自作キーボードを作成していると、「ケースはご自身でプリントしてください」といって、3Dデータのみを提供されることが多くなってきました。
一般的に3DPプリンタはまだ普及しておらず、価格も高価でメンテナンスも必要という側面もあり、個人で導入するのはやはりハードルが高いのは事実でしょう。
そんな時に便利なのが「3Dプリントサービス」です。
日本国内ではDMM.makeが有名ですが、若干値段が高いのがネック。
価格面では基板注文で有名なJLCPCB系列の「JLC3DP」というサービスが安価で、自作キーボード界隈で利用している方もきっと多いことでしょう。
この記事では、JCL3DPで実際に注文できるプリント素材の種類と材質によってどれくらいの誤差が生じるのかについて紹介していきます。
是非注文の参考にしてください。
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サンプルのためにプリントしたもの
今回プリントしたのは、キースイッチブロッカーというパーツです。
これは、Cherry MX規格に準じたスイッチをはめるタイプのメカニカルキーボードの「穴」を埋めて外観をよくするために利用します。
今回はこのデータを利用して、12種類の素材でプリントしてもらいました。
JLC3DPで注文したプリント素材の種類
今回プリントした素材は下記の通りです。
Stereolithography (光造形) SLA | 8001 | 透明 半透明 | 強靭 寸法安定◎ |
---|---|---|---|
Ledo 6060 | 白 | 寸法安定◎ 耐熱性◎ | |
9000R | 白 | 黄変耐性◎ 寸法安定◎ 低収縮 | |
CBY | オフホワイト | 表面が滑らか 寸法安定◎ 耐熱性◎ | |
8228 | クリームイエロー | 表面が滑らか 寸法安定◎ 低収縮 黄変耐性◎ 靱性◎ | |
Black Resin | グレーブラック | 表面が滑らか 寸法安定◎ 低収縮 黄変耐性◎ 靱性◎ | |
8111X | 白 | 表面が滑らか 寸法安定◎ 低収縮 黄変耐性◎ 耐熱◎ | |
Imagine Black | 黒 | 表面が滑らか 寸法安定◎ 湿度耐性◎ |
Multi Jet Fusion MJF | PA12 HP Nylon | 黒 | 耐久性◎ 耐薬性◎ |
---|---|---|---|
PA12 HP Nylon | グレー |
Selective Laser Sintering SLS | 3201 PA-F Nylon | 黒 | 靱性◎ シボ質感 印刷制度◎ |
---|---|---|---|
Precimid 1172 Pro Nylon | 白 | 靱性◎ 粒子状の質感 印刷制度◎ |
色・材質ごとの比較
まずは樹脂黒系の色味から見ていきましょう。
このように、ブラックレジンは黒は黒でも、グレイッシュな色相となっており、イマジンブラックよりも灰色に近いです。
一方、イマジンブラックに関しては本当に黒という感じですね。
だだし、「漆黒」ではなく、あくまでも「黒」という印象です。
下記は「漆黒」の背景上にイマジンブラックのケースを装着したキーボードの対比画像ですので参考にしてください。
続いて、ナイロン黒系の比較です。
このように、PA12HPナイロン(ブラック)が最も黒く、3201ナイロンは若干グレー味を帯びていることがわかるでしょう。
PA12HPグレーは、比較的白に近い色相となっています。
唯一の透明素材である8001Resinは、「オイルスプレー」オプションを選択しない状態で注文しました。
このように気泡が残りやすく、表面の仕上げはかなり荒く凹凸があります。
付属している紙やすりで磨くと表面は簡単に平坦となりますが、もやがかったような曇っている質感となってしまうため、透明を求める方はオイルスプレーオプションを選択した方が良いでしょう。
ただし、オイルスプレーオプションを選択しても気泡問題は解決しませんのでご注意ください。
続いて樹脂白系を比較していきます。
白系は種類が多く、白の色相も大きく異なります。
「白って200種類あんねん」というのはみなさんもきっとご存知でしょう。
樹脂系の白で最も黄色に近いのは「8228Resin」です。
そこからオフホワイトの「CBYResin」→「LEDO6060Resin」→「8111XResin」→「9000RResin」という順で白に近づく形となっています。
「真っ白」が良ければ9000R Resinが良いでしょう。
ただし、ナイロン素材でもよければ、「1172 Pro-Nylon」の方がより真っ白に近いです。
寸法安定性・収縮率についての私見
一番知りたかったのが、どれだけ正確に寸法を再現してくれるのかということです。
経験値として、素材によって「膨らみやすさ」が異なると考えていたのですが、明確な目安数値がないのが現状です。
よって、今回はキースイッチブロッカーのプレートに嵌め込む四辺の寸法(14.1mm✖️14.1mm)と比較して、実際の印刷物はどれくらいの誤差があるのか検証しました。
結果が下記になります。
PA12 HP Nylon(Black) | 14.1mm | ±0.0mm |
---|---|---|
8001/PA12 HP Nylon(Gray)/3201PAF Nylon | 14.0mm | -0.1mm |
BlackResin/Imagine Black/8111X/9000R/1172 Pro Nylon | 13.9mm | -0.2mm |
LEDO6006/CBY/8228 | 13.8mm | -0.3mm |
私の予想に反して、膨らんでいるものは一つもなく、むしろ小さくなっていたものが大半でした。
MX互換スイッチのスイッチプレートの穴一辺は約14mmとなっており、今回のように小さくなる分にはすべて穴に入ると思いきや…結構入りませんでした。
押し込んだ時にどれだけ変形するか(≒硬さ)や滑り具合によっても変化しそうですね。
こういった3Dプリントを行った時に生じるネジ穴のズレに関しては、膨張したからズレたわけではなく、収縮したからズレたと考えるのが正しいのかもしれません。
まとめ
- 黒色の濃さ|ImagineBlack > 3201PAF Nylon > PA12HP Nylon(BK) >Black Resin >PA12HP Nylon(GR)
- 純白への近さ|1172Pro Nylon >9000R>8111X>LEDO6060>CBY>8228
- 最も優れている|PA12 HP Nylon(Black)
- やや優れている|8001/PA12 HP Nylon(Gray)/3201PAF Nylon
- 普通|BlackResin/Imagine Black/8111X/9000R/1172 Pro Nylon
- やや収縮が大きい|LEDO6006/CBY/8228
私の実験ではこのような結果となりましたが、印刷する形状によってはこの限りではない可能性があります。
あくまでも参考程度に留めておいてください。
注文は下記からどうぞ。
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