Keychron Valkey Orbは“エントリー向けではない”|TGS2026で聞いた開発思想とOrca echoとの違い

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本記事は、新製品・販売開始・仕様更新・キャンペーンなどの事実整理を目的としたニュース記事です。実機を用いた長期レビューや評価記事ではありません。提供・広告・収益化に関する情報がある場合は、本記事内に明記します。

2026年9月16日に発表された、遊舎工房とKeychronの共同開発キーボード「Keychron Valkey Orb」。

Greenkeysでは発表翌日に開催されたTOKYO GAME SHOW 2026のKeychronブースで試作機を実際に確認するとともに、コペックジャパン代表の水口氏から、Valkey OrbのターゲットやOrca echoとの違いについて話を聞きました。

Valkey Orbは、左右分割構造、25mmトラックボール、アルミボディ、Cherry MX互換ホットスワップなどを特徴とするモデルです。

発表時点では、一見するとOrca echoに近い「分割+トラックボール」キーボードにも見えました。

しかし今回話を聞くと、両者はかなり異なるユーザー層を想定していることが見えてきました。

Keychronとしては第二弾となる「トラボ付き左右分割カラムスタッガードレイアウトキーボード」となるValkey Orb。

果たして、誰に向けた商品なのでしょうか。

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Valkey Orbは「エントリー向け」ではない

Valkey Orbでは遊舎工房の既存ユーザー層が強く意識されています。

遊舎工房のユーザーには、キーボードを自分でカスタマイズしたり、スイッチやキーキャップを交換したりすることに慣れたユーザーが多いことから、Valkey Orbについても、単純に分割キーボード初心者へ向けた製品というより、ある程度キーボードに慣れたユーザーが使う方向へ調整されているとのことでした。

これは、Orca echoとの違いを考えるうえでも重要なポイントと見ています。

Orca echoは、クラウドファンディングを通じて非常に幅広いユーザーへ届き、分割キーボードを初めて購入するユーザーも多く含まれていました。

一方Valkey Orbは、遊舎工房がこれまで培ってきた自作・カスタムキーボードユーザーとの関係性を背景に、より趣味性の高い方向へ寄せているようです。

その内容について見ていきましょう。

ガスケットマウント×ノーマルプロファイル×アルミ筐体構成

TGS2026の会場ではじめて、Valkey Orbがガスケットマウント構造を採用しているということが判明しました。

TGS2026 Keychron 28

現時点ではまだ試作段階であり、展示機は「まだうまくガスケットが機能していない状態」とのこと。

実際に押し込んでみると沈み込みを感じることはできませんでした。

この点については、徐々に改善されていくと見られます。

キースイッチはあえて「ノーマルプロファイル」としている背景には、既存のCherry MX規格のキースイッチの豊富さを「ユーザー自ら」選択し、楽しめるようにするためと見ています。

TGS2026 Keychron 15
装着されていたのはボックス形状のステムをもつCherryMX互換キースイッチ。

キーキャップは最近のKeychronではデフォルトでの採用例が多い「OSAプロファイル」「KSAプロファイル」ではなく、あえて「Cherryプロファイル」を選択。

このあたりも、遊舎工房らしい「こだわり」を感じる部分です。

やはり、「メカニカルキーボード」と言えば、Cherryプロファイルの採用例が多い。

「慣れ親しんだプロファイル」ということで、Cherryプロファイルを採用したい、という考えに至ったのかもしれません。

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生成AIを用いて作成。プロファイル数値はKeychron交渉数値を参照。

また、今回はOrca echoとは異なり、アルミ製ボディを採用しています。

TGS2026 Keychron 18
カラーがコーティングされたような白でわかりにくいが造形が非常にしっかりしたアルミ筐体

重量までは測れませんでしたが、かなりずっしりと重く、少なくとも持ち運びを前提としているような重さではないことは確かです。

また、アルミ筐体を採用するということは、一つずつ「削り出す」必要があるため、製造数などに左右される可能性はあるものの射出成形の樹脂製ケースよりも原価費用が高額となる可能性があります。

加えて、元となるアルミ塊の大きさもそれなりになることが予想され、それが左右二つで1組の構成です。

つまり、アルミ削り出し筐体を採用している時点で、販売価格が「エントリー向けではない」仕様になることが予測されます。

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このくらいのアルミ削り出しだと、販売価格は4万円くらいかなーと予想しています。

キースイッチプレートはアルミニウムか?

TGS2026 Keychron 15

十分に確認ができなかったのですが、おそらくはValkey Orb試作機で採用されているスイッチプレートは「アルミニウム製」だと、Greenkeysでは見ています。

このあたりは、遊舎工房からの公式スペック発表を待ちたいところですね。

スイッチ・接続端子は背部に配置

スイッチ、端子類は背面に配置されています。

現状で見えるのは、Type-C接続用の挿入口とスライドスイッチですね。

また、背面にネジ部分が見えることから、上下2ピース構造となっていると見られます。

シリコン製のカバーは、位置としては電波を通すためにあるように見えました。

キーキャップについては未決定の可能性

キーキャップについて、Cherryプロファイルであることは決まっているようですが、それ以上のことは現時点では不明です。

デフォルトで無刻印になるのか、アルファキーだけでも刻印されるのか、楽しみですね。

TGS2026 Keychron 14
Kawamura top RKawamura

サムクラスタ部分の親指位置はコンベックスキーにして欲しいですね。

ボール位置は筐体中央部に配置

トラックボール位置に関しては、筐体の内側に配置されており、支持球は4点支持、支持球の材質はOrca echo同様にセラミックに見えます。

繊細位置は下に配置されており、読み取りはシングルセンサーで行われるようです。

TGS2026 Keychron 26

トラックボール位置に関しては、Orca echo同様に中央寄りになっている部分について、Keychron側に特段のこだわりがあるのか水口氏に聞いたところ、「そういったこだわりはない」とのこと。

設計に関しては、遊者工房側のリクエストをKeychronが反映している、と説明し、今回のトラックボール位置もおそらくは双方の打ち合わせの中で決まったと見られる、との説明がありました。

ティルトアングルは約7度

寸法を簡単に計測しました。

手前側の高さは約20mm、奥側の高さは約35mmです。

手前側の高さを見る限りでは、タイピングにはパームレストが必要と考えて良いでしょう。

ティルトアングルは画像を見る限りでは、約7度程度です。

TGS2026 Keychron 17 1

Valkey Orbの実際の操作性はどう?

筆者の主観とはなりますが、Valkey Orbの操作性は「柔軟性に富む」と感じています。

その理由は、「緩やかなカラムスタッガードレイアウト」と「分離されたサムクラスタ」にあると考えます。

まずはキーレイアウトを見ていきましょう。

Valkey Orb

このように、中指を起点に0.125uずつ縦に下がるようなカラムスタッガードレイアウトとなっており、0.25u下がりのOrca echoよりもなだらかです。

TGS2026 Keychron 28

このキーレイアウトのおかげか、ホームポジションの位置を動かしても大きな違和感がありません。

下記を見てください。

おそらく、エルゴノミクス観点では、40%レイアウトで利用するのが正解だとは思いますが、30%レイアウトでもほとんど違和感がありません。

これは緩やかなカラムスタッガードとなっているのが大きいでしょう。

また、Orca echoとは異なり、サムクラスタ部分が分離しているため、トラックボール位置と親指のホームポジションが干渉しにくくなっている点も特徴的だと感じました。

TGS2026 Keychron 21
やや親指は閉じる形となるが、筆者の置き方では親指とトラックボールの接触は見られない
TGS2026 Keychron 20
トラックボール操作は親指をリーチする形となる
Kawamura top RKawamura

Orca echoの際は「ホームポジションに親指をおいたときにトラックボールと接触する可能性」という論点で、トラックボールの位置での賛否は別れました。
今回のValkey Orbはその心配は少なそうです。
ただし、ボール位置に関しては好みの要素が非常に強いため、どこに置いたとしても一定数の批判が出る可能性がある要素だと感じます。

年内クラウドファンディング予定

Valkey Orbは、2026年内にギズマートでクラウドファンディングを実施予定です。

水口氏によると、TGS2026以降も複数のキーボード関連イベントが予定されており、その中で遊舎工房からより詳しい情報が発信されていく可能性があるとのことでした。

販売価格については、取材時点でも正式には発表されていません。

アルミ筐体や25mmトラックボール、無線接続などを含む構成から価格帯への関心も高まっていますが、正式発表を待ちたいところです。

まとめ|Orca echoとは異なる「次の入口」になれるか

以上、TGS2026で見たKeychron Valkey Orbについてお伝えしてきました。

水口氏によると、開発開始タイミングに関しては、「Orca echoと近い」とした上で、両者は完全に別のプロジェクトとのこと。

Kawamura top RKawamura

2つのプロジェクトの意見交換は、製品バッティングを防ぐ上で多少なりともあった可能性はありそうですが、企画発案者が別ということもあり、個人的には「たまたま企画の方向性が似ていた」ように思います。

見た目としては同じカラムスタッガードレイアウトということで、Orca echoとかなり似ているように見えます。

しかし今回実機を確認し、水口氏の話を聞くことで、両者の方向性はかなり整理できました。

Orca echoが、新しい入力体験を比較的幅広いユーザーへ届けた製品だとすれば、Valkey Orbはそこからもう一段、自作・カスタムキーボード寄りへ踏み込んだ製品と言えそうです。

アルミ筐体、Cherry MX互換、Cherryプロファイルの検討、ガスケットマウント。

これらは単なるスペックではなく、遊舎工房の既存ユーザーに向けた製品であることを示す要素でもあります。

一方で、Orca echoと見た目の構成が近いことも事実です。

そのため、Valkey Orbが独自のポジションを確立するには、

「Orca echoではなく、なぜValkey Orbを選ぶのか」

を今後どのように伝えるかが重要になりそうです。

Greenkeysでは、すでに両製品のレイアウトをKLE上で比較しています。

実際のキー配置、カラムスタッガード量、サムクラスタ構造にも違いがあり、単なるOrca echoの別バージョンではありません。

今後さらに仕様が固まり、ユーザーが実機に触れる機会が増えることで、Valkey Orb独自の魅力がより明確になっていくことを期待したいところです。

  • 初回公開日
  • 最終更新日
  • 取材方法:メーカー公式リリース・公式SNS投稿参照
  • 取材日:2026年9月18日
  • 取材場所:TOKYO GAME SHOW 2026 Keychronブース
  • 取材協力:コペックジャパン
  • 取材方法:試作機の実機確認およびコペックジャパン代表水口氏への聞き取り
  • 利益相反:商品提供:なし 本稿収益化リンク:なし
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河村 亮介のアバター 河村 亮介 Greenkeys chief editor

日本のキーボード専門メディア「Greenkeys」編集長。GreenEchoes Studio代表。

メカニカルキーボード、自作キーボード、入力デバイスに関するレビュー・取材・検証・撮影・執筆を担当しています。これまで100製品以上をレビューし、日本語配列キーボードの互換性問題や国内市場動向についても継続的に情報発信しています。

日本語配列キーボードの互換性向上を目的とした業界連携プロジェクト「Japan Layout Alliance(JLA)」を設立し、国内外メーカーと協力した活動も行っています。

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