NocFreeは2026年10月16日、左右分割ロープロファイルキーボード「NocFree &」について、初期ロットで寄せられたユーザーフィードバックと、現在進めている改善内容を公式ブログで公開しました。
今回公表された内容では、入力やワイヤレス通信、キーキャップ、キースイッチ、「Tenting, Charge & Stand Kit」など、複数の項目について初期ロットで確認された課題と、第2ロットに向けた改善方針が説明されています。
NocFreeは、毎日快適に使用できるキーボードを目指して開発したものの、一部ユーザーにとってはその状態に至っていないとして謝罪しました。
現在では、ユーザーから寄せられたフィードバックをもとに、ハードウェア・ファームウェアの双方で改善を進めているようです。
Greenkeysでは2026年10月12日にNocFree & 日本語配列モデルの実機レビューを公開しており、今回メーカーが公表した内容のうち、キーキャップの印字や充電ドックの保持性についてはレビュー時にも課題を確認していました。
ブランド側から初期ロットの課題と今後の改善方針を具体的に公表した点は、今後の製品改善を確認するうえでも重要な情報と言えるでしょう。
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第1ロットでの不具合と第2ロットへ向けての修正点
発表された資料での概要は次のとおりです。
第1ロットでの不具合と第2ロットへ向けての修正点
- 入力遅延や入力抜け、左右間通信などを優先して改善
- キーキャップでは印字ミスや組み付け不良を確認
- キースイッチも第2ロットで改良へ
- 充電ドックは第2ロットで「充電機能を削除」する方向
入力遅延や入力抜けや左右間通信などを優先して改善
NocFreeによると、初期ロットでは一部ユーザーから下記の報告があったとしています。
ユーザーからの報告
- キー入力の遅延
- 入力の取りこぼし
- キーを離したあとも文字が繰り返し入力される
- 右側ユニットが反応しなくなる
- Bluetoothのペアリングやスリープ復帰後の再接続に関する問題
同社では、ファームウェアの通信処理やキー状態の処理にいくつかの問題があることを確認し、左右ユニット間通信の信頼性向上、中断後の復帰処理、バックグラウンド処理がタイピングへ影響しないようにするための改善を進めているとのこと。
また、バッテリー残量表示やライティング同期についても改善中としています。
2026年10月16日時点での公式ファームウェアは「2.4.5」です。
NocFree &は、PCとUSB接続している場合でも、右側ユニットと左側ユニットの間はワイヤレスで通信する構造となっています。
そのため、左右間通信の安定性は、製品全体の入力品質を左右する重要なポイントと言えるでしょう。
なお、Greenkeysがレビューした個体では、通常使用において上記のような入力障害は確認していません。
キーキャップでは印字ミスや組み付け不良を確認
キーキャップについても、初期ロットの一部で下記の不具合が確認されました。
キーキャップ不具合
- 印字ミス
- 色ムラ
- キーキャップの取り付け位置のずれ
- キーキャップの向きの間違い
- 表面の清掃不足
同社は、これらについて出荷前に発見されるべき問題だったと説明しています。
Greenkeysでレビューした日本語配列モデルでも、「6」「7」「8」「9」キーの印字ミスを確認していました。
日本語配列の初期ロット購入者については交換用キーキャップの発送対応も行われており、第2ロットでは修正される予定です。
第2ロットでは独自金型を開発し、キーキャップの形状や表面テクスチャ、裏面構造、印刷工程を見直す方針です。
さらに、キーキャップの配置・向き・レイアウト・清掃状態についても検査を強化するとしています。
キースイッチも第2ロットで改良へ
キースイッチについては、一部ユーザーから下記の報告が寄せられました。
キースイッチに関しての報告
- キーが引っかかる
- 戻りが遅い
- 異音がする
- キー入力が認識されない
NocFreeは第2ロットに向けて、キーキャップだけでなくキースイッチについても改良する方針を示しました。
初期ロットでは、軽い打鍵感と短いキーストロークを実現することを目的として、CHERRY MX LOW PROFILE系のロープロファイルスイッチを採用。
現在はスイッチ本体だけでなく、潤滑やスタビライザーなども個別に検証し、それぞれの原因を調査しているとのことです。
改訂後の仕様やテスト結果については、今後あらためて公開するとしています。
なお、Greenkeysがレビューした個体では、キーが戻らない、入力を認識しないといった不具合は確認しておらず、タイピングフィールについては快適に利用できるものと評価しています。
Greenkeys編集部としては「スイッチ規格そのもの」の再検討にも期待
Greenkeys編集部としては、第2ロットでスイッチを改良するのであれば、現行スイッチの品質改善だけでなく、採用するスイッチ規格そのものを再検討する余地もあると考えています。
NocFree &が現在採用しているスイッチは、「CHERRY MX LOW PROFILE」系と互換性を持つ独自ロープロファイルスイッチです。
CHERRY MX LOW PROFILEやTTC Miniとの互換性を持つ一方、日本国内で比較的入手しやすいロープロファイルメカニカルキースイッチとの互換性がありません。
日本国内で比較的入手しやすいロープロファイルメカニカルキースイッチ
- Kailh Choc v1
- Kailh Choc v2
- Gateron Low Profile 2.0
- Gateron Low Profile 3.0
- Keychron Low Profile系(Orca echoで採用)
特に日本国内では、Kailh Choc v2規格などと比較するとCHERRY MX LOW PROFILE系の交換用スイッチの流通量は少なく、ホットスワップ対応というNocFree &の特徴を十分に生かしにくい状況です。
もちろん、スイッチ規格を変更する場合にはPCBやプレート、キーキャップを含めた設計への影響も考慮する必要があります。
それでも、第2ロットでスイッチ周辺を改めて設計するのであれば、品質だけでなく、交換用スイッチの入手性や将来的なカスタマイズ性まで含めて規格選定を再検討することには意味があるでしょう。
NocFree &はホットスワップに対応する製品だからこそ、交換用スイッチの選択肢は製品寿命やメンテナンス性にも関係するポイントです。
充電ドックは第2ロットで「充電機能を削除」する方向
今回発表された変更の中でも、特に大きいのが「Tenting, Charge & Stand Kit」です。
初期ロットでは、下記の問題が確認されています。
充電ドックの問題点
- シリコンパーツが緩む
- キーボードの保持が安定しない
- 充電接点が安定しない
Greenkeysの実機レビューでも、キーボードを垂直に立てた際の保持が安定しにくいことや、底面のゴム部分に浮きが見られることを確認していました。
第2ロットでは、シリコン部分の面積を増やすほか、位置決め用の突起やクリップを追加することで固定性を高める予定です。
さらに大きな変更となるのが、充電機能です。
NocFreeが公開した第2ロット向けデザインでは、現時点で充電機能そのものが削除されています。
現在の計画では、角度調整、マグネット式アタッチメント、収納機能は維持しつつ、ベース部分から充電機能を取り除く方針です。
最終仕様や既存ユーザーへの対応については、仕様確定後にあらためて案内するとしています。
Greenkeysでは、充電・スタンド・テンティングを一体化するというコンセプトそのものについては、現在も非常にユニークなアイデアだと考えています。
一方で、実機レビューでは垂直保持の難しさやゴム部分の浮きを確認しており、今回NocFree自身も同様の課題を認識していることが明らかになりました。
初期ロットについては、コンセプトを安定して実現するための完成度に課題があったと編集部では捉えています。
初期ロットユーザーへのサポートは継続
NocFreeは、初期ロット購入者へのサポートも継続します。
問題が発生している場合は、注文番号、症状の詳細、写真または動画を添えて問い合わせるよう案内。
必要に応じてマンツーマンのビデオ通話によるトラブルシューティングにも対応するほか、米国と韓国には修理サービス拠点を設けている、としています。
今後は、初期ロットから得られたフィードバックをもとにした第2ロットの設計変更やテスト状況についても、あらためて公開する予定です。
まとめ
以上、NocFree &についての初期ロット不具合報告についてお伝えしてきました。
NocFree &は、日本語配列、ロープロファイル、75%レイアウト、左右分割、左右間ワイヤレスという、日本市場でも非常に珍しい構成を持つキーボードです。
Greenkeysの実機レビューでも、「普段の日本語配列に近い入力感覚を保ちながら左右分割キーボードを取り入れられる」点を大きな魅力として評価しました。
一方、今回の発表によって、初期ロットには入力・ワイヤレス通信、キーキャップ、キースイッチ、充電ドックなど複数の課題が存在していたことが、メーカー自身から明らかになりました。
NocFreeが具体的な問題点を公開し、ファームウェア修正だけでなく、キーキャップの金型変更やアクセサリーの構造変更など、ハードウェアレベルで第2ロットを見直そうとしている点については、今後の改善につながる動きとして注目したいところです。
Greenkeysとしては、さらに一歩踏み込み、キースイッチについても現行仕様の品質改善だけではなく、交換用スイッチの流通性や将来的なカスタマイズ性を含めた「規格そのもの」の再検討にも期待したいと考えています。
NocFree &は、少なくとも日本市場では非常にニーズの高い構成を持った製品です。
だからこそ、第2ロットではコンセプトの面白さだけではなく、日常的な入力デバイスとして安心して使える完成度まで引き上げられるかに注目したいですね。
Greenkeysでは、今後公開される第2ロットの設計変更についても継続してお伝えします。
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- 最終更新日:
- 取材方法:メーカー公式ブログ参照
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