NuPhyは2022年11月8日19時30分(日本時間)、新モデルである「NuPhy Halo 75」を発表し、先行予約販売を開始しました。
「Halo75」は、「Haloシリーズ」の第2弾となっており、2022年9月にリリースされた「NuPhy Halo 65」の最上段にファンクションキーを搭載した75%レイアウトのノーマルプロファイルメカニカルキーボードです。
基本スペックはHalo65とそれほど大差はありませんが、Halo 65で大好評を博した「Gateron Baby Kangaroo」に加えて、新たに「Gateron Baby Raccoon」「Night Breeze」「Rose Glacier」の3種類のキースイッチが選択できるということで非常に期待が高まります。
Haloシリーズの真ん中に位置する本機種は、万人受けするレイアウトとなっていることからもどんなユーザーにもおすすめできる機種と言えるでしょう。
本記事では、「Halo75」についての実機レビューを行っていきます。

- ファンクションキー搭載で誰にでも使いやすい
- 配色がおしゃれ
- オリジナルキースイッチの打鍵感が素晴らしい
- 重量が1200gと重く、持ち運びには向いていない
- US配列のみでJIS配列がない
- オリジナルタクタイルスイッチが特徴的となっているため好みが大きい
- 海外公式サイトからの購入品は技適未取得のため日本国内で無線接続は出来ない

他のAirシリーズ(ロープロファイルメカニカルキーボード)
Haloシリーズ(ノーマルプロファイルメカニカルキーボード)
Haloシリーズの特徴について|とにかくおしゃれでかわいい!

Haloシリーズは飛び抜けてキャッチーでポップ!
こんな可愛くておしゃれなキーボード、日本国内にはまず売っていません。
もう持っているだけで満足しそうなくらいのルックスとなっており、キーボードにまったく詳しくない人でも欲しくなるようなデザイン性の高さを感じます。
白やグレーを基調としたMacにはまさにピッタリのカラーリングと言えるでしょう。
加えて、交換用のキーキャップと組み合わせれば、シックなルックスにも変更できる点も非常に好印象です。
(画像はHalo65)








Halo75の概要

ここではHalo75の特徴的な仕様を紹介していきましょう。
Halo75のスペック詳細
パッケージ内容
- 1 x halo75 wireless mechanical keyboard
- 1 x usb-c to usb-a cable (1.5 m)
- 1 x 2.4g receiver
- 1 x keycap/switch puller
- 17 x extra keycaps
- 7 x extra switches
- 1 x quick guide/poster
- 1 x stickers
技術仕様
General
- switch type: gateron g-pro v2/baby kangaroo switches
- layout: ansi 75%
- number of keys: 83 keys
- hot-swappable support: yes
- n-key rollover support: yes
- backlight & sidelight: rgb-led
- backlight modes: 10
- sidelight modes: 4
- halolight modes: 4
- mode: 2.4G wireless, bluetooth 5.0 or wired
- battery capacity: 4000mAh
- working time (all lights on): up to 48 hours (lab test result)
- working time (all lights off): up to 240 hours (lab test result)
- connection type: usb type-c
- compatible system: macos/windows/android/ios
- angle: 5.5º/ 8.5º/ 11º
- operating environment: -10 to 50℃
Materials
- frame: aluminum
- bottom case: abs
- keycap: double-shot pbt
Dimensions
- 12.5 inch x 4.5 inch x 1.48 inch
- 318.1 mm x 114.4 mm x 37.5 mm
Weight
- 2.20 pound
- 1000 grams
アルミニウムフレームに光る美しいライティング





「Halo」とは「光の帯」のことを指します。
そう、Halo75の特徴はそのライティングの美しさにあるのです。
無機質で凛としたアルミニウムフレームから漏れ出るライティングを辿っていくと、フレームの中央に光の帯を見つけることができるでしょう。
正直、こんなにライティングが美しいキーボードに出会ったことはありません。
セットで購入できるアクリル製の透明なリストレストとの相性はぴったりです。
最大4台までの無線接続/USB接続が可能
Halo75は、最大4台の異なるデバイスとの接続が可能であり、その都度接続先を切り替えることが可能です。
Bluetooth接続がないMac /Windowsも、付属の2.4GHz帯域をサポートするUSBレシーバー(USB Type A)を使えば問題なく接続することができます。

また、USB Type-Cコネクタも備えているため、好みに応じて有線接続も可能です。
ただし、技適未取得のため、日本国内では無線接続は利用できません。

カールコードとの相性は抜群です。
MacおよびWindowsに対応

Halo75は、MacだけてなくWindowsにも対応します。
付属のキーキャップを付け替えれば、簡単にMacからWindowsへ切り替えることが可能です。
非常に高い静音性能


Halo75には、高いノイズ対策が施されています。
やはり、メカニカルキーボードの良し悪しを決めるのは「打鍵音」と言っても過言ではありません。
Halo75では、空洞が大きく響きやすいスペースバーの内部にシリコンを入れ込むことで余分な残響音をシャットアウトしています。
加えて、複数層にわたるシリコンを内蔵しているため、非常にタイトな打鍵感となっているのです。
試しに、Baby Kangarooを別のキーボードにインストールして打鍵音を比較してみましたが、やはりHaloシリーズのような「タイトさ」を再現することはできませんでした。
新開発のキースイッチを4種類の中から選べる贅沢な悩み
Halo75のリリースに合わせて、新しく3つのキースイッチがNuPhyに仲間入りしました。
Gateron × NuPhy KeySwiches




Switch Type | Operating Force | Total Travel | Keystroke | |
---|---|---|---|---|
Night Breeze | Linier | 42±5gf | 3.3±0.3mm | soft low tone |
Rose Glacier | Tactile | 60±5gf | 3.3±0.3mm | soft low tone |
Gateron Baby Raccoon | Linier | 55±8gf | 3.6±0.2mm | soprano |
Gateron Baby Kangaroo | Tactile | 59.8±8gf | 3.4mmMax | soprano |




Halo65リリースのタイミングに合わせて追加されたBaby Kangarooも加えると、新たに4種類のキースイッチから好みのものを選択することができます。
もちろんHalo75はホットスワップ対応。
どのスイッチもショートストロークとなっているのが特徴です。
どのスイッチも試してみたいですね!
Halo 75の実機レビュー!Halo65と比較した時のメリットとデメリットについて


やはり気になるのは、Halo 75より前にリリースされたHalo 65との違いでしょう。
ここでは、Halo 75とHalo 65との共通点や違いについて考察していきます。
メリット1:打鍵感の素晴らしさ
メカニカルキーボードで重要なのは、「打鍵感」です。
まずは当方が撮影したHaloシリーズの打鍵音の比較をご覧ください。
一般的には、キースイッチによる打鍵感が重要視されているように思いますが、個人的にはキーボードを構成する「パーツ=構成要素」が非常に重要だと考えています。
音は必ず「反響」するため、いくらキースイッチがシャープなサウンドを奏でていても、それを支えるケースや内部構造が華奢であれば、当然躯体全体に鳴り響いてしまいます。
結果的に、「打鍵感はいいけどなんかうるさい」という残念な結果にもなりうるでしょう。
やはり、メカニカルキーボードにおいては、「デッド感=残響感の少ない」ものが耳心地がよく結果として「気持ちいい」内心地につながるのではないでしょうか。
それを追求した結果がKeychronのQシリーズでしょう。
ダブルガスケット構造+金属製ケースを用いた構造となっているため、残響音が少なく、どのキースイッチに交換しても「コトコト」という小気味よいサウンドでタイピングすることが可能です。

一方、金属ケースを用いたことにより、非常に重量感があり、とても気軽に持ち運べるものではありません。
その点、Haloシリーズでは、軽量な金属ケースと複数層に渡るシリコンパットを内蔵したことで、KeychronのQシリーズを彷彿とさせる「デッド感」を作り出している点は非常に工夫が凝らされた製品だと感じました。

この工夫のおかげで、KeychronのQシリーズよりは軽量となっているのがHaloシリーズの特徴です。

この徹底したシリコンによるノイズ対策の効果は抜群で、残響音の少ない、非常にタイトな打鍵感を作り出しています。
これはHaloシリーズすべてに共通しており、Halo75も同様にデッドで引き締まった打鍵音を体感することができるのです。
この優れた打鍵音は、Halo75の大きなメリットの一つと言えるでしょう。
また、一般的に空洞音が響きやすいスペースバーも静音化加工がされており、非常にタイトな打鍵音となっています。

メリット2:ファンクションキーがあって使いやすい


画像をご覧いただくと分かると思いますが、Halo65には、ファンクションキーがありません。
一般的なキーボードは横に「6列」あるべきものの、Halo65は「5列」しかないのです。
よって、日本語入力の場合で必ず使用するであろう「カタカナ変換=F7」は最下段右にあるFnとコンビネーションで押下しなくてはいけません。
もしくは、同様のショートカットキーである「control + K(Mac)」や「Ctrl + I(Windows)」といった、普段打ち慣れないコンビネーションを覚える必要があります。
特にブラインドタッチを習得している人ほどタイピングの「癖」が抜けにくいため、「カナ変換=F7」という手癖を修正するのはなかなか骨が折れる作業でしょう。
(日本語の場合はスペースキーでひらがなをカタカナへ変換する場合はF7キーを押しますが、英語圏やその他の場合は「変換」する作業自体がないため、ファンクションキーはそこまで重要ではない可能性があります)

私の愛用キーボードはどれもファンクションキーレスです。
やっぱり慣れるまで結構時間がかかりました。
以上を踏まえると、やはり「Halo65」は、日本のマーケットには受け入れられ難い存在と言えます。
HHKBがあれだけ知名度があるのに普及しないのは、同じように「65%配列」となっているからでしょう。

一方、Halo75に関しては、日本人に馴染みの深いファンクションキーが搭載されている「75%レイアウト」となっています。
日本のマーケットには、確実にHalo75の方がウケがいいでしょう。
一方で、英語圏やその他の国では、Halo65の方が評価が高い可能性も十分考えられます。
メリット3:新スイッチ「Baby Raccoon」が選択可能
Halo65とHalo75の特徴的な違いは、選べるキースイッチが異なる点です。
こちらの表をご覧ください。
Halo96 | Halo75 | Halo65 | |
---|---|---|---|
Night Breeze(Linier) | ✅ | ✅ | ✅ |
Rose Glacier(Tactile) | ✅ | ✅ | ✅ |
Gateron Baby Raccoon(Linier) | ✅ | ✅ | ー |
Gateron Baby Kangaroo(Tactile) | ✅ Add Extra Switches | ✅ Add Extra Switches | ✅ Add Extra Switches |
Gateron G Pro Red 2.0 | ✅ Add Extra Switches | ✅ Add Extra Switches | ✅ Add Extra Switches |
Gateron G Pro Brown 2.0 | ✅ Add Extra Switches | ✅ Add Extra Switches | ✅ Add Extra Switches |
Gateron G Pro Bule 2.0 | Add Extra Switches | Add Extra Switches | Add Extra Switches |
Gateron G Pro Yellow 2.0 | Add Extra Switches | Add Extra Switches | Add Extra Switches |
Gateron G Pro White 2.0 | Add Extra Switches | Add Extra Switches | Add Extra Switches |
Gateron G Pro Silver 2.0 | Add Extra Switches | Add Extra Switches | Add Extra Switches |
デメリット1:日本語配列はない

Halo75には、他のHaloシリーズ同様にUS配列モデルしかなく、日本語配列モデルのラインナップがありません。
日本国内で発売されているMac・PCのほとんどが「日本語配列モデル」となっており、あまりUS配列に馴染みがない方も多いでしょう。
特に日本語を打つ場合は、「変換→確定」という作業や「英数とひらがなの切り替え」が頻繁にあることから、「言語切り替えの簡便さ」を追求すべく、スペースキーが短く配置され、Macでは「英数・かな」キー、Windowsでは「全角/半角」キーが独自に用意されています。
一方で、US配列キーボードは、「分かち書き」文化に対応すべく、使用頻度の多いスペースキーは押しやすいように横に長くスペースを占有しており、使用頻度の低いEnterキーはJIS配列に比べて面積が小さくなってしまっているのです。
英数⇄かなの切り替えは、「control + Spece(Mac)」や「Alt + ~(Windows)」で切り替える必要があるため、やはりここでも「慣れ」が必要になります。

US配列は慣れてしまえばなんてことはありません。
私は1週間で慣れました。
デメリット2:新しいタクタイルスイッチはかなりクセがあるため注意が必要
NuPhyのキーボードの特徴の一つが、オリジナルのキースイッチおよびGateronと共同開発したキースイッチが利用できることです。
Gateron × NuPhy KeySwiches




Switch Type | Operating Force | Total Travel | Keystroke | |
---|---|---|---|---|
Night Breeze | Linier | 42±5gf | 3.3±0.3mm | soft low tone |
Rose Glacier | Tactile | 60±5gf | 3.3±0.3mm | soft low tone |
Gateron Baby Raccoon | Linier | 55±8gf | 3.6±0.2mm | soprano |
Gateron Baby Kangaroo | Tactile | 59.8±8gf | 3.4mmMax | soprano |




特に注意すべきが「2種類のタクタイルスイッチ」です。
一般的なGateron Brown Switchと比較すると、かなりバンプ感があり、加えてショートトラベルとなっていることから、しっかり押し込んで打鍵したい方は戸惑ってしまう可能性があります。
また、Rose Glacierタクタイルスイッチは、動作するまでかなり押し込む必要があり、それなりの押下圧となっているため、長時間のタイピングでは疲れやすいでしょう。
この2種類の中でタクタイルスイッチを選ぶ時には、Baby Kangaooをおすすめします。
Night Breeze / Baby Raccoonに関しては、心配することはありません。
どちらも十分に事前潤滑されており、非常に滑らかな打鍵感となっています。
軽い打鍵感とやや低い打鍵音がお好みであればNight Breezeを、Gateron Oilkingのようなちょっと重い打鍵感を甲高い打鍵音を好むのであればBaby Raccoonを選びましょう。
デメリット3:海外サイトからの購入では技適未取得のため日本国内では無線接続は利用できない
Halo75を海外公式サイトで購入すると、日本国内での無線接続が可能となる「技適」を取得していないため、法律的に無線接続をしてはいけません。
物理的には可能ですが、電波法違反となるため、利用する際は有線接続で利用すべきです。
最近では、国内正規販売代理店である「三陽合同会社」が技適取得品の国内販売をはじめましたが、公式サイトと比較するとかなり高額となっています。
無線接続にこだわらなければ、10%オフの当サイト限定クーポンコードを利用して、公式サイトから購入した方がお得です。
Halo 75 発売までのあゆみ
実はHalo75は、SNS上で公式にリリースが宣言されていました。
We will probably release Halo75 in Oct. Stay tuned for it!
— NuPhy (@nuphystudio) September 29, 2022

この記事の初稿が9月30日ですが、このツイートは知りませんでした笑
ここから全く音沙汰なしでしたが、突如11月に入ると、Gateron公式インスタグラムでHalo 75のリリースが発表されたのです。
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その後、11月6日にようやくNuPhy公式が正式発表しました。
💥ARE YOU READY?
— NuPhy (@nuphystudio) November 6, 2022
Halo75 PRESALE will start tomorrow!🔥 🔥 🔥 pic.twitter.com/yhD3BCtLB8
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この時点での発売日は11月7日でしたが、急遽延期されることに。
Sorry that we have to stand you up, the launching of Halo75 has been delayed until tomorrow😶. Anyway, I’m still excited to wait for it to come out!🤩 pic.twitter.com/yx15b4ndoy
— NuPhy (@nuphystudio) November 7, 2022
そして、11月8日日本時間19時30分に「Halo 75」がリリースされました!

一日延びましたが、ようやくリリースです。
延期された理由については不明ですが、無事にリリースされて安心しました。
NuPhy Halo 75の取り扱い説明書について
公式サイトでは取り扱い説明書の配布は行っていません。
下記に記載内容について紹介していますので、参考にしてください。
NuPhy®︎ Halo75の取扱説明書(マニュアル)

- Winモード:本体上部のスライダーを「Win」に合わせる
- Macモード:本体上部のスライダーを「Mac」に合わせる
- スイッチ右:電源を切る
- スイッチ中央:有線モード
- スイッチ左|ワイヤレスモード
まとめ
以上、Halo75についてお話してきました。
Haloシリーズに関しても、Halo96がリリースされることでかなり選択の幅が広がりますし、ロープロファイルのAirシリーズに関してもAir96のリリースが予定されているため、ますます好みに応じた商品が選べるようになりますね。
新商品をどんどんリリースするNuPhy、いま最も注目すべきキーボードブランドです。
Halo75が気に入ったら、ぜひ購入してみてくださいね!

Halo75は、まだ日本国内で正規販売代理店はありませんので、公式サイトから購入しましょう。
