天下一キーボードわいわい会Vol.6(天キー)レポート2(各ブース編)

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2024年5月4日に開催された「天下一キーボードわいわい会Vol.6」通称「天キー」の会場にメディア取材として参加させていただきました。

本記事では、当日の様子やキーボード界隈の熱量をお伝えしていきます。

本記事は2部構成となっています。「企業ブース編」はこちら▷▷

天下一キーボードわいわい会 Vol.6

  • 開催日時:2024年5月4日13時から17時
  • 会場:東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー 24F DMM.comグループ セミナールーム
  • 開場提供・協力:合同会社DMM.com
  • 主催:株式会社moimate
  • 協賛:
    • Cannonkeys
    • 東プレ株式会社
    • ダイアテック株式会社
    • 遊舎工房
    • Lofree
    • 株式会社PFU
  • 定員:300名
  • 写真撮影者:河村亮介(GreenEchoes Studio)@Hottyhottea
この記事の著者
Kawamura top R

GreenEchoes Studio代表

河村亮介(カワムラリョウスケ)

サイト運営者兼WEBライターとして自社メディアを立ち上げ、現在では複数の法人運営メディアの企画運営を行う。仕事上、ヘビーに文字を打つことが多く効率化を求めるうちにキーボード沼にハマり、「GreenKeys」を開設。

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キーボード/キーキャップ|河村ピックアップ

今回は当日会場でお話しを伺うことができた8名のクリエイターの作品にフォーカスして紹介していきます。

金属造形美が美しい「IO」|Basekeys(masro)

前方のテーブルで一際目を引いていたのはBasekeyスタッフでデザイナーのmasroさん(@KS_JAPAN2021)作のIOです。

やはりその美しさの真骨頂は「金属造形の美しさ」でしょう。

ダークグレーカラーがバージョン4、シルバーがバージョン3です。

こうして比較してみると、バージョンが上がるにつれて金属造形がより複雑に進化しているのがお分かりいただけるでしょう。

金属造形はキーボードの背面だけでなく、内部にも施されています。

トップケースはマグネット式となっているため、トップケースと基板を簡単に外して中の金属造形を楽しむこともできるのも大きな魅力でしょう。

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メンテナンスもしやすいですね。

ご本人曰く、側面を持ちやすく修正した次のバージョンでFIXとなるようで、市販化が期待されます!

追記:C面を凹ますのはコストの関係上難しいかもしれないとのことです。

内部構造についてまでは深く話を伺えませんでしたが、コトコトとした極上のタイピングサウンド。

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上記はCerakoteを施したボディとなっており、金属質な打鍵音が丸みを帯びたような印象になっていました。

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Cerakoteだけ見ても「塗装で打鍵音が変わるのか…!!」という衝撃だったのに、それ以外の部分が凄過ぎて頭が追いつきませんでした笑
今度じっくりとレビューさせてください!

Basekeysはこちら▷▷

ハンドメイドウッドパームレスト|Alco@Parmesan Craft Works

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高級家具のようなルックスで非常に目を引いていたのがAlco@Parmesan Craft Works(@alco_ramuh)さんのウッドパームレスト。

「リグナムバイタ」という世界一硬くて重い木材を用いて作られているとのことでした。

表面は番手の細かいやすりで丁寧に研磨されており、光沢を帯びて非常に滑らかな手触り。

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まるで金属のような重量感でタイピングの安定性は抜群だと感じました。
やはり、キーボード×木材のギャップは非常に美しいですね。

Alcoさんのブースの様子はこちら↓

木製キーボードケース|Nobuki Inoue

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木材の温かみとキーボードの無機質さが高次元で融合していたのがNobuki Inoue(@black_trooper)さんのブース。

やはり気になるのは「木製ケースの作り方」でしょう。

Inoueさんによると、「専用機材を使って、一つの木材から削り出している」とのこと。

機械加工という側面では3Dプリンタと同じ考えですが、3Dプリンタがプラス方向に作っていくのに対して、木工加工はマイナス方向へ削っていくという対比説明が非常にしっくりきました。

現在はKeyballを中心にストック販売をされており、今後の展開については「検討中」とのことです。

データがあれば他のケースも作成可能とのことですが、やはり実際の基板を合わせて微調整をする必要があるとのこと。

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現在はKeyballメインで作成されているため、他のものを受注生産となると、手一杯になってしまうようでした。
下記に今後の量産品についてのアンケートも実施していますのでぜひご覧ください!

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磁気ポゴピンを使用した分割キーボード|akaifox

角ばったシャープなフォルムと見慣れないケーブルで左右接続をしているのが印象的だったのがakaifox( @akai_kichune)さんの「LR46」です。

Maglit40のような磁気ポゴピン接続で一体型としても利用できる他、磁気ポゴピンが両端についたケーブルを用いれば分割キーボードとしても使えるという逸品。

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打鍵感にもこだわっており、RP2040-Tiny を利用してドーターボード部分を分離させてかつ、ケース上下端に配置されたクッションで打鍵時の沈み込み具合を調整しているようでした。

他の作品はこちら↓

HHKBオーソリニア化|Leo

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一瞬自分の目を疑ってしまうようなルックスなのが、Leoさん(@Leo_keeb)制作のオーソリニア化したHHKB Pro /Studioです。

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HHKBのキースイッチの位置はそのままに、軸受の部分をずらして格子状配列となるように3Dプリンターでキートップを印刷したとのことでした。

特に不思議だったのが、HHKB Proの打鍵感です。

明らかにスイッチセンターからずれているのに、真下にスイッチがある感覚でタイピングができてしまう‥

Leoさん曰く、「東プレ軸の精度の高さが理由かもしれない」とのことでした。

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自作キーボード界隈でも人気の高いHHKB…オーソリニアモデルや左右分割モデルを期待する声も当日は多く聞かれていました。

自動車モチーフのアルチザンキーキャップ|ジョン・マイヤー・キーキャップ

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たくさんのアルチザンキーキャップが並ぶ中、一際目を引いていたのがジョンマイヤーキーキャップさん(@kiriman_works)の「クラシックカーキーキャップ」です。

今回新作として登場したのが「クラシックカーキーキャップ60’s」。

1960年代周辺に流行した車のデザインをモチーフしているとのことで、丸めのヘッドライトやフェンダーミラーなどが非常に印象的でした。

よく目を凝らしてみると、この窓が透明だったり、ウィンカーが別パーツで作られていたりと、造形が非常に細かいことに気付かされます。

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背面までしっかりと塗り分けられていました。
私も20’sを所有していますが、これは持っているだけで満足感が高い逸品ですね!

そのほかにも、漆塗りのキーキャップや、レジンと木材を融合したキーキャップなど、意欲作が非常に多く並んでいました。

作品の購入はこちら▷▷

Lotus配列でデザインが美しいAkasha|Murasaki_min

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デスクマットを含めて独自の世界観を醸し出していたのがMurasakiさん(@Murasaki_min)のAkashaシリーズです。

ハスの花をモチーフに、独自に考案したLotus配列を採用。

一体型の「Akasha」と左右分割の「Akasha Amrita」を展示していました。

一度は自作キーボード界隈から離れたというMurasaki さん。

カムバックのきっかけは、友人の誘いで行った「キーケット」だったそう。

Murasakiさん曰く、「独自配列まで考えたのに辞めてしまうなんてもったいない!」と友人に諭されて戻ってきたとのことでした。

カムバックからわずか2ヶ月足らずで2つの作品を仕上げてしまうその設計速度にも驚きを隠せません。

キーボードだけでなく、キーキャップやデスクマットに関してもご自身でデザインされています。

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分割キーボードで使用しているアビエイターケーブルも、無理を言ってオーダーをして、中央で分割できるようにしているとのことでした。
どこを切り取ってもデザインセンスの塊のようなキーボードと世界観。これからどう広がっていくか非常に楽しみですね!

3Dプリント一体成型36keys意欲作|ナズナ

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「試作品」ということで展示されていて驚いたのがナズナさん(@naznaz_inv)の一体型36keysキーボードのモックアップです。

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キースイッチプレートも含めて一体成型となっており、印刷すると「このままの形で出てくる」とのこと。

一番驚いたのがスイッチプレートに持たせた「たわみ」です。

ミルフィーユのように折り重なった構造となっているようで、プリントされている部分にも柔らかさがあり、これがタイピングの衝撃を吸収するアブソーバーの役割を果たしているようでした。

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オーソリニアレイアウトをベースとして、親指部分は打ちやすいように0.5uずつ中央にずらしており、なだらかに左右に向かって傾斜している点も打ちやすさへのこだわりを感じることができました。

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3D造形のキーボードなど、QAZ民の私にはすべてがドストライクでした。

キーボード/キーキャップ

ここからは私が当日撮影した写真の一部を紹介していきます。

新素材キーキャップ

今回のミートアップでは、従来からキーキャップ素材として多く採用されてきたABS /PBT以外の素材を使った「新素材キーキャップ」が登場してきたのが印象的でした。

一つ目はセラミック(陶器)製のキーキャップとして話題となりつつあるCerakey。

今回は私のブースを含めて5台の展示がありました。

ひんやりとした触感、鼻にかかったようなミュートされた打鍵音が特徴的で、どれも美しい光沢を放っていたのが印象的です。

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続いては、2024年6月に日本でのクラウドファンディングを予定しているAwekeysの金属製キーキャップです。

特に金色のキーキャップは非常にゴージャスな印象でした。

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ステムの適合具合に若干の誤差があるようで、一部緩いキーが散見されました。
これに関しては、ボックス型のキースイッチを用いることである程度解消されるように感じています。
Cerakey v1の時も同様でした。

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アルチザンキーキャップ

まさに職人の真髄とも言えるのがアルチザンキーキャップです。

会場では、さまざまな種類の造形美あふれる作品が展示されていました。

分割キーボード

日本人によく好まれるという分割キーボード。

私自身、こう言ったミートアップイベントのへの参加は初めてだったのですが、改めて日本の分割キーボード熱を知ることになりました。

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日本で分割キーボードが流行った背景には、「仕事のしすぎ」があるんだとか。
要するに、楽なタイピング姿勢かつ効率的に仕事をできるデバイスを求めていった結果、分割という結論に至ったのかなーなんて思っています。
(海外の方は体にやさしい働き方をしているんですね…)
ということは、「効率よくタイピングできる」という点では海外でも流行る可能性がありそうです。
まずは分割65%から流行らせたい。

カラムスタッガード/オーソリニア

そして自作キーボード界隈で根強い人気を誇るのがオーソリニア。

直行配列や格子状配列とも呼ばれ、視認性が良いのと指の移動距離が最短となるのが大きな特徴です。

ただし、世間一般的にみると、タイプライター時代から続く「横ずれ(ロウスタッガード)」が主流となっており、持ち替える手間(スイッチングコスト)が高いため、なかなか市販品では存在していません。

だからこそ、「作ろう!」となって流行っているという部分が大きいような気がします。

オーソリニアからの派生という位置付けだと少々強引かもしれませんが、直行配列を指の長さに合わせて縦にずらした配列が「カラムスタッガード」レイアウトです。

中指を頂点に人差し指、小指方向へ降りていくようなレイアウトが多く、扇を広げたような形状となっていることが多くなっています。

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やはり自作キーボードの醍醐味といえばこのカラムスタッガード/オーソリニアレイアウトでしょう。
わたしもメインで使っているのがこの形状です。