見渡す限りのキースイッチ。
Gateronブースは、キーボードの「沼」を体現しているような場所でした。

ブース内は、スイッチテスターで埋め尽くされています。
昨今のニーズを象徴するように、見えやすい手前側には「磁気式キースイッチ」、奥側には「メカニカルキースイッチ」が数多く展示されていました。

Kawamuraキースイッチは色や形だけでなく、組み合わせる構成パーツ(トップハウジング、ボトムハウジング、ステム)などの形状や素材、バネの重さ、潤滑剤の加減によって、多種多様な感触や音を生み出しています。
それがこのバリエーションにつながっています。
驚いたのは、磁気式スイッチのバリエーションが非常に豊富になっていた点です。





磁気式キーボードの走りである「Wooting 60HE」がリリースされたのが2022年。
それから2023年にRazerなどの大手ゲーミングブランドが参入し、現在まででゲーミングシーンのメインストリームキーボードになったと記憶しています。
磁気式キースイッチ(Hall Effect Switchともいう)が普及し始めた当初は、Cherry MX系スイッチに近い外形を持っていても、メーカーをまたいで自由に交換できる現状ではありませんでした。
その理由のひとつが、スイッチ内部に搭載された磁石の極性と向きです。
Kawamura磁性にはS極とN極がありますね。
Gateronの磁気式スイッチは、現在公開されている製品仕様では磁石のN極をPCB側へ向ける「N極下向き」方式を採用しています。
Gateron公式サイトでも、Magnetic Jadeシリーズをはじめとする磁気式スイッチについて「N-pole faces down to the PCB board(N極がPCB側を向く)」と明記されており、2026年に公開された同社の解説記事では、Gateronの磁気式スイッチについて「N-pole down magnet orientationに対応したHall Effect PCBが必要」と説明されています。
https://www.gateron.com/blog/detail/keyboard-switches-for-gaming
https://www.gateron.com/products/gateron-magic-jade-switch
https://www.gateron.com/u_file/2505/21/file/GateronMagneticJadeProSwitchKS-20TF10B045NW-Y106PRO1.pdf
一方、磁気式キーボード黎明期には異なる方式も存在しました。
たとえばAkkoは2024年2月時点の公式資料で、当時の同社製磁気式キーボードがS極をPCB側へ向ける方式を採用していることを明記しています。
同資料では、Gateron製HEスイッチについて極性が逆であるため、そのままではAkko製PCB上で動作しないとも説明されていました。
つまり、当時の磁気式スイッチは「MX系に近い形状だから交換できる」というものではなく、スイッチとPCB側のHallセンサーが想定する磁極の向きまで一致している必要がありました。
これが非常にややこしく、交換ができても動作しない、という状況が多かったように感じます。
Kawamuraほんとにややこしかった覚えがあります。
現在では、GateronをはじめとするN極下向き方式に対応した製品が増えており、以前よりもメーカーをまたいだスイッチ交換がしやすくなっている印象です。
市場の現状を踏まえて、PCB設計自身がN極をPCBに向ける方式が主流になってきたことで自然とキースイッチ側もその仕様によってきた、ともみて取れます。
ただし、これは磁気式スイッチ全体に共通する統一規格が成立した、という意味ではありません。
たとえ、N極をPCBに向けるキースイッチだったとしても、ソフトウェア側で「キャリブレーション」に対応していないとうまく動作しません。
そういった側面でGateronに関しては、多くの磁気式キーボードに採用されるよう、磁気式キースッチの選択肢を増やしているように見えました。
一方で、奥側には、トラディショナルなメカニカルキースイッチも多く展示してありました。
個人的に気になったのが「Oil King」の静音バージョン2種。


キースイッチにも「流行」があり、最近では動作時のスレを軽減させる「事前潤滑済み」のキースイッチが多い印象です。
その走りとなったのが「Oil King」だったように思います。

たっぷりと潤滑をすることで驚くほどスムーズな動作、ステムにPOM素材を用いており、底打ち音が「コトコト」とする気持ち良いキースイッチの一つです。
それを「静音(底打ち音を軽減したスイッチ)」バージョンでリリースしているという背景には、「オフィスでもお気に入りのキースイッチを利用したい」というニーズがあるように感じています。
とりわけ日本では、そういった潜在ニーズは多そうですね。


Kawamuraただ、そもそもオフィスでメカニカルキーボードを使う人はまだまだ少なそうですが。。。
また、Gateronはキースイッチやキーキャップを交換するツールも販売しています。
その新作がこの「3-in-1キーキャップ&スイッチプーラー兼スイッチオープナー」という商品。




Kawamura写真に写しきれませんでしたが、反対側がキースイッチプーラー、内側に見える突起はスイッチを分解するツールとなっています。
分解することで、スイッチ内の潤滑を自身で行ったり、ステムやバネの交換も行えるようになります。


また、お土産にキースイッチサンプル数点と、「2-in-1キーボードツール キーキャップ&スイッチプーラー」をいただきました。

これまではアナログのスイッチプーラー/キーキャッププーラーで引っこ抜いていましたが、この商品めちゃくちゃ便利ですね。


3 in 1スイッチプーラーも2 in 1スイッチプーラーもAmazonで購入可能です。
これは持っていたら便利かもしれませんね。
- 初回公開日:
- 最終更新日:
- 取材方法:TGS2026での対面取材
- 参照・引用元:https://www.gateron.com/
- 利益相反:商品提供:あり 本稿収益化リンク:あり(Amazonリンク)
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