
日本語配列のボトム行を再定義
本ページで示す内容は、公的な規格や認証ではなく、日本語配列キーボードの利便性向上を目的とした民間による任意の提案です。
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本ページは随時更新されます。
— Japan Layout Alliance (JLA) とは?|TL;DR
- 目的:日本語配列ボトム行(bottom-row)を 4.5u(スタビ支点スパン≒70mm)/ 4.25u(スタビ支点スパン≒60mm) の2クラスで明文化し、ブランド横断の互換性を確保。変更を強制するものではなくあくまでも現存するものを識別しやすくすることが目的。
- 意義:交換パーツが入手しやすくなり、日本語キーキャップ/キーボード運用がシンプルに。
- 参加区分:Founding / Participating / Distributors / Review(拘束なし。まずはReviewからでもOK)。
- 参加方法:フォーム送信 → 約5営業日以内に確認メール。
- バッジ:製品ページ等にJLAバッジ掲示可 — ガイド|ダウンロード
- 公差表:JLA 4.5u / 4.25u 公差表(PDF)
短いスペースバーをお考えの方へ: 市場の実情として、2.75u(Aliceレイアウト対応キットに同梱のコンベックス)はキーキャップの入手性が比較的良いケースがあります。※JLAの規格対象は4.5u/4.25uのみです。
Japan Layout Alliance(JLA)の目的は、「日本語配列が理想だから守る」ことではありません。
しかし現実として、日本の一般ユーザーの大多数は日本語配列を使用しており、
- 家電量販店ではほぼ日本語配列しか売られていない
- メーカー純正キーボードも日本語配列のみ
- 職場 PC・学校 PC も日本語配列が標準
という市場環境の中にあります。
そのため JLA は「日本語配列の保護」ではなく、
“現実に日本語配列を使っているユーザーが困らないように、 互換性を整理する” という実務的な目的で運営されています。
筆者個人としてもANSIレイアウトや自作キーボードを利用する身であり、それらと敵対する意図はありません。
【JLAの位置付けについて】
JLA(Japan Layout Alliance)は、公的規格である JIS(日本産業規格)およびJISC とは一切関係のない、民間の任意団体です。
ここで使用する「JIS配列」もしくは「日本語配列」という表現は、市場で一般的に流通している日本語キーボードの通称に基づくものであり、JIS規格そのものを定義・改定する意図はありません。
JLAは日本語配列専用の互換クラスです。ANSI/Ortho/40%など他の配列とは完全に別物で、両立可能です。
JLAバッジの趣旨(非強制・可視化)
JLAバッジは、現状の設計方針を変えることを促すものではありません。ユーザーとブランド双方にとって「購入後の交換・互換が読み取りやすい表示」を提供するための仕組みです。バッジの付与により、スペースバー長×スタビ支点スパンという互換性の軸が一目で分かり、カスタマイズの楽しみを損なわずに運用できます。
※ 表示対象は JLA-450 / JLA-425 のみ。短いスペースバーの採用そのものは尊重します。
参加までの流れ
JLA-450/425「参加団体一覧」への掲載は、事前確認の上でのみ行います。
参加申請フォームから、ブランド/企業名・担当者・公式URL・希望ステータス・JLAクラス(JLA-450 / JLA-425)・などの必要情報を入力して送信します。
送信直後に、受領メール(日本語/英語併記)が届きます。記載内容に誤りがあれば、返信でお知らせください。
事務局にて申請内容(ブランド名とJLAクラスの整合、URLの有効性)を確認します。必要に応じて追加質問を差し上げます。
申請内容に問題がなかった場合、参加団体一覧にカードを追加します。
ただし、掲載許諾がない場合は掲載しません。
カードは 画像+2列表(Brand/Company|Status|JLA Class|Official URL) 構成で、構造化データ(ItemList)にも自動反映されます。
運営体制 / Governance
- Secretariat: Greenkeys(調整・公開・窓口)
- Technical collaborators (領域別):
- Keycaps: 参照寸法提供(キーキャップ)|Keyreative
- Stabilizers: 参照寸法提供(スタビライザー)|検討中
- PCB: 参照寸法提供(実装基板)|zfrontier(Carlxia)
※ 各社の原図・図版は当該権利者に帰属し、当サイトでは表示のみ(再配布不可)とします。
0.はじめに
まず、日本市場で日本語配列メカニカルキーボードを継続的に投入してきた各ブランド、とくに4.5uクラスのスペースバーを搭載した日本語配列モデルを量産・販売し、「日本語配列のメカニカルを市販する」という文化を支えてきたメーカーへ敬意を表します。
そうした実在の製品が日本で流通してきたからこそ、「日本語配列でも交換スペースバーや交換キーキャップを用意できるようにしたい」という話が、いま現実的にできています。
JLAは、この提案をもって新しい「正しさ」を打ち立てたり、既存の配列設計や各社・各ショップの取り組みに優劣をつける意図はありません。
むしろ、これまで日本語配列や短いスペースバーに真剣に取り組んできたメーカーやショップ、コミュニティのみなさんの知見の上に立ち、その実測値と歴史的経緯を「互換クラス」という言葉で整理しなおす試みです。
JLA が目指しているのは、特定の配列を保存・保護することではなく、“既に日本語配列を使っている多くの一般ユーザーの不便を減らすこと” です。
ANSI配列や特殊配列キーボードが快適であることも承知していますが、日本の市場では ANSI への乗り換えコストが非常に高く、「キーボードは好きだが日本語配列しか選べない」というユーザーが大半です。
そのため、JLA の役割は「現実の日本語配列ユーザーの困りごとに対して、最低限の互換性を整える」という、実務的でユーザーライクな取り組みにあります。
この文書は、特定メーカーの公式声明でも、強制力のある業界規格でもありません。
日本市場側の視点から「現在すでに売られている日本語配列キーボードのボトム行寸法(例:スペースバー長、スタビライザー支点スパン)を、わかりやすい互換クラスとして整理しよう」という試みです。
この考え方は「これからは新しい仕様に合わせてください」というお願いではありません。
既に存在している実寸をそのまま “互換クラス” として言語化し、将来の交換スペースバーやキーキャップの供給、アフターサポート、再販売を少しでも楽にするためのものです。
- 各ブランドや代理店に、設計変更やコスト負担、再設計義務を求めるものではありません。
- 「このクラス(例:4.5u /スタビライザー約70mmスパン・4.25u /スタビライザー約60mmスパン)です」と名乗れるようにすることで、交換用スペースバーやキーキャップを作りやすくするのが目的です。
- 参加・関与は「レビュー参加(内容確認・意見共有)」という形からで問題ありません。いきなり“正式コミット”や“承認”をお願いするものではありません。
- ブランド名と具体的な寸法(スペースバー長・スタビライザー支点スパンなど)を結びつけて公開する場合は、必ず当該ブランド側/代理店側の事前確認を行います。合意なしに固定化・公表することはしません。
この提案は、日本のユーザーサポートや日本語配列のローカライズ現場の視点から、Greenkeys(運営:河村)が調整窓口として取りまとめています。
Greenkeysは、日本語配列モデルの配列監修やフィードバック提供(国内向け日本語配列レイアウトの相談・検証など)に関わっており、日本語配列を「特殊だから後回し」ではなく「長く売れる/直せる/遊べる」ものとして残す必要があると判断しています。
この文書は、現在の日本語配列ボトム列の“現実”をカタログ化し、今後も交換パーツを供給しやすい環境をつくるためものです。
For Users / ユーザーの皆様へ
なぜJLAが重要なのか?
現在、日本語配列のキーボードを購入すると、スペースバーが壊れたり、好みのデザインに交換したくなった時、互換性のある交換パーツがほとんど存在しません。
JLAは、この問題を解決します:
- 交換用スペースバーが手に入る
- サードパーティ製キーキャップが使える
- 長く使える、カスタマイズできる
自分のキーボードがJLA準拠かどうか確認する方法
- メーカーのウェブサイトで「JLA-450」または「JLA-425」の表示を確認
- JLAバッジが製品ページに掲載されているか確認
- 参加企業一覧で自分のキーボードのブランドを探す
JLA準拠キーボードを購入するメリット
✓ 将来的に交換用スペースバーが入手可能になる
✓ キーキャップメーカーがJLA対応製品を増やしていく
✓ 長期的なサポートと修理可能性
✓ 日本のキーボード文化の発展に貢献
JISレイアウトの歴史的背景とJLAの考え方
JLAはこの提案に先立ち、日本語配列キーボードの歴史や制定までの背景に対して、深い敬意を表します。
JISキーボードは、1960年代のタイプライター規格(JIS B 9509-1964)に起源を持ち、1972年に情報通信端末用キー配列としてJIS C 6233が制定されました。
1980年の改正(JIS X 6002)では、英数字・記号の配列が国際標準(ISO 646)と整合し、制御キー配置の自由度が高まりました。
この規格はキー配列を定義するものの、物理寸法(例: スペースバーのサイズ)は指定せず、メーカーごとの多様な実装を許容してきました。
例えば、富士通のOASYSシリーズでは、ワープロ専用キー配置が採用され、日本語入力の効率化に寄与しました。
一方で、この柔軟性が互換性の課題を生み、キーボードカスタマイズの視点から見た際に「交換用キーキャップがない」という問題に直面しています。
こうした動きに関しては、日本語配列の文脈とは本来関係のないものです。
しかし、日本人の多くが日本語配列キーボードを愛用し、「メカニカルキーボードも日本語配列でなくては」と考えるキーボードファンが、ANSIレイアウトと同じようにキーキャップを交換できないという状況は、キーボードを買った後も楽しめる機会を損失してしまっていると、JLAは考えています。
JLAはこうした歴史を尊重し、先達の取り組み(電電公社、IBM、富士通など)を尊重し、現在市販されるスペースバーの長さとして採用例が多い「4.5u/4.25u」の二つのサイズを採用しているキーボードおよびキーキャップに「識別バッジ」を付与することを提案します。
これは、歴史を足蹴にするものでも冒涜するものでもありません。
これから先の未来でも日本語配列キーボードが残り続け、世界と同じように「カスタマイズして楽しめる文化」を根付かせたいという思いが、この取り組みの核となるものです。
歴史的タイムライン以下に、JISキーボードの主な制定史と関連イベントを時系列でまとめます
- 1964年: JIS B 9509-1964「カナ・ローマ字タイプライタのケン盤配列」が制定。カナモジカイ由来の配列1と英文タイプライター由来の配列2を定義。後のJISキーボードの原型となり、カナ配列の基礎を築く。
- 1965年: 日本IBMが「IBM 029型カタカナ穿孔機」を発表。JIS B 9509を基に3段シフト47キーに改変し、カタカナ配置を調整。
- 1968年: JISキーボードの草案作成。シフト入力についてロジカル・ビット・ペアリングを考慮し、機構の簡略化を図る。その後の1972年JIS C 6233制定時には、テレタイプASR-33などで使われたQWERTY配列(ISO 2530)との整合性が取られる。
- 1970年: 電電公社(NTT)がデータ通信標準キー配列を策定。英数記号はASR-33、カナはIBM 029をベースに変更。DRESS/DEMOSサービス開始に伴う。
- 1972年: JIS C 6233が制定。情報通信端末用キー配列の標準規格確立。QWERTY配列を基盤にISO 646対応。
- 1980年: JIS C 6233-1980(第2次規格)改正。電気式シフトキー・ロック対応を追加。シフトキーと復改キー(エンターキー)の幅を拡大し、制御キーの配置を柔軟化。キーサイズが多様化の基盤に。
- 1986年: JIS X 6004-1986(新JISかな配列)制定。3段構成でカナ並びを最適化し、タッチタイピング効率化を目指すが、覚えにくさから普及せず(1999年廃止)。
- 1987年: 日本IBMが企業向けPC「PS/55」用の「5576-002型鍵盤」を発表。旧マルチステーション5550用キーボードとPC/ATの101キーボード相当の配列との互換性を両立させた設計だった。
- 1990年代: OADGが109キーボードを標準化(1991年、日本IBM「5576-A01型」発表)。Windowsキーを追加し、PC/AT互換機の普及に伴う。
- 2000年代以降: ノートPCや省スペース化の影響でキー配列に独自工夫が増え、多様化。物理寸法の規格不在が顕在化し、メーカーによる製品差別化のため、キー配列に独自の工夫が凝らされるようになる。結果として 文字キーの配列やスキャンコードがOADGの規格に一致するのみとなった。
参照資料
- JISキーボード – Wikipedia:規格の時系列と詳細な歴史。
- 富士通OASYS – キーボードを科学する:OASYSの視点からJIS配列の経緯を解説。
- 安岡孝一「キー配列の規格制定史日本編」 (PDF):JIS規格制定の詳細なプロセスと関係者。
短いスペースバーについて(JLAの考え方)
JLAは「交換部品の互換性と流通のわかりやすさ」を目的に、当面は 4.5u / 4.25u(スタビライザー支点スパン ≈70/60mm) で整理しています。これは設計思想や使い勝手を一色に揃えるものではありません。
日本語入力(変換/無変換キー運用)において短いスペースバーに合理性があることは十分に理解し、各社の製品方針を尊重します。
そのうえで、購入後の交換・補修やキーキャップの入手性という実務面を踏まえると、短いスペースバーを採用する場合は 2.75u のほうが選択肢を確保しやすい場面があります(Aliceレイアウト対応キット同梱の2.25u+2.75uコンベックスなど・金型が明確に存在し、スタビライザースパンも規定されている)。
なお、JLAの規格クラス(バッジ/レジストリ表示)は、互換性の明確化を優先し 4.5u / 4.25u のみを対象とします。
短いスペースバーの採用そのものは尊重し、必要に応じて情報面の共有を行います。
1. ミッション
要点
・JIS規格(JIS X 6002)はキーの位置・名称は決めているが、物理仕様までは定義していない。
・その結果、日本語配列のボトム行はメーカーごとにバラバラで、互換スペースバーが存在しない。
・Japan Layout Allianceは、日本語配列のスペースバーだけでも共通の物理ベースラインをつくり、日本語配列を「育てられる文化」に戻す狙いがある。
日本語配列を持つキーボードは、日本産業規格(JIS)が制定している標準規格「JIS X 6002 情報処理用けん盤配列」に準拠するキー配列をもつコンピュータ用キーボードです。
しかし、JIS X 6002 が定義しているのは主に「キーとして何がどの位置に存在するべきか」というレイアウト(アルファベット・かな・記号などの文字キーの並びと名称)であり、物理的な仕様までは踏み込んでいません。
たとえば、スペースバーの長さ、ボトム行のキー割り付け、スタビライザーの取り付け位置や寸法、公差といった“ハードウェアとしての形状”は規定されていません。
その結果、日本語配列のボトム行(スペースバー・無変換・変換・かなキー周辺)は全く統一されておらず、メーカーごと/モデルごとに異なる状態が長年続いています。
物理仕様がバラバラなため、交換用スペースバーやキーキャップ、プレート、PCBといったパーツを他社製で代替することがほぼ不可能になっています。
特に問題になるのが「スペースバーの長さ」です。
ANSI配列(英語圏などで一般的な配列)では、スペースバーはおおよそ6.25uという長さが事実上の標準になっており、各社の製品間でキーキャップの乗せ替え・交換文化が成立しています。
ユーザーは自由にスペースバーをカスタマイズ可能で、サードパーティ製の商品でも安心して交換することができます。
これは、キーキャップを設計・販売するメーカー側も同様です。
結果として、キーボードは「買って終わり」ではなく「育てる・遊ぶ」対象になっています。
一方で日本語配列では、スペースバーが4.5uや4.25uといった短い長さになることが多く、その長さ・支え方(スタビライザーの位置)が製品ごとに異なります。
これが原因で、互換スペースバーそのものが市場にほぼ存在しません。
つまり、日本語配列だけが物理的に孤立しているのです。
さらに、日本国内のユーザーは「かな」と「英数」をワンキーで素早く切り替える文化を強く持っており、多くの人は“日本語配列のボトム行(無変換/変換キーなどを含む構成)”がないとそもそも使いにくい、と感じます。
これに加えて、Windowsユーザーであれば、「半角/全角」キーはなくてはならない存在でしょう。
これは海外メーカーにとって参入障壁になっていて、「日本語配列はコストが高いから後回し」という判断を誘発しています。
この状況は、日本語配列を選びたいユーザーにとって不利であり、結果的に「日本語配列は面倒だから採用しない」「日本語配列は限定モデルだけでいい」という設計判断を後押ししてしまっています。
長期的には、日本語配列そのものの生存可能性を下げてしまいます。
Japan Layout Allianceは、この問題に対して「日本語配列のスペースバーだけでも、最低限の共通物理ベースラインをつくろう」という取り組みです。
狙いは“標準化のための標準化”ではなく、“日本語配列をこれからも売れる・作れる・遊べる形で生き残らせる”ことです。
日本語配列を「特殊で扱いにくいもの」ではなく、「ちゃんと手が入れられる、育てられる文化」に戻すことを目的としています。
2. なぜ今やるのか
要点
・ロープロファイル市場は急成長したが、互換性はむしろ崩壊している。
・日本語配列モデルも増えているのに、最下段の寸法の共通基準がない。
・このまま放置すると「日本語配列はコスト高で面倒だから後回し」が固定化し、日本語配列が市場から先細りする。
現在、ロープロファイルキーボード市場は急速に広がっています。
Kailh choc v2、Gateron Low Profile(2.0 / 3.0)など、ロープロファイルキースイッチが各社から出ており、それぞれが独自のスタビライザー構造・プレート設計・PCBカットアウトを採用しています。
結果としてはANSIも含めたロープロファイルメカニカルキーボードにとってかなり難しい状況となっています。
- “ロープロだから互換性が高い”のではなく、むしろ“ロープロだから互換性がない”
- メーカーAのスペースバーはメーカーBのスタビライザー位置に合わない
- 交換用キーキャップやスペアパーツが市場に存在しない
同時に、日本語配列を公式で出すブランドも増加傾向です。
それにも関わらず、日本語配列のボトム行には、業界横断の「これを基準にしよう」という合意がまだありません。
特にスペースバーのサイズでこれは顕著であり、4.5uだったり4.25uだったり、モデルごとにばらばらです。
そのせいで、日本のユーザーは「キーボードを買っても、あとから自分好みにパーツを交換する楽しみ」が育ちにくいと言えます。
メーカー側も「日本語配列はコストのわりにリターンが小さい」と判断しやすくなり、日本語配列の優先度が下がります。
つまり今は、「日本語配列をここで救って共通前提をつくる」のか、それとも「また特殊扱いとして放置する」のか、その分岐点にいると考えます。
3. 提案するベースライン
要点
・日本語配列スペースバーには、現実的に使われている寸法が大きく2系統あることを明文化します。
- JLA-450:4.5uのスペースバー長/およそ70mmのスタビライザー支点スパン
- JLA-425:4.25uのスペースバー長/およそ60mmのスタビライザー支点スパン
・今後新しく日本語配列キーボードを設計・販売する場合は、この「JLA-450」または「JLA-425」のどちらかにすることを可能であれば検討していただきたいです。
・新しい独自寸法(たとえば中間サイズや独自スパン)を増やさないことを合意したいと考えています。
・スタビライザーの機構や素材など、各社のノウハウそのものは縛りません。共有したいのは“支点がどこにあるか”というインターフェース寸法だけです。
ここからがJapan Layout Allianceのコアです。
まず合意したいのは、日本語配列のボトム行、とくにスペースバー周辺の「物理インターフェース」をどう扱うか、という点です。
これは、各メーカーに「設計を変えてください」とお願いするものではありません。
すでに量産・販売されている日本語配列モデルの実際のボトム列寸法(スペースバー長とスタビライザー支点スパン)を、そのまま“互換クラス”として言語化しようとするものです。
つまり「誰かが新しい規格を上から押しつける」のではなく、「今ある現実の寸法を整理することで、交換用スペースバーやキーキャップを供給しやすくする」ことが目的です。
JLAに参加の必要条件は、自社のキーボードおよびキーキャップのスペースバーサイズが下記図面にある程度合致しており、互換性が保たれると判断されることです。
【JLAガイドラインの性質】
JLA-450およびJLA-425は、キーボードやキーキャップ、ケース等の物理的互換性を高めるための自主ガイドラインです。
準拠は任意であり、準拠しない製品に対して不利益が生じるものではありません。
独自レイアウトや寸法をもつ製品を制限する意図もありません。
3.1 スペースバー長クラス
まず、スペースバーの長さを下記のように整理します。
- 4.5uサイズのスペースバーを日本語配列ボトム行の基本サイズのひとつとして扱います。これをJLA-450クラスと呼びます。
- 歴史的経緯や既存製品との互換性のために、4.25uサイズのスペースバーも正式なクラスとして扱います。これをJLA-425クラスと呼びます。
ここで重要なのは「4.5uだけが正解で4.25uは切り捨てる」という話ではないことです。
4.5u(JLA-450)を将来の基準軸に据えつつ、4.25u(JLA-425)も現実的な選択肢として残すという考え方をとります。
これにより、いま市場に存在する日本語配列キーボードを一気に“非互換”扱いにしないようにします。
他にもさまざまなスペースバー長は存在しますが、今後新しく設計・開発される日本語配列キーボード(アライアンスに関与するブランドや代理店のライン)については、基本的にこのJLA-450/JLA-425クラスのいずれかをベースにすることを推奨します。
3.2 スタビライザー支点スパン(横方向の距離)
スペースバー自体の長さと同じくらい重要なのが、「スペースバーの下でそれを支える左右2点の位置関係」です。
具体的には、スペースバー中央のスイッチをはさんで左右にある支点(スタビライザーや補助足など)の中心と中心の間の距離(=スタビライザー支点スパン)が、キーキャップ互換性とプレート/PCB設計に直接効いてきます。
現在、日本語配列では大きく次の2つのスパンが実在しています。
- JLA-450
・スペースバー長:およそ4.5u(約85mm)
・スタビライザー支点スパン:約70mm - JLA-425
・スペースバー長:およそ4.25u(約80mm)
・スタビライザー支点スパン:約60mm
Japan Layout Allianceでは、この2つのスパンを公式な「互換クラス」として定義し、新しい日本語配列キーボードは、JLA-450またはJLA-425のどちらかに揃えてほしいと考えています。
これは、各メーカーが自社のレイアウト哲学(4.5uを使いたいのか、4.25uを使いたいのか)を守りつつも、ユーザーが後から交換パーツを入手できるようにするためです。
逆に言えば、JLA-450 / JLA-425 のどちらにも当てはまらない独自スパンをこれからさらに増やしてしまうことは、避けたいと考えています。
そういった“第三の物理仕様”が無制限に増えると、日本語配列ユーザーだけがまた孤立してしまうからです。
この「2クラスを明文化する」という考え方は、キーキャップメーカー・スペースバー単品メーカー・PCB/プレート設計者が、安心して「日本語配列対応」を名乗れる土台になります。
このクラス分けが重要な理由は下記のとおりです。
- キーキャップ/スペースバー側は、JLA-450用・JLA-425用の2バリエーションを用意すれば、日本語配列ユーザー向けの交換用スペースバーを現実的に供給できるようになる。
- PCBやプレートを設計する側は、「JLA-450で行くのか / JLA-425で行くのか」を最初に宣言するだけでよくなり、独自寸法を新しく考案する必要がなくなる。
- ユーザーは「自分のキーボードはJLA-450系なのか、JLA-425系なのか」だけを把握すれば、後からスペアパーツを探せるようになる。
- つまり、日本語配列でも“買ったあとにカスタマイズできる”という文化を成立させやすくなる。
Japan Layout Allianceがまず守りたいのは、この「JLA-450 / JLA-425 という共通の物理インターフェース表現」を業界側とユーザー側の両方に用意することです。
3.3 Technical Specifications and Tolerances / 技術仕様と公差
ここではJLA-450/425の技術仕様と交差について説明します。
3.3.1 JLA-450 Detailed Specifications / JLA-450 詳細仕様
寸法定義
- スペースバー全長 : 85. 60mm±0.20mm (4.5u)
- スタビライザー支点スパン 70.0mm ± 0.20mm
- 測定方法: スタビライザーハウジング中心から中心までの距離
- キースイッチ取付位置:スペースバー中央
- スタビライザー配置: キースイッチと同一直線上
3.3.2 JLA-425 Detailed Specifications / JLA-425 詳細仕様
寸法定義
- スペースバー全長: 80.11mm±0.20mm (4.25u)
- スタビライザー支点スパン: 60.00mm ± 0.20mm
- 測定方法 : スタビライザーハウジング中心から中心までの距離
- キースイッチ取付位置: スペースバー中央
- スタビライザー配置 : キースイッチと同一直線上
測定基準点 / Measurement Reference Points
- 基準: PCB表面
- 水平基準:キースイッチ中心軸
- 測定器具 : デジタルノギス(分解能0.01mm)
3.3.3 Technical Drawings / 技術図面

3.3 何を求めないか
ここで明確にしたいのは、私たちは各社の内部ノウハウに踏み込むつもりはない、ということです。
- スタビライザーの機構(ワイヤーの曲げ方、ハウジングの固定方法、潤滑方法、補助ピン形状など)
- プレートの保持構造や固定クリップ形状
- ハウジングやワイヤーの素材選定
こういった内容は各ブランド固有のものとして尊重します。公開や統一を要求しません。
Japan Layout Alliance が共有したいのは、あくまでインターフェース寸法(どこに支点があるべきか)だけです。
3.4 現状での課題
現時点では、スタビライザー支点スパンの違いが、日本語配列だけを孤立させています。
下記の図をご覧ください。


このように、4.5uのスペースバーと約4.25uのスペースバーとでは、スタビライザーの間隔(支点スパン)が異なっています。
この事実を前提に、私たちはJLA-450 / JLA-425の2クラスを提案します。
3.5 キーキャップ・キーボード・スタビライザーブランドへのお願い
キーボードブランドへのお願い
Japan Layout Allianceでは、今後日本語配列の新製品を設計・販売するブランドに対して、次のことを推奨します。
- 新しく設計する日本語配列モデルは、JLA-450 または JLA-425 のいずれかの仕様に合わせた方が、市場全体の互換性が向上します。
これは現在、日本国内で流通している日本語配列製品で広く採用されており、将来的なスペースバー/キーキャップの交換性を確保しやすい基準と考えています。 - 逆に言えば、上記2クラスのどちらにも当てはまらない独自寸法(例:4.4u/支点スパン65mmなど)をこれから新しく増やしてしまうことは、避けたいと考えています。
これは日本語配列ユーザーを「また別規格」に分断してしまい、互換パーツの供給を難しくする要因になるからです。
キーキャップ/スペースバー製造ブランドへのお願い
キーキャップやスペースバー単品を作るブランド・工場・デザイナーの方には、次のような協力をお願いしたいと考えています。
- スペースバーについては、JLA-450用(4.5u / ≒70mmスパン) と JLA-425用(4.25u / ≒60mmスパン) の2バリエーションをラインナップすることを推奨します。
これにより、日本語配列ユーザーが既存のキーボードでも交換用スペースバーを入手できるようになります。 - ただし、両方のクラスすべてに対応しないと“JLA準拠”を名乗れない、という話ではありません。いずれか一方に対応していれば問題ありません。
- 日本語配列の交換用キーキャップを購入したいユーザーが「JLA-450対応」「JLA-425対応」「450/425両対応」という表記を見て、自分のキーボードに合うスペースバー/キーセットを選べる状態を目指しています。
- スタビライザーのハウジング構造や、十字ステムの側壁形状、ワイヤーの固定方法などの内部ノウハウについては、公開や統一を求めません。
私たちが共有したいのは「スペースバーの長さ」「スタビライザー支点スパン(左右支点の中心間距離)」という“取付け位置の寸法”だけです。
Japan Layout Allianceが目指しているのは、「日本語配列にも交換用スペースバー/キーキャップがちゃんと流通する世界」を作ることです。
キーキャップ側が複数SKUを持ってくれることは、その実現にとって決定的に重要なパートです。
本提案で扱う寸法やブランド名、また「JLA-450 / JLA-425」という呼び方のひも付けは、各ブランド側の了承なしに公開されることはありません。
ページは、あくまで日本語配列キーボード(日本語配列のボトム行)を長期的にサポートしやすくするための提案であり、特定メーカーの設計変更や義務を一方的に求めるものではありません。
4. スコープ(やること・やらないこと)
要点
・「スペースバー長(4.5u / 4.25u)」と「スタビライザー支点スパン(約70mm / 約60mm)」をセットにした2つのクラス(JLA-450 / JLA-425)を明文化する。
・新規製品は、そのどちらかに合わせてもらうことで互換性を維持できるようにする。
・各社の機構・素材・実装ノウハウには一切口を出さない。
・最小限の“共通インターフェース”だけをそろえて、文化(土台)を作る。
ここでは、Japan Layout Alliance が「やること」と「やらないこと」を明確化します。
やること
- 日本語配列ボトム行におけるスペースバー長とスタビライザー支点スパンの組み合わせを、2つのクラス(JLA-450 / JLA-425)として明文化する
- JLA-450:4.5uサイズ(約85mm)/およそ70mmのスタビライザースパン
- JLA-425:4.25uサイズ(約80mm)/およそ60mmのスタビライザースパン
- 今後新しく設計・販売される日本語配列キーボードは、設計検討の一助としてJLA-450またはJLA-425のいずれかを採用することを検討
- これ以上、新しい独自サイズ・独自スパンを乱立させないため
やらないこと
- Kailh choc v2 / Gateron Low Profile 2.0 / 3.0 など、スイッチ世代間の違いそのものは規格化しない。
- スタビライザーの構造や材料そのものの公開・統一は求めない。
- ファームウェアやキーマップ(かな/英数切替のロジックなど)も対象外。
この線引きをはっきりさせることで、メーカー側は「自社らしさ」は守りつつ、ユーザーが楽しみやすい土壌を作ることができます。
5.JLAバッジの掲示について
合意いただいた企業・設計者・ブランドに関しては、日本語配列の物理的な互換性を支える“ラベル”(バッジ)を掲示していただきます。
「この製品はJapan Layout Alliance(JLA-450 / JLA-425)に準拠しています」と宣言できる状態にすることが目的です。


バッジのダウンロードを掲示ルールに関しては、下記のガイドラインにてまとめています。
Q&A / よくある質問
以下は、メーカー・代理店・設計者の方向けによく受ける質問と、その考え方です。
これに「参加する」と公式にこの規格に同意したことになりますか?/Does “participating” in this officially constitute agreement to this standard?
なりません。
提案内容(寸法クラスや表記のしかた)を共有し、懸念点があれば教えていただく「レビュー参加」というものを設けています。
「正式に賛成してください」「この寸法で再設計してください」という拘束的なコミットではありません。
提案に納得していただいた上で「参加」ステータスに切り替えていただければ幸いです。
勝手に寸法や社名を“標準クラス”として公開されたりしませんか?/Are dimensions and company names being published as “standard class” without permission?
しません。
スペースバー長やスタビライザー支点スパンなどの具体的な数値と、ブランド名をひも付けて外向けに書く場合は、必ず当該ブランド側・代理店側の事前確認を取ります。
合意なしに「この会社=JLA-450です」「このモデル=JLA-425です」と固定的に公開することはありません。
このアライアンスは、メーカーに設計変更を求める取り組みですか?/Is this alliance an initiative to request design changes from manufacturers?
いいえ。逆です。
目的は「新しい仕様に合わせてください」ではなく、すでに市販されている日本語配列キーボードの実寸(例:4.5u+約70mmスタビライザースパン、4.25u+約60mmスタビライザースパン)をそのままJLA-450 / JLA-425というクラス名で整理することにあります。
現行製品を否定せず、その寸法で将来も交換スペースバーやキーキャップを供給しやすくするための“カタログ化”という位置づけです。
この提案は誰がまとめていますか? 個人のアイデアですか?/Who is compiling this draft? Is it an individual’s idea?
日本市場側の調整窓口として、Greenkeys(運営:河村)が取りまとめています。
Greenkeysは、日本語配列モデルの監修・ローカライズ支援(国内向け日本語配列の相談やフィードバック提供など)に関わっており、日本語配列を「特殊だから後回し」にせず「長く売れる/直せる/遊べる」形で残すことを目的にこの提案を整理しています。
この文書は拘束力のある業界規格ではなく、日本市場向けの“ボトム行寸法の共有メモという扱いです。
代理店としてはいま何を返せばいいですか? 賛成・反対をはっきり言う必要がありますか?/ As an agency, what should we respond with now? Do we need to clearly state whether we agree or disagree?
現時点では「正式に賛同します/しません」という宣言までは不要です。
もっとも助かるのは、例えば次のようなお返事です:
「方向性には前向きです。今後、寸法やクラス名を具体的に公開する段階では、必ず当社にも事前確認を入れてください。」
これは“拘束のある合意”ではなく、“レビュー参加(内容確認と懸念共有)”として扱われます。
代理店・メーカー側のリスクを抑えつつ、日本語配列のアフターサポートや交換スペースバー供給を一緒に考えるための位置づけです。
本提案に合意していただいた段階で「参加」ステータスへ切り替えていただければ幸いです。
4.5u / 4.25u 以外のスタビライザー間隔を使った日本語配列キーボードは、Japan Layout Alliance準拠になりますか?/Do Japanese keyboard layouts using stabilizer spacings other than 4.5u / 4.25u comply with the Japan Layout Alliance?
現時点ではなりません。
Japan Layout Allianceでは、現実に日本市場で流通している日本語配列キーボードのボトム行をもとに、次の2つだけを公式クラスとして扱います。
- JLA-450:スペースバー長4.5u/スタビライザー支点スパンおよそ70mm
- JLA-425:スペースバー長4.25u/スタビライザー支点スパンおよそ60mm
これ以外の新しいスタビライザー支点スパン(たとえば4.25uサイズのスペースバーを採用しているがスタビライザー間隔が55mmなど)を今後さらに増やしてしまうと、日本語配列の交換スペースバー・交換キーキャップの互換性がまた分裂してしまいます。
特にロープロファイル領域では独自寸法が乱立しやすいので、今後はこの2クラス以外の新寸法は「Japan Layout Alliance準拠」とはしない方針です。
これは、後方互換性を守りつつ、これ以上バリエーションを増やさないためのルールです。
スペースバーを2つのキーに分割した「分割スペース」は、Japan Layout Allianceの対象になりますか?/Does the “split space” (a spacebar divided into two keys) fall under the Japan Layout Alliance’s scope?
現時点では「対象外」という扱いです。
理由は、分割スペース構成(4.5u相当を2.25u+2.25uや2.0u+2.5uに分ける、4.25u相当を2.0u+2.25uに分ける など)は、ANSI圏でも一般的なキーサイズとスタビライザーで対応できるため、日本語配列だけが孤立した特殊スペースバーを必要とする、という問題そのものを回避しているからです。
JLAがまず優先して守りたいのは、「一本の短いスペースバー+専用スタビライザー幅」という、日本語配列特有の互換性リスクのあるゾーンです。
分割スペース方式はそのリスクをそもそも回避しているため、“非推奨”ではなく「このアライアンスが救済しようとしている対象とは別枠」という位置づけになります。
将来的には「分割スペースは互換性リスクを自力で解消している代替アプローチとして認める」という注記(equivalent route)を文書化することも検討していますが、まずはJLA-450/JLA-425という2本柱を業界共通言語として固めることを優先しています。
2.5u/2.75uはJLAの対象ですか?
規格クラス(バッジ/レジストリ)は互換性の明確化を優先し 4.5u/4.25u のみを対象としています。短いスペースバーの採用自体は尊重しており、実務上の入手性という観点では 2.75u が選択肢を確保しやすい場面があります(Aliceレイアウト対応キットの2.25u+2.75uコンベックス等)
矢印キー(↑を1段上に逃がすか、横一列にそろえるかなど)もアライアンスの対象になりますか?/ Do arrow keys also fall under the Alliance?
現時点では対象外です。
65% / 75%クラスのキーボードでは、多くのメーカーがANSIレイアウト由来の筐体サイズや外装寸法を維持したまま、日本語配列版の基板や配列だけをローカライズしています。
その結果、方向キー周り(↑キーだけ1段上がるか、横に揃えるか、PgUp/PgDnをどこに置くか等)は、筐体デザイン・ブランドの個性・製品コンセプトに強く依存します。
この領域はスペースバーのように「交換パーツ1つで救える」種類の問題ではなく、ケース設計やキー配置のキャラクターそのものです。
Japan Layout Allianceは今の段階では、ここを縛るのではなく、むしろ各ブランドの独自性として尊重します。
私たちがまず守りたいのは、短い1本バー+専用スタビライザー幅という日本語配列特有のボトム列が、補修不可能にならないことです。
既存のキーボードを買い替える必要がありますか?/ Do I need to replace my existing keyboard?
JLAは「これから設計・販売される製品」に対する推奨事項であり、すでに購入されたキーボードを否定するものではありません。
ただし、将来的に交換パーツが入手しやすいのはJLA準拠製品になるため、次回購入時の参考にしていただければと思います。
JLA準拠のキーキャップはいつ頃市場に出ますか?/ When will JLA-compliant keycaps be available on the market?
現在、複数のブランドと協議中です。
ロープロファイル以外の通常高さ(Cherry MX互換)のキーボードにも適用されますか?/ Does this also apply to standard height (Cherry MX compatible) keyboards, not just low-profile?
はい、適用されます。 JLAは、スイッチの高さや種類に関係なく、「日本語配列のボトム行の物理寸法」を対象としています。
Cherry MX互換スイッチを使用した通常高さのキーボードも、ロープロファイルキーボードも、どちらもJLA-450またはJLA-425に準拠できます。
運営事務局
Japan Layout Alliance 運営事務局:GreenEchoes Studio
代表:河村 亮介
住所:新潟県新潟市中央区神道寺南2-1-5
6. Glossary / 用語集
日本語配列の最下段(Japan Layout bottom row)
日本語配列における一番下の段。スペースバー、無変換、変換、かなキーなどが並ぶ領域。
4.5u / 4.25u
キーボード設計で使われるキー幅の単位「u」(1u=標準的な1キーの幅)をもとにしたスペースバーの長さ表現。4.5uは約4.5キー分、4.25uは約4.25キー分の長さのスペースバーを意味する。日本語配列では歴史的に短いスペースバー(3.75u〜4.5u)が使われることが多い。
スタビライザー(Stabilizer)
スペースバーやShiftなどの長いキーを左右から支えて、がたつきを抑える部品。ワイヤー式、補助足式などメーカーごとに構造が異なる。
スタビライザー支点スパン(Stabilizer span)
スペースバー裏側で左右に配置された支点(スタビライザーの受け、または補助足の接点など)の、中心と中心までの横方向の距離。Japan Layout Allianceは、このスパンを JLA-450 / JLA-425 として明文化し、それ以外をこれ以上増やさないことを目指している。
ロープロファイル(Low profile)
背の低いメカニカルスイッチや、それを前提にしたキーボード全体の設計を指す。代表的なものとしてKailh choc v2やGateron Low Profileシリーズなどがある。一般的なCherry MX規格に対応したキースイッチとは物理仕様が大きく異なり、従来の互換パーツがそのまま使えないことが多い。
最後に
Japan Layout Alliance は、日本語配列のボトム行に関して、各キーボードを製造するブランドとサードパーティキーキャップメーカーが“同じ前提”を共有できるようにするための取り組みです。
それによって、世界の6.25u文化と同じように、日本でも「キーボードを入力デバイス以上の楽しみとして育てる」ことを当たり前にしたいと考えています。
日本語配列が未来に残るように、業界側とユーザー側の両方から支えていきます。
ライセンス / 権利表示
本ページの説明文(テキスト)部分は CC BY 4.0 で提供します。引用時は「Japan Layout Alliance(Greenkeys)」のクレジット表記をお願いします。
ただし、第三者から提供された図面・画像・数値(例:キーキャップ寸法、スタビライザー寸法、PCBリファレンス)は原権利者に帰属し、再配布・二次利用の対象外です(表示のみ)。必要に応じて各図版に個別の権利注記を付与します。
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クレジット例:出典:Japan Layout Alliance(Greenkeys), 「JLA-450/425 概要」, CC BY 4.0
免責事項 / Disclaimer
この文書は、特定メーカーの公式声明や、公的機関による規格・標準ではありません。
JLA(Japan Layout Alliance)は、JIS(日本産業規格)およびJISC(日本産業標準調査会)とは一切関係のない民間の任意団体であり、本ページで示す JLA-450 / JLA-425 は、キーボード互換性向上のための任意ガイドラインです。
これらのガイドラインへの準拠・非準拠によって、製品やブランドの優劣が決まるものではなく、また各ブランドや代理店に対して設計変更や再設計義務、追加コスト負担を求める意図もありません。
