マウスを仕事道具から暮らしのプロダクトへ。エレコム40周年モデル「EGG MOUSE」に見たものづくりの転換点

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この記事の位置づけ
本記事は、キーボード市場や製品動向についての筆者見解を含むコラム記事です。事実関係の確認に努めつつ、分析や評価には筆者の視点が含まれます。レビューやニュースとは異なる、意見性のあるコンテンツとしてご覧ください。

取材を通して、これからのエレコムが見る先が見えたような気がしました。

エレコムは、創業40周年を節目にリデザインしたBluetoothマウス「EGG MOUSE」を2026年7月中旬より発売します。

価格は税込4,980円と誰の手にも届きやすい価格設定。

カラーは、ブラック、ホワイト、ティールブルー、コーラルピンク、イエローの5モデル展開。

各モデルには、本体に被せて使える専用シリコーンカバー「ソフトシェル」が2色同梱されており、使う人の好みや気分に合わせて着せ替えることができることも魅力の一つです。

そう、このデバイスは単なるデバイスではなく、ファッションの一部として捉えることができます。

「仕事」から「暮らし」の道具へ。

40周年を迎えるエレコムがこれから目指す先を象徴するような商品だと感じました。

Greenkeysでは、6月22日に開催されたエレコムの新製品発表会に参加し、EGG MOUSEの実機、歴代モデル、開発中の試作サンプル、カラーバリエーション検討用のモックを確認してきました。

この記事では、単なる新製品紹介ではなく、EGG MOUSEを通して見えたエレコムのものづくりの変化について、紹介していきます。

EGG MOUSE 概要

  • 発売時期:2026年7月中旬予定
  • 価格:税込4,980円
  • カラー:ブラック / ホワイト / ティールブルー / コーラルピンク / イエロー
  • 同梱品:本体、単4電池、ソフトシェル2色、クイックスタートガイド
  • 接続:Bluetooth
  • 特徴:静音4ボタン、3台マルチペアリング、着せ替えカバー対応
  • 先行展示:二子玉川 蔦屋家電+
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4回目の節目のEGG MOUSEはエレコムのこれからを象徴する形に

EGG MOUSEがエレコムのマウス事業における象徴的な製品であり、節目ごとにリデザインされてきました。

今回の40周年モデルは、単に過去の名作を復刻したものではありません。

今回の開発テーマとして、「アイデンティティを顕在化・具現化する」「エレコムの原点・軌跡・未来を紐解く」というコンセプトが掲げられています。

40年の節目のに作られたEGG MOUSEは、エレコムにとって懐かしさを売るための商品ではなく、40周年時点のエレコムが「自分たちはこれから何を作る会社なのか」を表現するためのプロダクト、という部分がこの発表会を通して強く伝わりました。

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左から:オリジナルモデル・20周年モデル・30周周年モデル
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初代からこれまでの軌跡。40周年を経てこれで4作目となる。
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四角いマウスが一般的だった中で手にフィットする丸みのある形状は、現在のマウスデザインにも大きな影響があったのではないか。

「仕事道具」から「暮らしを彩るプロダクト」へ

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Screenshot

今回発表されたEGG MOUSEは、これからのエレコムの変化を象徴するものです。

40年の節目を迎えるエレコムは、PC周辺機器ブランドから、さらなる変化を遂げようとしています。

その転換点の象徴となるのがこの「EGG MOUSE」だと感じました。


エレコムは、PC周辺機器メーカーとしての印象が強い企業です。

しかし近年は、理美容、調理家電、ヘルスケアなど、PCやスマートフォン周辺機器にとどまらない領域にも製品カテゴリを広げています。

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近年はデジタル分野だけでなく、ヘルスケア、ゲーミング、調理家電、理美容製品、アウトドア、ペット家電、ソリューション提案など、さまざまな分野への進出が目立ちます。

その根幹となるコンセプトは、「まだ世にないモノを生み出すユニークな発想」と、「人に寄り添った誠実なモノづくり」という二つです。

その2つを融合し、「仕事」を超えて人々の「暮らし」を豊かにする入力機器のあり方をEGG MOUSEを通して

マウスというオフィス機器を「暮らしを彩るプロダクト」へ転換する。

と表現していました。

つまり、EGG MOUSEは、40年目のエレコムを表現するための一つのキーポイントとも言えそうです。

「絵になる、まいにちを。」というコンセプト

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新しいEGG MOUSEは、「絵になる、まいにちを。」というコンセプトで開発されました。

「ただの入力機器ではなく暮らしに彩りを与える存在として、いつでもそばに置きたくなるような佇まい」を目指してデザインされたプロジェクトということもあり、鮮やかなルックスが目を惹きます。

実際に会場で展示を見ていると、「机の上で使うマウス」というよりも、「使っていない時間まで含めて成立するプロダクト」として設計されていることが伝わってきました。

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丸みのある卵型のシルエットは、マウスとしてはかなりミニマル。

重量はわずか40gと軽く、手のひらに収まるサイズ感は、存在そのもの自体が愛らしい印象を与えます。

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シリコンカバーを装着しても約50gしかない

スペック的な部分では、マウス本体が幅約53mm、奥行約70mm、高さ約46mm。

カバー装着時は幅約55mm、奥行約71mm、高さ約47mm。

重量は電池を除き、本体約40g、ソフトシェル装着時約50g。

マウスのサイズ感としては「XS」サイズといえます。

全ボタン静音設計で、Bluetoothによる3台マルチペアリングにも対応。

戻る機能が初期設定されたファンクションボタンも備えています。

もちろん機能割り当ての変更も可能となっており、エレコムマウスアシスタントを用いて自分好みの操作設定を反映させることも可能です。

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ホイール以外の要素は極力目立たないようにされており、いわゆるガジェットらしさや機器感はかなり抑えられています。

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シリコンカバーを被せるとホイールだけが強調される

カラーリングやシルエットの特徴からもわかるように、新しいEGG MOUSEはマウスとしてだけでなく、「インテリアの一部」「ファッションの一部」として捉えることができます。

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これは、これまでのマウスとは違った選ばれ方をする製品だと強く感じました。

通常、マウスを選ぶといえば、外見よりも「握りやすさ」や「スペック」が重視されやすく、ファッション要素を考慮することは非常に稀でしょう。

「どれだけ高性能か」よりも、「どのように暮らしの中に置きたくなるか」を感じさせるという点で、マウスをPC周辺機器から生活用品に近づけようとする製品だと言えそうです。

5モデルで10色。高級家具店に置いても違和感のないカラー設計

今回のEGG MOUSEは、ベースとなる本体カラーが5色。

ラインアップは以下の通りです。

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本体カラー同梱ソフトシェル
ブラックブラック、ネイビー
ホワイトホワイト、グレージュ
ティールブルーミント、ティールブルー
コーラルピンクピンク、コーラルピンク
イエローグレー、イエロー

1セットにつき2色のカバーが同梱されるため、実質的には5モデルで10色の表情を楽しめる構成で、販売時点ではカバーの別売りはなし。

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今後の状況を見ながらカバーの別売りについては検討していくとのこと。

会場では、製品版に近いカラーバリエーションだけでなく、開発途中の色見本や試作サンプルも展示されていました。

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開発段階のカラー。パステルというだけでは埋もれてしまいやすいところをさらに詰めたよう
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開発途中のカラーサンプル

実物を見ると、色の作り方がかなり慎重です。

単純なビビッドカラーではなく、少し落ち着きのあるミント、ティールブルー、コーラルピンク、ネイビー、グレージュなど、インテリアやファッションの中に置いたときに浮きにくい色が選ばれています。

高級家具店やライフスタイルショップの棚に並んでいても違和感がない、というのは大げさではなく、今回のEGG MOUSEが狙っている立ち位置を表すにはかなり近い表現だと思います。

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まるで高級家具のようなルックス
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家具店のインテリアとして展示されていてもまったく違和感がない

デザインと設計の両面から支えられて誕生したEGG MOUSE

EGG MOUSEは、まずは形状設計から始められたようです。

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試作品のクレイモデルや3Dサンプル。卵形の握りやすい形状の模索が伺える

やはり、卵形の形状といえば、曲線美が特徴的です。

一方で、製品として生成するためには、各種センサーを入れたり、クリックボタンスイッチの設置、電池の収納をする関係上、どうしても「継ぎ目」が発生します。

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製品を作る上で継ぎ目ができるのは避けられない

これを解決するためのアイディアとして登場したのが、シリコンカバーです。

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伸縮性の良いシリコンカバー。継ぎ目をなくすことに加えて防汚性にも一役買っている

ソフトシェルを被せることで、コストを抑えながら継ぎ目のない外観を実現。

さらに、グリップ性、防汚性、本体保護、着せ替えによるファッション性も同時に得られます。

結果的に、このカバーは単なる装飾ではなく、EGG MOUSEのデザインと量産性、価格、使い勝手をまとめて成立させるための中核部品と言えそうです。

今後の展開としては、カバーの形状やデザインを変化させることで、Lサイズ、エルゴ形状、追加カラーなどへの拡張性も検討していきたい、としていました。

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発表会資料より。現時点での販売は未定。

こうしたものづくりに対する創意工夫によって、エレコムの製品が形作られているということを実感できます。

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黒の調色サンプル。他のカラーとの親和性を出すために黒の出方にこだわり2週間工場でカンヅメだったというエピソードも。

また、この形状にマウスとしての機能を入れ込むのも非常に難易度が高かった様子。

コンパクト形状に収めるために電池の収納方法を3次元的なアプローチで解決したり、ホイールホルダーを空中に浮かす、スイッチ機構を工夫するなどして基板を一枚に収める工夫など、高い技術に裏打ちされていることも開発秘話として語られました。

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まるでデススターの設計図のような電池収納部分
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窪みに爪を引っ掛けると上蓋が外れる構造
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フラップ式の蓋はマグネットでくっついている。蓋を取ると電池収納部分へアクセス可能。
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この形状でも電池交換は簡単に行える、
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基板を減らすためのアプローチ。

EGG MOUSEは、意匠性の高い製品でありながら、多くの人が実際に手に取り、暮らしに取り入れられる価格も重視して開発された製品です。

それには、開発陣の徹底した商品制作へのこだわりが感じられました。

EGG MOUSEは、マウスを「暮らしのプロダクト」へ戻す製品かもしれない

以上、エレコム新製品発表会の取材の様子をお伝えしてきました。

やはり、どうしてもこうした「ガジェット」は、スペックを先に見やすいですし、見られやすい傾向があるジャンルだと感じています。

「好きな人」には刺さる一方で、興味関心が薄い方にとっては「とっつきにくい」ジャンルととらえられやすいのも事実。

エレコムは今回の「EGG MOUSE」を通して、そうした「ガジェット好きと一般層の壁を取り払う」ことができる魅力をもった商品だと感じています。

マウスやキーボードといった入力機器は、現代においてなくてはならない存在です。

日々の仕事で触らない日はないほど、生活の一部となっているといっても過言ではないでしょう。

その一方で、それらの入力機器に興味関心を持つ人が驚くほど少ない、というのは「Greenkeys」を運営していて強く感じる部分でもあります。

エレコムのEGG MOUSEは、スペックよりもまず「ルックス」で興味関心をもたれるデバイスです。

ガジェットよりも「ファッション」に興味関心を持つ方のほうが、おそらくは多い。

そんな中で「ガジェットに特化したブランドがファッション要素も取り入れてきた」という構図は、自社製品を広く知ってもらうというマーケティングの面でも優れた戦略だと評価します。

机の上に置いたときに、生活空間を邪魔しないこと。

持ち運ぶときに、ファッションや持ち物の一部として見えること。

使わない時間にも、そこに置いておきたくなること。

そして、それを一部のデザイン好きだけでなく、税込4,980円という手に取りやすい価格で成立させること。

今回のEGG MOUSEというエレコム製品の面白さは、こうした部分にあるのでしょう。

入力機器は、どうしても「作業効率」や「機能性」の文脈で語られがちです。

EGG MOUSEは、スペックで勝負するマウスではありません。

しかし、机の上に置いたとき、バッグから取り出したとき、使っていないときまで含めて「その人の暮らしに馴染むか」を考えたマウスです。

入力機器は、仕事を効率化するための道具であると同時に、毎日手に触れ、目に入る生活用品でもあります。

40周年の節目に登場したEGG MOUSEは、その当たり前の事実を、あらためて卵の形に落とし込んだ製品なのかもしれません。

ガジェットを「暮らしのプロダクト」として定義し始めたエレコムの40年目が始まります。

  • 初版執筆日:2026年6月30日
  • 最終更新日:2026年6月30日
  • 取材方法:プレスリリース・新製品発表会での口頭取材
  • 参照・引用元:プレスリリース・新製品発表会資料
  • 利益相反:商品提供:あり 本稿収益化リンク:あり

Greenkeysは成果型報酬広告のみで運営されており、Google広告はユーザービリティが低下するため使用していません。
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河村 亮介のアバター 河村 亮介 Greenkeys chief editor

日本のキーボード専門メディア「Greenkeys」編集長。GreenEchoes Studio代表。

メカニカルキーボード、自作キーボード、入力デバイスに関するレビュー・取材・検証・撮影・執筆を担当しています。これまで100製品以上をレビューし、日本語配列キーボードの互換性問題や国内市場動向についても継続的に情報発信しています。

日本語配列キーボードの互換性向上を目的とした業界連携プロジェクト「Japan Layout Alliance(JLA)」を設立し、国内外メーカーと協力した活動も行っています。

Greenkeysでは編集の独立性と透明性を重視し、提供品・広告・アフィリエイトの有無を記事内で明示しています。取材・執筆・製品監修・日本市場向けの情報設計に関するご相談も受け付けています。

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