2026年10月22日、PFUはHHKB生誕30周年を記念した特別モデル「HHKB Professional Elite」を発表しました。
アルミ削り出し筐体に、静電容量無接点方式の静音キー構造「Type-S」を組み合わせた製品となっており、価格は330,000円(税込)。
全世界300台限定の受注生産で、日本国内では250台を販売します。
同日から10月28日23時59分まで、先行購入権の抽選申し込みを受け付けます。
当選者の購入期間は12月1日~6日、一般販売は12月7日11時から。
先行販売分の出荷は2027年3月頃から順次開始する予定です。
Greenkeysでは、公式ティザーの公開時から本製品を取り上げてきました。
今回、その正式名称と仕様、販売条件が明らかになりました。本稿では、公式資料に加え、10月21日のメディア向け説明会で確認したマウント構造や角度調整、開発背景も紹介します。
Greenkeys独自取材:マウント構造や開発素材の選定理由も明らかに
Greenkeysでは、10月21日に実施されたPFUのメディア向け説明会を取材しました。
公式発表では詳しく触れられていないSPCC製プレートによるトップマウント構造や、チタン・マグネシウム・カーボンといった素材の検討過程、製品の価格設定に込められた考え方についても紹介しています。
単なる製品仕様の紹介にとどまらず、HHKB Professional Eliteがどのような設計思想のもとに開発されたのかを解説します。
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HHKB Professional Eliteの概要


Professional Eliteは、英語配列とUSB有線接続を採用した、HHKB Professionalシリーズの特別モデルです。
カラーは墨・白・雪の3種類。
それぞれに刻印ありと無刻印を用意し、計6モデルを展開します。






| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | HHKB Professional Elite |
| 価格 | 330,000円(税込) |
| 販売台数 | 全世界300台限定(国内250台/中国50台) |
| 生産方式 | 受注生産 |
| 配列 | 英語配列 |
| カラー・刻印 | 墨/白/雪、各色に刻印あり・無刻印を用意 |
| 筐体 | アルミ削り出し、ブラスト加工+アルマイト染色 |
| キースイッチ | 静電容量無接点方式・Type-S |
| マウント構造 | SPCC製プレートを用いたトップマウント |
| 押下圧/ストローク | 45g/3.8mm |
| 接続 | USB Type-C有線接続 |
| カスタマイズ | DIPスイッチ/キーマップ変更機能 |
| サイズ | 294×110×40mm(キートップ上面まで) |
| 重量 | 970g(ケーブルを除く) |
| チルト調整 | 6度/8度/10度/12度(レッグパーツの組み替え) |
| 国内販売先 | PFUダイレクト本店 |
「Elite」は、初代HHKB Professionalの開発コードネームに由来します。
PFUは本製品を、30年にわたり培ってきた思想や技術を結集し、素材、構造、打鍵感、所有する喜びまで追求したモデルと位置づけています。
2006年の「HHKB Professional HG」を礎にした30周年モデル
HHKBは1996年に誕生し、2026年12月20日に生誕30周年を迎えます。
今回のProfessional Eliteは、2006年の10周年記念モデル「HHKB Professional HG」を礎に開発されました。

当時のHGもアルミ削り出しフレームを採用した特別モデルで、通常のHGは250,000円(税抜)、輪島塗キートップを組み合わせたHG JAPANは500,000円(税抜)と案内されていました。
Eliteは、その記念モデルの系譜を引き継ぎながら、現在のType-S構造やキーマップ変更機能を組み合わせた製品。
Bluetoothやポインティング機能を追加する方向ではなく、英語配列と有線接続に絞り、素材や構造にこだわった構成となっています。
素材の候補を比較し、アルミ削り出し筐体を採用
Professional Eliteの大きな特徴は、一塊のアルミニウムから削り出した筐体です。

表面にはブラスト加工を施し、アルマイト染色によって仕上げています。
説明会では、最高峰のHHKBを目指すにあたり、チタンやマグネシウム、カーボンといった素材も検討したことが明かされました。キートップへのカーボン採用については、粉塵が基板へ移るリスクも考慮したといいます。
最終的には、質量、加工のしやすさ、剛性感、費用のバランスからアルミニウムを選択。
アルマイトの色合いについても、チタン系やシャンパン系の色彩を意識したと説明しています。
先のティザーではヘアラインのようにも見えましたが、公式資料で案内されているのはブラスト加工による表面処理です。
重量はケーブルを除いて970g。
同じ外形寸法のProfessional Classic Type-S英語配列モデルは530gのため、Eliteは440g重くなっています。
静音仕様のType-Sにマウント構造を新設計

キースイッチには、Professionalシリーズでおなじみの静電容量無接点方式と、静音性を高めたType-S構造を採用します。
押下圧は45g、ストロークは3.8mm。
これらの基本値はProfessional Classic Type-Sと共通です。
一方、EliteではSPCC(冷間圧延鋼板)製のプレートを用いたトップマウント構造を採用しています。メディア向け説明会で、具体的な構造が明らかになりました。
金属プレートにハウジングとプランジャーを組み付け、そのプレートを上カバーへ固定する構成です。PFUは、ラバードームの底打ち感を強調し、明確で一貫した入力のフィードバックを目指したと説明しています。
スイッチの基本仕様を引き継ぎながら、筐体と支持構造を見直して打鍵感を追求した点が、Eliteの特徴といえるでしょう。
Kawamura従来のProfessionalシリーズは、樹脂製トップケースとスイッチプレートが一体となった構造(インテグレーテッドマウント)です。Eliteでは金属プレートを上カバーへ固定する方式(トップマウント)へ変更されています。実際にどのような打鍵感・打鍵音になるのか、確認したいですね。
4段階の角度調整に対応する組み替え式レッグ

チルト調整用の脚も専用設計です。
筐体そのもののタイピングアングルは6度。
2種類のレッグパーツと取り付け方向を組み合わせ、6度・8度・10度・12度の4段階から選べます。
出荷時は6度で、短いレッグパーツの向きを変えると8度。
長いレッグパーツでは10度、向きを変えると12度となります。
説明会で示された0度・2度・4度・6度は、ベースの6度に対して加わる角度です。

取り付けには付属の六角レンチを使用します。
底面左右には空間を設け、見た目の軽やかさと、手に取る際の持ちやすさにも配慮しています。
底面のリミテッド番号と、同じ番号のオーナーズカード
製品ロゴ「HHKB Professional Elite」は底面のみに配置。一台ごとに異なるリミテッド番号も、「1/300」のような形式でレーザー刻印します。
DIPスイッチと製造銘板は底面のカバー内に収め、外観を整えています。


パッケージにもこだわり、本体と同じリミテッド番号を印字したオーナーズカードが付属します。
HHKBファンにとって、所有する喜びにつながる仕様ですね。
ソフトウェアの基本機能は通常のProfessionalシリーズと共通ですが、キーマップ変更ツールにはEliteのフォルムを表示する特別なデザインを用意しています。
デザインはクリエイティブユニット「TENT」と協創

デザインには、クリエイティブユニット「TENT」が参加しています。
TENTは、象印「STAN.」や「DRAW A LINE」などを手がけてきたユニットです。


PFUとTENTは、iPhoneを活用したスキャナ「SnapLite」でも協業してきました。説明会では、初代HHKB Professional BTのトップカバーの角を柔らかく整えるデザインにも、TENTが関わっていたことが紹介されました。
今回のEliteでは、アルミ削り出しの素材感を生かし、使用時の心地よさと、使わないときにもそばに置きたくなる存在感の両立を目指したとしています。

Kawamura使わない時もそばに置きたくなるような存在感という部分では、昨今のデスクセットアップ風潮において重要視される「審美性」という観点も兼ね備えていますね。
販売台数と購入条件について
日本国内の販売枠は250台で、PFUダイレクト本店が取り扱います。
残る50台は中国向けです。
当初は国内のみの販売も検討していましたが、中国からの越境購入が多いことから、正規代理店を通じて販売することにしたと説明しています。
欧米向けの規制対応には時間を要するため、30周年に合わせ、ユーザーの多い日本を優先した展開となります。
国内では、抽選による先行販売に200台、先着順の一般販売に50台を用意します。
Kawamura販売枠の内訳は、メディア向け説明会で確認しました。
PFUは、HHKB Studio販売時の混雑や転売への対策も踏まえ、今回の販売方法を検討したと説明しています。
| 項目 | 日程・条件 |
|---|---|
| 先行購入権の抽選申し込み | 2026年10月22日~10月28日23時59分 |
| 当選者発表 | 2026年11月5日以降を予定 |
| 当選者の購入期間 | 2026年12月1日~12月6日 |
| 一般販売 | 2026年12月7日11時から、先着順 |
| 先行販売分のお届け | 2027年3月頃から順次出荷予定 |
| 一般販売分のお届け | 注文後、約4~5カ月を予定 |
| 注文受付終了 | 予定販売台数に達した時点、または2027年6月30日のいずれか早い時点 |
10月22日から受け付けるのは、一般販売に先行して購入できる権利の抽選です。
申し込み時点で注文が確定するものではありません。
抽選には、1人につき1メールアドレス・1台まで申し込めます。
また、受注生産のため、注文後のキャンセルや、納品後の購入者都合による返品は受け付けないとしています。
申し込みと購入、出荷の時期がそれぞれ異なる点も確認しておきましょう。
12月1日のユーザーミートアップで実機展示予定
PFUは、2026年12月1日(火)に「HHKBユーザーミートアップ Vol.10」を開催することも発表しました。

会場ではProfessional Eliteの実機を展示する予定です。
- 日時:2026年12月1日18時30分~21時(開場17時30分)
- 会場:コクヨ株式会社 THE CAMPUS HALL「CORE」
- 所在地:東京都港区港南1丁目8番35号 NORTH BUILDING 2F
- 定員:先着100名
- イベントサイト公開予定:2026年10月29日
昨年のVol.9は11月開催でしたが、今年は30周年の記念月となる12月の開催です。
実機の重量感や表面の質感、新設計の構造による打鍵感を確認したい方にとって、気になる機会となりそうです。
33万円の価格設定と、「足すより引く」という考え方
330,000円(税込)という価格設定について、PFUは、節約志向がある一方で、良いものにはお金をかけるという消費行動の二極化にも触れました。
利益の確保を優先するよりも、品質をしっかりと追求した製品を届けたいという考えから、この価格にしたと説明しています。
製品の方向性として挙げられたのは、「足すより引く」という考え方です。
電池や充電式バッテリーを搭載せず、USB Type-Cによる有線接続のみとし、打鍵感を研ぎ澄ませることを主軸にしています。
機能を増やすよりも、HHKBの原点に近い形で、素材や構造、使うときの感触に向き合ったモデルといえそうです。
まとめ
以上、HHKB Professional Eliteについてお伝えしてきました。
アルミ削り出し筐体と新設計のマウント構造を採用、英語配列・有線接続という構成からも、HHKBの配列や思想に親しんできた既存ユーザーへ向けた、プレミアムモデルという位置づけが見えてきます。
HHKB Professional Eliteは、素材、造形、手に取ったときの感触、そして長く所有する喜びに価値を置く一台といえるでしょう。
また、キーボードを使わない時の見え方について公式が言及している点は、昨今のキーボードに求められている「趣味としての楽しみ」を強く意識したものと評価しています。
とくに注目したいのは、SPCC製プレートを用いたトップマウント構造への変更です。
スイッチの基本仕様が共通でも、筐体や支持構造の違いによって、指先へ伝わる感触は変わりそうです。
打鍵感や打鍵音が従来モデルからどう変わるかは、HHKB ミートアップで展示される実機で確認したいところです。
先行購入権の抽選申し込みは10月28日23時59分まで。
購入を検討する方は、販売条件とお届け時期を確認しておきましょう。
- 初回公開日:
- 最終更新日:
- 取材方法:メーカー提供資料、2026年10月21日のメディア向け説明会
- 参照・引用元:
- PFU提供プレスリリース「限定300台のアルミ削り出し筐体『HHKB Professional Elite』誕生」(2026年10月22日付)
- PFU提供製品説明資料「HHKB Professional Elite」
- PFU主催メディア向け説明会(2026年10月21日、Greenkeys取材)
- Greenkeys:HHKB新製品ティザーの第一報
- 利益相反:商品提供:なし 本稿収益化リンク:なし
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