アイキャッチ画像:https://www.mediagene.co.jp/2026/05/19840.html
2026年5月28日、株式会社メディアジーンは、KeychronとGIZMARTが戦略的パートナーとして連携を開始したことを発表しました。
第一弾として、Keychronの新型トラックボールマウス「Keychron T1 HE」を、2026年6月1日からギズマートで先行クラウドファンディングするほか、Keychronとギズモードが共同開発する左右分割キーボードも6月中旬を目処にクラウドファンディングを開始予定としています。
Keychronとギズモード・ジャパンは、2025年にトラックボールデバイス「Nape Pro」を共同開発しており、同プロジェクトは2回のクラウドファンディングで累計応援購入総額4億円以上を記録しました。

今回の発表は、単発の共同開発ではなく、GIZMART、Keychron、コペックジャパンの3社が、日本市場のユーザーの声を起点に入力デバイスを企画・展開していく体制を明確にしたものといえそうです。
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日本ユーザーの声を製品開発へ反映する取り組み
今回の連携についてメディアジーンは、ギズマートが持つユーザーコミュニティとの接点や、クラウドファンディングプラットフォームとしての強みを活かし、日本のユーザーの声や潜在ニーズを製品開発・アップデートへ反映させることを目的としていると説明しています。
日本市場から得られた需要やフィードバックが、Keychronの新しい製品ラインナップに影響を与え始めているという意味で、国内入力デバイス市場にとっても興味深い動きと言えるでしょう。
Kawamura以前、Nick氏と話す機会がありましたが、その中でも日本のマーケットは「特殊だ」と話していました。
ただ、今回の件を踏まえると、日本のマーケットはただ「変わっている」わけではなく、「最先端のニーズに応える製品の人気が高い」と言い換えることができそうです。
今回のNape Proのヒットは、まさにそれを体現しています。
Keychronの新型トラックボールマウス「T1 HE」が登場

今回発表された「Keychron T1 HE」は、親指操作タイプのトラックボールマウスです。
「Keychron T1 HE」に関しては、日本ユーザーのニーズが起点となり製品開発の決定に至ったとしていますが、構想自体はNape Proよりも以前にあったことが網藤氏のコメントより窺い知れます。
つまり、時系列としては、以前から構想としてKeychronが持っていたトラックボールデバイスのアイディアを、Nape Proで得られた知見を生かしてブラッシュアップし、今回の販売に至ったと推察されます。
製品仕様としては、34mmトラックボールを採用した親指操作を用いたトラックボールデバイスとなっています。
一方で、最大の他社製品との差異は、「ボールの前後左右位置と高さを調整できる独自機構を搭載している」点でしょう。
左右クリックには、Keychronの新型ハイブリッドスイッチ「Keychron MagOptic Switch」を採用。
光学式と磁気式の検出方式を切り替えられる構造で、耐久性に加えて、アクチュエーションポイント調整やラピッドトリガーなど、磁気スイッチならではのカスタマイズ性も備えています。
また、ブラウザベースの設定ツール「Keychron Launcher」に対応し、各ボタンやホイールの機能割り当てが可能です。
設定は本体のオンデバイスメモリに保存されるため、別のPCに接続しても設定を維持したまま利用できるとされています。
Keychron T1 HEの主な仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Keychron T1 HE |
| タイプ | 親指操作タイプのトラックボールマウス |
| ボール径 | 34mm |
| 支持球 | セラミック支持球 |
| ボタン | 6ボタン+スクロールホイール |
| チルトホイール | 非搭載 |
| ボール位置調整 | 前後左右最大3.5mm、高さ最大3mm |
| 左右クリック | Keychron MagOptic Switch |
| 設定ツール | Keychron Launcher |
| 設定保存 | オンデバイスメモリ |
| 接続方式 | 有線 / Bluetooth 3台 / 2.4GHz |
| ファームウェア | ZMKファームウェア |
| バッテリー | 600mAh |
| 最大連続使用時間 | 106〜122時間 |
| サイズ | 81.3 × 119.4 × 53.3mm |
ギズマートで6月1日から先行クラウドファンディング



Keychron T1 HEは、ギズモードが運営するオンラインストア「ギズマート」で、2026年6月1日19時からクラウドファンディングを開始予定です。
販売元は、Keychronの国内正規代理店である株式会社コペックジャパンです。
販売カラーはブラック、ホワイト、スケルトンの3色で、このうちスケルトンはGIZMART別注カラーとされています。
Kawamuraスケルトンを限定カラーとして用意している点は、かなり感度が高いと感じます。
ガジェット好きに刺さる見せ方をよく理解している印象です。
販売情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プロジェクト名 | トラックボールのニュースタンダード「Keychron T1 HE」 |
| 開始日時 | 2026年6月1日(月)19:00 |
| 終了日時 | 2026年6月30日(火)23:59 |
| 販売場所 | ギズマート(CoSTORY内) |
| 販売元 | 株式会社コペックジャパン |
| カラー | ブラック / ホワイト / スケルトン |
| 超早割 | 7,480円(税込・送料別) |
| 早割 | 7,744円(税込・送料別) |
| 通常価格 | 8,800円(税込・送料別) |
Keychron×ギズモードの左右分割キーボードも予告
今回の発表でもうひとつ注目したいのが、Keychronとギズモードによる左右分割キーボードの共同開発です。
詳細な仕様はまだ明らかになっていませんが、2026年6月中旬を目処にクラウドファンディングを開始予定とされています。
左右分割キーボードは、自作キーボード界隈ではすでに一定の人気を持つジャンル。
最近では、Jezail Funder が販売している「Cornix LP」の人気が高まっている他、同社がクラウドファンディングを実施した「Jiffy75 LP」に関しても大きな注目を集めました。
2026年3月に開催されたキーケットでは、Vortexがトラックボール付きの分割キーボード「M50」の展示をするなど、主に海外ブランドが日本市場に注目している様子も伺えます。
また、Greenkeysで紹介した「NocFree &」に関しても、非常に多くのアクセスを集めるなど、「分割キーボード」の流行の兆しを編集部では感じています。
これは、以前は「ハンダつけが必要な自作キーボードキット」でしか入手ができなかった分割キーボードが、一般販売される完成品として登場してきているという背景も手伝い、人気となってきていると分析しています。
その意味で、Keychronとギズモードが共同開発する分割キーボードは、分割キーボードをより広いユーザー層へ届けるきっかけになる可能性があります。
Nape Proから続く「メディア発プロダクト」の流れ

今回の動きは、単にKeychronが新製品を出すという話にとどまりません。
注目すべきは、ギズモード・ジャパン / GIZMARTが、メディアとして製品を紹介するだけでなく、プロダクトの企画・販売側にも踏み込んでいる点です。
Nape Proは、ギズモード編集部員のキーボード愛から始まったプロジェクトとして展開され、Keychronとの共同開発により製品化されました。
今回のT1 HEと分割キーボードの発表を見る限り、この流れは単発ではなく、入力デバイス領域で継続的に展開されていくものと編集部では見ています。
Keychronは、もともとメカニカルキーボードブランドとして知られてきましたが、近年はマウス、トラックボール、設定ツール、磁気スイッチなど、入力デバイス全体へと領域を広げています。
そこに、ギズモード / GIZMARTの企画力と販売導線、コペックジャパンの国内販売網が加わることで、日本市場におけるKeychronの存在感はさらに強まる可能性があるでしょう。
Greenkeysとして注目したいポイント
Greenkeysとして特に注目したいのは、左右分割キーボードの展開です。
トラックボールマウスとしてのT1 HEも興味深い製品ですが、分割キーボードは日本市場における「完成品キーボード」の選択肢を広げる可能性があります。
ただし、分割キーボードは、単に左右に分かれていれば「売れる」というわけではありません。
これに関してはこちらのコラムでも触れています。

特に、分割キーボードに関しては、「ガジェット的な要素を持った宇宙船の操舵官のようなデバイス」と「オーソドックスなタイピングスタイルを拡張するデバイス」の二種類に分かれると考えています。
前者はいわゆる「Cornix LP」のようなデバイス。
通常のキーボードとは異なる「カラムスタッガードレイアウト」を採用し、通常のキーボードより大幅にキー数が少なく、レイヤー操作を基本として入力するスタイルを取ります。
慣れるまでに時間がかかり、かなりのスイッチングコストがかかる一方で、ガジェットが好きなユーザーにはかなり刺さるルックスや世界観を特徴としています。
後者はいわゆる「Jiffy75 LP」のようなデバイス。
ロウスタッガードレイアウトを採用し、普通のキーボードを「左右に分割した」スタイルをとっており、通常と同じキー数ということもありスイッチングコストも低い。
一方で、前者のような「学習コストは高いが、ガジェットとしての魅力が強いデバイス」だった場合は、訴求対象層自体も異なる印象を持っています。
このように、分割キーボードを一般市場へ広げる上では、単に“珍しいキーボード”として紹介するだけでなく、なぜ分割するのか、どのようなユーザーに向くのか、従来のキーボードからどう移行できるのかを丁寧に言語化することが、製品の価値を正しく伝える鍵になりそうです。
Keychronとギズモードが、分割キーボードというややニッチだったジャンルをどのように一般市場へ届けるのか。
そして、日本市場のユーザーの声が、今後のKeychron製品にどのように反映されていくのか。
これは、国内キーボード市場にとっても注目すべき動きといえそうです。
まとめ
KeychronとGIZMARTの戦略的パートナー化により、Keychronの入力デバイス展開は日本市場でさらに加速しそうです。
まずは2026年6月1日から、Keychron T1 HEの先行クラウドファンディングが開始されます。
そして6月中旬には、Keychronとギズモードが共同開発する左右分割キーボードの続報も予定されています。
Nape Proに続くメディア発プロダクトとして、今回の取り組みがどこまで広がるのか。
トラックボール、分割キーボード、そしてKeychronの今後の入力デバイス展開に注目です。
【編集部注】
筆者はNape Proの開発初期段階において、テスターとして試作機に触れ、フィードバックを行っています。本記事は公開情報に基づくニュース記事として作成しています。
- 初版執筆日:2026年5月29日
- 最終更新日:2026年5月29日
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