite JIS」がありますので、そちらをぜひご検討ください!

黒いキーキャップは視認性が非常に悪い

シャインスルーの黒いキーキャップの視認性が悪く、バックライトをつけていないとほぼ無刻印です。
ただし、それを狙ってのこのルックスとなっているはずですので、「無刻印風のかっこよさ」を期待する人はぜひチャレンジしましょう。

横出しUSBは好みが分かれる

初代では背面出しだったUSBポートが、Flow2では横出しになっています。
有線接続派の方は、付属のケーブルもしくは自前ケーブルにL字変換コネクタを使用する必要があるのは、ちょっとしたデメリットかもしれません。

付属ケーブルに関しては反対側がType Aなので、Type-Cを標準搭載していてType-Aを廃止している最近のMacで使うには変換コネクタを使う必要がありそうです。

私は割り切って非純正の有線ケーブルを使っています。
純正でType-A to C変換プラグがあれば良かったのですけどね。
モデルによってティルトアングルが異なる
先にも触れたように、ティルトレッグの長さはすべてのモデルで同一となっている関係上、一行少なくなっている68keysモデルのみ角度が異なります。




よって、68keysモデルはかなり傾斜がきついため、手首に負荷がかかる可能性があるでしょう。

ロープロで7度のティルトは結構な角度です。
ただ、足を出さないと物足りないので、私は下記のゴムをつける予定です。
下記は一例ですが、高さが複数あるのでお好みでどうぞ。

電源スイッチが押しにくい


そもそも押すことはないとは思うのですが、電源スイッチがティルトレッグの足の裏に隠れているためちょっと押しにくいです。
デザインを優先した結果ということですが、気になる方はいらっしゃるかもしれません。
まとめ

以上、Flow2についてのレビューをお伝えしてきました。
初代Flowのテーマが「ロープロファイルで打鍵感のよいハイエンドキーボード」だとするのであれば、Flow2は、「視覚・触覚・聴覚で楽しむキーボード」がテーマとなっているようなキーボードだと感じました。

これはタイピングをただの作業で終わらせるのではなく、「タイピング体験」を重視するLofreeの姿勢が反映されたプロダクトならではのこだわりではないでしょうか。
Flow2、きっとあなたも素敵なタイピング体験を味わうことができるはずです。
キーボードの魅力を体験するきっかけの一台になれば、私も嬉しいですね。
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