2026年に大きな話題となったKeychron Orca echo。
そして、そのプロジェクト終了直後に発表された、遊舎工房×Keychron「Valkey Orb」。
どちらも、下記の「共通項」を持っています。
2つのキーボードに共通する部分
- 左右分割
- カラムスタッガード
- 数字行を省略した40%クラス
- 右手親指側にトラックボールを配置
公開画像だけを見ると、「かなり似ている」と感じる方もいるかもしれません。
実際、基本的なレイアウト思想はかなり近いものがあります。
そこでGreenkeysでは、公開されている試作機画像を参考に、両モデルをKeyboard Layout Editor(KLE)上で簡易的に再現し、構造上の違いを比較しました。
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結論|骨格はかなり近いが設計思想には明確な差がある
見た目だけで言うと、Orca echoとValkey Orbはかなり近い骨格を持っています。
どちらも、中指キーの列を最も高い位置に置き、そこから左右へ向かって列を下げていくカラムスタッガード構成。
さらに、右手側の内側下部に親指操作用トラックボールを配置しています。
よって、「カラムスタッガード+右親指トラックボール」
という根本的な入力思想は共通しています。
一方で、詳しく見ると以下のような違いがあります。
| 比較項目 | Orca echo | Valkey Orb |
|---|---|---|
| レイアウト | カラムスタッガード | カラムスタッガード |
| キー数クラス | 40%クラス | 40%クラス |
| 数字行 | なし | なし |
| 横方向の列数 | 片側6列 | 片側7列 |
| スタッガード量 | 0.25u | 0.125u |
| 小指側2列 | 段差なし | 段差あり |
| サムクラスタ | 本体と連続的 | 本体から分離 |
| トラックボール | 19mm | 25mm |
| スイッチ | ロープロ対応 (Cherry MX対応予定) | Cherry MX互換のみ (現時点ではロープロ発表なし) |
| 筐体思想 | コンパクト・携帯性 | アルミ・据え置き |
このあたりをピックアップして、違いを見ていきましょう。
1.ずれている幅が異なる
同じカラムスタッガードレイアウトでも、二つのキーボードでは「縦にずれている幅」が異なります。


Orca echoは中指を頂点に左右に下り、下がり幅はそれぞれとなりあう列を基準として0.25uずつ下がっています。
一方、Valkey Orbは目測で約0.125u程度の下がり幅にとどまり、かなり緩やかです。
縦横比の関係上、見た目上はOrca echoが縦長、Valkey Orbは横長に見えますね。
Valkey Orbはずれ量が小さいため、一般的なカラムスタッガードと比べると、見た目としてはオーソリニアに近い整然とした印象を受けます。
2.小指側2列の処理
もうひとつ特徴的なのが、小指側の処理です。
Orca echoでは、外側2列の縦位置が揃っているのに対して、Valkey Orbでは、小指側2列にも明確な段差があります。
そのためValkey Orbは、中央から外側まで連続的に高さが変化する、より均一なカラムスタッガードに見えます。
この部分は、実際に触った際の小指の自然さにも影響しそうですね。
特に小指で修飾キーを押す際の指の運動方向は「真横」ではなく、「少し下がる」という変化がありそうです。
3.Valkey Orbは片手7列
Valkey Orbは、公開画像を見る限り左右それぞれ7列相当の構成です。

数字行はなく、依然として40%クラスのレイアウトですが、Orca echoよりも横方向の物理キー数が多くなっています。
特に興味深いのが中央寄りの領域です。
Orca echoではタッチ系機能や補助機能に使われている中央寄りのスペースに対して、Valkey Orbでは物理キー列を追加するような構成となっています。
ホームポジションで構えた際の「実際に常用するキー数」に関してはおそらくは変わりません。
一方で、中央部分の3キーについては、Orca echoと比較すると増えているため、マウスクリックやショートカットキーとして登録して使うことができそうです。
4.サムクラスタはかなり異なる
見た目以上に大きな違いがあるのがサムクラスタです。


Orca echoでは、親指キーがアルファキー部分と比較的連続した位置に配置され、トラックボールやエンコーダーを含めて中央付近に高密度で機能が集約されています。
一方、Valkey Orbでは、サムクラスタがメインキー部分から下方向へ明確に分離しており、複数の親指キーがそれぞれ角度を持つ、扇状の構成となっています。
サイズを考慮するのであればOrca echoの置き方の方がコンパクトに仕上がります。
よって、この部分やアルミ筐体という部分も含めると、やはりValkey Orbの設計思想は「据え置き」の可能性が高いと見ています。
5.19mmと25mmのトラックボール
Orca echoでは19mmトラックボールを採用。
Valkey Orbでは25mmトラックボールが採用予定です。
公式発表では、Valkey Orbのトラックボールは「右手親指をホームポジションから開いて操作する位置」とされています。
配置思想自体はOrca echoにかなり近いものの、6mmのボール径差は操作感に大きく影響する可能性があります。
一般的に、ボールが大きくなるほど一度の操作で移動できる範囲を確保しやすくなる一方、ケースサイズや親指の移動量も大きくなります。
6.製品としての仕立て方
レイアウト以外にも、両者のキャラクターはかなり異なります。
Orca echoは、ロープロファイル構成や携帯性、複数の入力機能をコンパクトにまとめることを重視した製品です。
一方Valkey Orbは、アルミボディ、25mmトラックボール、Cherry MX互換ホットスワップを採用予定。
遊舎工房の自作キーボード文化を背景に、スイッチ交換や据え置き利用を意識した構成となっています。
つまり、Orca echoが「多機能を小さくまとめて可搬性を重視する」だったのに対し、Valkey Orbは「カスタムキーボードとして完成度を高めた据え置き構成」という違いが見えてきます。
Valkey Orbのマウント方法に関して、ガスケットマウントやトップマウント、Oリングマウントといった選択肢が出てくる可能性もあるでしょう。
まだ空いている「ロウスタッガード+トラックボール」
興味深いのは、Orca echoとValkey Orbの両方がカラムスタッガードを採用していることです。
2026年にKeychronが関わるトラックボール付き分割キーボードが相次いで登場しましたが、現時点ではいずれも自作キーボード文化に近いカラムスタッガードを基本としています。
一方、一般的なメカニカルキーボードで広く採用されているロウスタッガード配列を維持したまま、分割構造とトラックボールを組み合わせた完成品は、依然として非常に少ない状況です。
今後、分割トラックボールキーボードがより一般的なユーザー層へ広がるとすれば、「入力体験は新しく、配列は慣れたまま」という方向性がどのように展開されるのかにも注目したいところです。
まとめ
以上、Orca echoとValkey Orbのルックスから見る二つの違いについて説明してきました。
見る人が見れば「かなり違う」と見て取れますが、それはおそらくは自作キーボードやカスタムキーボード沼にどっぷり浸かっている視点からに限定されます。
Valkey OrbがOrca echo同様の成功を収めるには、まずは「何がどのように違うのか」を明確にする必要がありそうです。
Greenkeysでは、9月18日のTGS2026のKeychronブースで実機を確認する予定です。
続報をお楽しみに。
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