2024年11月4日に開催された「天下一キーボードわいわい会Vol.7」。
前回開催時と比較すると、スポンサー出展数が約3倍になるという盛況ぶりでした。
その中でも筆者が注目したのは「FCLコンポーネント株式会社」です。
「復活のL」とスローガンの元、2021年に販売を終了したメンブレン式キーボード「リベルタッチ(Libertouch)」の後継モデルの模索の様子をレポートしましょう。
復活の…と聞くと、私世代で真っ先に思い浮かぶのはきっと、「フリーザ様」でしょう。
FCLコンポーネント株式会社のLibertouchとは
リベルタッチとは、富士通コンポーネント株式会社が2007年から2021年まで発売していたキーボードです。
同社は2024年2月1日に
同社の独立性を高めるとともに、グローバル市場に向けた最先端かつ顧客中心の技術開発への一層の注力を反映
するという目的のもと、「FCLコンポーネント株式会社」へと社名変更を行いました。
今回の出展では、「復活のL」をテーマに、試作品のフィードバックを得るべく、出展されたとのことでした。
リベルタッチの大きな特徴は、メンブレン式の入力方式を採用しつつもキーストロークが深め(約3.8mm)、全キーに個別ラバーとスプリングを搭載した独自機構を採用しているという点です。
また、入力判定の閾値(アクチュエーションポイント)が比較的浅めに設定されていることから、キーを押し切らなくても入力できるという特徴も併せ持っています。
キーボード界隈の認識としては、「メンブレン式」と聞くと、「ストロークが浅くて押下した時のゴム感が強い安物のキーボード」というイメージを持つ方もきっと多いことでしょう。
実は私もその1人です。
しかし、リベルタッチの打鍵感は、一般的にイメージされている「それ」とは一線を画するものとなっています。
一般的なメンブレン式キーボードは、メンブレンシートの上に一体型のラバーカップが乗った状態のものがほとんどで、そのラバーカップがメンブレン特有の「ゴムっぽい・ぐにゃっとする」打鍵感を作り出してしまっている様子。
一方、リベルタッチは、独立したラバーカップとコイルバネを使用した構造となっており、この二つの組み合わせにより「プレミアムな」打鍵感を実現していると推察されます。
構造としては、メカニカルキースイッチよりも、東プレやPFUなどで採用されている「静電容量無接点方式」に非常に近く、ほどよくタクタイル感(押し込む途中にやや抵抗があり、一定ポイントを過ぎるとスコっと抜ける感じ)がある打鍵感は病みつきになりそうです。
参考出展されたリベルタッチの後継機はホットスワップ式に
従来のリベルタッチといえば、テンキーがついたいわゆる「フルサイズ」のイメージが強いですが、今回は参考出展として、テンキーレスモデルや60%レイアウトモデルも展示されていました。
今回注目すべきは、キースイッチが「ホットスワップ方式」となっていた点です。
押下圧の異なるラバーを持ったキースイッチに変更することで、メカニカルキーボードと同じように「打鍵感の違い」を好みに応じてカスタマイズすることが可能です。
加えて、キー上面のスイッチを受ける部分に関してはCherry MX互換の十字ステムとなっており、一般的に普及している交換用キーキャップがそのまま利用できるという点も非常に好印象でした。
同社ゼネラルマネージャーの西野氏曰く、現時点ではあくまでも参考出展となり「お客様の声を元にどういった製品にしていくか模索していきたい」と話されていました。
ブースには異なる押下圧を持ったキースイッチが並べられており、好みの荷重圧のキースイッチにチェックを入れる「人気投票」を開催するなど、ユーザーフィードバックを積極的に取り入れようとする姿勢が垣間見れました。
やはり、製品化するには見込みユーザーの「声」が必要です!
下記にアンケートを用意したのでぜひFCLコンポーネントさんへの声を届けましょう!
まとめ
以上、FCLコンポーネント株式会社が「復活」を目指す「リベルタッチ」についてお伝えしてきました。
メカニカルキーボードファンからすると、「メンブレン方式」と聞くとあの「グニャっとした感じ」をイメージするかもしれませんが、リベルタッチの打鍵感は「素晴らしい」の一言に尽きます。
HHKBやRealforceの打鍵感が好きな方であれば、ハマる方もきっと多いことでしょう。
Greenkeysとしても「復活のL」を応援していきたいと思います。
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