夢のコラボが実現するとしたら、あなたはどのブランドとのコラボがいいですか?
2026年9月11日、NuPhyは企業やブランドを対象としたカスタムキーボードサービス「Custom Keyboard Projects」を開始しました。
制作事例として紹介されたのは、アプリケーションランチャーを展開するRaycastとのコラボレーションモデル。

SNS上で瞬く間に話題となり、販売開始5時間で売り切れるなど、大きな話題を呼びました。
その直後にNuPhyが法人向けサービスを発表したことから、Raycastとのコラボレーションは、結果として今後のBtoB展開を示すモデルケースになったと考えられます。
個人的には、こうしたコラボレーションの取り組みは、これまでキーボードに興味を持たなかった人を振り向かせる施策として、かなり有効だと感じています。
今回のコラムではNuPhy×Raycastの事例から、ブランドとキーボードメーカーが協業することで生まれる可能性について考えてみます。
Recommend
NuPhyが企業向けのカスタムキーボード事業を開始
NuPhyが公開した「Custom Keyboard Projects」は、企業やブランド、チーム、コミュニティなどを対象としたカスタムキーボードサービスです。
公式案内では、次のような要素をカスタマイズできるとされています。
| 対象 | カスタマイズ例 |
|---|---|
| キーキャップ | 配色やロゴキー |
| ロゴ | 企業・ブランドのロゴ |
| ネームプレート | ブランド名を入れた専用プレート |
| パッケージ | オリジナルパッケージ |
制作事例として掲載されているのが、「NuPhy Air75 V3 Raycast Edition」です。

Air75 V3をベースにRaycastを象徴する配色を取り入れ、専用のHyperキーを含む14個のカスタムキーキャップを採用しています。
単にロゴを加えたキーボードではなく、Raycastの機能やワークフローまでハードウェア上に表現したコラボレーションといえます。
コラボレーションがキーボード市場の入口になる
コラムの本題はここです。
今回の取り組みで興味深いのは、NuPhyが従来のキーボードユーザーだけを販売対象としていない点です。
キーボードに詳しくなくても、Raycastを日常的に利用している人であれば、Raycast Editionに興味を持つかもしれません。
つまり、コラボレーション相手のファンや利用者が、キーボードを知る新しい入口になります。
これは、キーボードメーカーにとって従来の対象層を越えて製品を届けられる仕組みといえます。
一方、協業する企業にとっても、キーボードはブランドを表現する道具になり得る。
Tシャツやマグカップなどの一般的なグッズとは異なり、キーボードは仕事や趣味のなかで日常的に使用されるため、コラボしたブランドの認知だけでなく、キーボードブランド側の認知も高まりやすいのではないでしょうか。
国内でも異業種とのコラボレーションが広がる
日本国内では、30周年を記念して、HHKBが異なる分野の企業やブランドとのコラボレーションを展開しています。
2026年9月には、ZOZOTOWNとHHKBによるコラボレーション第2弾が発表されました。
こちらはキーボードそのものではなく、HHKB誕生30周年を記念したTシャツやスウェット、トートバッグといったアパレル・雑貨です。
NuPhy×Raycastとは商品の方向が異なりますが、異なる分野のファンにブランドを知ってもらうという点では、共通する部分があります。
- NuPhy×Raycastでは、Raycastの世界観をキーボードへ取り入れ、Raycastのユーザーやファンに新しい製品との接点をつくる。
- HHKB×ZOZOTOWNでは、HHKBの文化をアパレルへ展開し、キーボード市場の外側へブランドとの接点を広げる。
アプローチする方向は異なりますが、既存市場の外側へ接点を広げるブランド協業という点では共通しています。
ロゴを入れるだけではないコラボキーボード
コラボキーボードと聞くと、既存製品の色を変更し、ロゴを追加したモデルを想像するかもしれません。
しかし、Raycast Editionのように協業先のサービスや文化を機能へ反映できれば、もう一歩踏み込んだ製品になります。
テック企業であれば、下記のようなアプローチでキーボードと自社サービスの親和性を高めることができるかもしれません。
- ソフトウェアの機能を呼び出す専用キー
- ブランドカラーを取り入れたキーキャップ
- キャラクターや作品を表現したレジェンド
- 業務に合わせた専用レイアウト
- ブランド独自の起動音やライティング
- 限定デザインの本体やパッケージ
見た目だけでなく、「その企業やサービスだから成立する機能」が加わることで、コラボレーションの意味はより大きくなるでしょう。
キーボードをブランドとユーザーが日常的に接する場所として捉える考え方は、今後さらに広がる可能性があります。
そういった部分で、日常的に使う「キーボード」と、ブランドとのコラボレーションはお互いにとって強い相乗効果を生み出すのではないでしょうか。
あなたが欲しいコラボキーボードを教えてください
もしキーボードメーカーが、あなたの好きな企業やブランド、サービスとコラボレーションするとしたら、どのような製品が欲しいでしょうか。
Greenkeysでは、読者のみなさんが考える「欲しいコラボキーボード」を募集します。
思い浮かんだ企業やブランド、サービスの名前を教えてください。
企業、ブランド、Webサービス、ゲーム、アニメ、キャラクターなど、ジャンルは問いません。
本アンケートは、Greenkeysがブランドコラボレーションに対する関心を把握するため、独自に実施するものです。
NuPhyを含む特定のキーボードメーカーや企業から依頼を受けた調査ではありません。
回答内容は個人を特定できない形で集計し、Greenkeysの記事や市場分析、企業向け資料などで紹介する場合があります。
まとめ|コラボキーボードがキーボード市場を広げるかもしれない
以上、NuPhy事例に見た「企業コラボがキーボード市場の拡大に寄与する可能性」についてお話ししてきました。
日本における「キーボード市場」は、まだまだ「ニッチユーザーが楽しむもの」という領域からは脱しておらず、市場規模もそこまで大きくないと筆者は考えています。
特に、「文字を入力する」という役割自体はどのキーボードでも変わらないため、「高いお金を出して購入する価値が見出せない」という事情も十分理解できます。
一方、ブランドコラボレーションでは、そうした性能とは異なる理由から製品を選ぶ人が生まれます。
好きなブランドの製品だから欲しい。
普段使っているサービスの専用キーが便利そう。
作品やキャラクターの世界観をデスクへ取り入れたい。
こうした動機は、これまでキーボードに強い関心を持っていなかった人が、製品へ触れるきっかけになります。
一般向けキーボードでは、機能や利便性、価格が主な訴求軸となってきました。
一方、ブランドコラボレーションでは、デザインや世界観、ブランドへの共感といった、従来とは異なる理由から製品を選ぶ人が生まれます。
さらには、「もしもHHKB miniがあったなら」のコラムで触れた「AI自体におけるキーボードの役割の変化」は、キーボードをもっと自由にする可能性があります。
入力機器としてのキーボードから、もっと多種多様な役割へ。
キーボードの役割は、これから「ファッション」「趣味」「タイピング体験」「鑑賞対象」など、さまざまな側面に進化できる可能性を秘めています。
企業コラボキーボードもその可能性の一つ。
NuPhyがRaycastとの協業事例をもとに企業向けサービスを始めたことは、キーボードが入力機器であると同時に、企業やブランドを表現する媒体にもなり得ることを示しています。
キーボードの役割の変化を、少しずつ肌で感じられるようになりました。
- 初回公開日:
- 最終更新日:
- 取材方法:独自
- 参照・引用元:
- 利益相反:商品提供:なし 本稿収益化リンク:なし
Google検索の「優先ソース」にGreenkeysを追加します
Add Greenkeys as a Preferred Source on Google
