これはちょっと面白そうだけど、一般的にイメージされる「メカニカルキーボード」ではない点には注意が必要ですね。
2026年8月12日、英国ロンドンのElectronic Materials Officeは、薄型キーボード「Altar II(アルター・ツー)」をPRTIMESでのプレスリリースを通して日本国内向けに発表しました。

本体の厚さはわずか4.75mm。
75%レイアウトのアルミニウム筐体に、1.8mmストロークのキースイッチや着脱式ダイヤル、ハプティックフィードバック、スピーカーを搭載しています。
2026年11月10日からKickstarterでクラウドファンディングを実施し、リワードの配送は2027年初夏を予定しています。
つまり、実質的に商品が届くのは1年後です。
現在は公式サイトにてKickstarterの予約者限定価格で買える「予約」を実施しており、予約金として$1.00が必要です。
Altar IIの販売情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Altar II |
| Kickstarter開始日 | 2026年11月10日 |
| 予約者限定価格 | 249ドル |
| 開始48時間限定価格 | 279ドル |
| キャンペーン価格 | 299ドル |
| 一般販売予定価格 | 349ドル |
| 配送予定 | 2027年初夏 |
| 予約金 | 1ドル/全額返金可能 |
現在、公式サイトでは1ドルの予約金を支払うことで、予約者限定価格の249ドルで購入できる権利を確保できます。
予約受付はKickstarterキャンペーンの開始時に終了する予定です。
Kawamuraこの辺りは日本ではほとんど馴染みがないのでしょう。
この支払い方法はデポジット方式と呼ばれ、予約金を支払うことで限定価格で買えるという「権利」を買う形です。
よって、その権利を行使してもしなくても自由。
気が変わって買わなくなっても問題はありません。
厚さ4.75mmの75%キーボード

Altar IIは、ファンクションキー列と独立した矢印キーを備える75%レイアウトのキーボードです。
本体サイズは幅299mm、奥行き116.5mm、厚さ4.75mm。
薄さのプロモーションに関してはかなり野心的であり、競合の厚さを強調したサイトデザインとなっています。






Kawamuraシザー式、ロープロファイルメカニカル、Cherry MXメカニカルが同列となっているのは少し気になりますね。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| レイアウト | 75% |
| 本体サイズ | 299×116.5×4.75mm |
| キーストローク | 1.8mm |
| 押下荷重 | 40gf |
| 接続方式 | Bluetooth 5.0 LE/USB Type-C |
| Bluetooth接続先 | 2台 |
| バッテリー駆動 | 最大30日間 |
| ファームウェア | ZMK/Zephyr RTOS |
| 対応OS | macOS 12以降/Windows 10以降 |
| カラー | ブラック |
ボディは6061アルミニウムを削り出したモノボディ構造を採用しています。
2分間の充電で最大2日間使用できる急速充電にも対応。
最大30日間という駆動時間は、1日8時間、バックライトを1日30分点灯する条件に基づく推定値です。
ファームウェアは昨今では採用例の多いZMKをベースとしており、Swiftで開発された完全ネイティブのmacOSコンパニオンアプリ「Sanctuary™」をもちいてキーマップ変更に対応。

物理レイアウトはANSI(英語配列)のみとなっており、「Macキーボードの決定版」としてゼロから設計された、とのこと。
WindowsおよびLinuxでも利用可能ですが、「Command、Option、Control、Functionの各キーが期待どおりの位置に配置されている」様子。
キープロファイルは行によって異なる

よく見ると、数字行とアローキーは中央部が窪んでいるスフェリカル構造となっており、ファンクション行と修飾キーは天面の面積が狭いキーキャップを採用しています。
一方で、アルファベットキーはフラットプロファイルです。



キーレイアウトはかなり特殊

キーレイアウトは、一般的なキーボードと比較するとかなり特殊と言えそうです。
横幅は一般的な75%レイアウトキーボードが採用している16uサイズではなく、15.75uサイズ。
bottom rowのキーレイアウトと見ると、スペースバー脇のコマンドキーは左側が1.25u/右側が1.5uと非対象となっており、スペースバーサイズはおそらく6uと見られます。
Enterのサイズも通常よりも小さく、Z行のずれはA行に対して0.25uしかずれていません。
Escキーのサイズは、おそらくはMacbookを踏襲した1.75uサイズになっていると見られます。
スペースバー、両端のコマンドとZ行との位置関係としてはオリジナルを踏襲していますが、Z行のズレが通常とは異なる点は賛否が分かれそうです。

コンセプトとしては、Flow2 for Macと似ています。


一般的なMX互換スイッチではない
Electronic Materials Officeは、Altar IIを「フルメカニカルキーボード」と案内しています。
一方、公式仕様に記載されているのは、保持スプリングを備えた「デュアルスチールアーム式シザースイッチ」です。

一般的なMX互換メカニカルスイッチを薄型化した構造ではなく、横方向に配置したプリロード式テンションスプリングによって、1.8mmのストロークを実現しています。
したがって、一般的なメカニカルキーボードと同じスイッチ構造や、スイッチ交換への対応を期待する製品ではありません。
ホットスワップへの対応も発表されていないため、購入を検討する場合は「独自構造の薄型キーボード」と捉えた方がよいでしょう。
マグネット着脱式「M-Dial」を搭載

本体右上には、マグネットで着脱できるロータリーダイヤル「M-Dial」を搭載しています。
標準状態では、次の操作に対応します。
- 回転:音量調整
- 1回押す:再生/一時停止
- 2回押す:曲送り
- 3回押す:曲戻し
- 長押し:Siriを起動
標準タイプとロープロファイルタイプの2種類が付属します。
M-Dialの図面や3Dデータも今後公開される予定で、ユーザーが独自形状のダイヤルを3Dプリントできる設計です。
ハプティックモーターとスピーカーを内蔵
Altar IIは、高精度のリニア共振アクチュエーターを使ったハプティックフィードバックに対応しています。
ダイヤルを回した際のクリック感を触覚で再現するほか、接続の切り替えや充電、macOSの通知なども振動で伝える仕組みです。
さらに、起動音や充電音、接続確認音などを再生するスピーカーも内蔵しています。
Mac向けコンパニオンアプリ「Sanctuary」では、次の項目を変更できます。

- キーマッピング
- M-Dialの動作
- ハプティックフィードバック
- バックライト
- サウンド音量
- アプリごとのショートカット
ただし、Sanctuaryの対応環境はmacOS 26 Tahoe以降です。
WindowsやLinuxでも標準キーボードとして使用できますが、専用アプリによる設定には対応していません。
基本的には、Macユーザーのためのキーボードと捉えても差し支えないでしょう。
赤色LEDバックライトを採用

バックライトには、長波長の赤色LEDを使った「NiteLite」を採用しています。
環境光センサーによって周囲が暗いときだけ点灯し、明るさも自動調整する設計。
一般的なRGBバックライトではなく、暗い環境での視認性と消費電力を意識した機能となっています。
キーキャップには、再生プラスチックを50%以上含む独自素材「REGENポリマー」を採用。
パッケージもプラスチックを使用せず、紙や生分解性のサトウキビパルプで構成されています。
まとめ|癖は強いが気になるキーボード
以上、Altar IIについてお伝えしてきました。
Altar IIの注目点は、単純な薄さだけではありません。
4.75mmという筐体に、バッテリー、ハプティックモーター、スピーカー、着脱式ダイヤルまで収めた設計はかなり特徴的であり、開発には非常に時間がかかっていそうな印象です。
ZMKを採用し、設定を本体側へ保存できる点も興味深いところでしょう。
一方で気になる部分が多いのも事実です。
まずは、「フルメカニカル」という表現。
「フルメカニカル」という表現から、一般的なロープロファイルメカニカルキーボードを想像すると、実際の構造との間に違いがあります。
公式仕様はスチールアーム式のシザースイッチで、ストロークは1.8mm。
どの程度の明瞭な打鍵感が得られるのかは、実機で確認したい部分と言えるでしょう。
また、物理配列にも注意が必要です。
Z行のずれが通常よりも左側にずれているため、普段英語配列のキーボードでタイピングをしている方にとっては、微妙な違和感を感じる可能性があります。
日本語配列キーボードでは、英語配列キーボードと比較してZ行のキー数が1つ多いため、このようにZ行が通常よりも左へ偏位しているレイアウトを持つキーボードは比較的多い印象です。

一方で、英語配列キーボードでZ行がずれているキーボードはそれほど多くないでしょう。
こうした「マッスルメモリー」に影響がある部分については、日本語配列ユーザーよりも英語配列ユーザーの方が敏感な可能性があるため、購入前には検討したほうが良いでしょう。
- 初版執筆日:2026年8月13日
- 最終更新日:2026年8月13日
- 取材方法:メーカー公式ページ・プレスリリース参照
- 参照・引用元:
- 利益相反:商品提供:なし 本稿収益化リンク:なし
