超個性派キーボード、Toucanはあなたの感性に刺さるかもしれません。
Toucanは、左右分割、カラムスタッガード、17mmピッチ、ロープロファイル、トラックパッド搭載と、かなり尖った構成を持つキーボードです。
一般的な一体型キーボードの延長線上にある製品ではありませんが、薄くコンパクトな分割キーボードを持ち歩きたい人、できるだけ手の移動を減らして入力したい人にとっては、かなり魅力的に映るでしょう。
実際に試してみると、分割キーボードとしては驚くほど薄くコンパクトで、外出先でも現実的に使いやすいサイズ感。
カーソル操作も含めてすべて手元で完結するため、慣れれば非常に快適なタイピング体験ができる可能性があります。
17mmピッチとロープロファイル構成の組み合わせも軽快で、パームレストなしでも使いやすく、別売りの軽量テンティングスタンドを組み合わせると快適性はさらに高まるでしょう。
Toucanは量販向けの完成品キーボードというより、分割キーボードや自作キーボードに関心がある層に向けた製品です。
購入時は本体価格だけでなく、組み立て難易度やキーキャップ互換性も確認したいところですが、最小限の指移動で完結するタイピング体験ができるという点では、それだけの価値があるものだと評価します。
本記事では、Toucan42keys/36keysのレビューをしていきます。

- 特定ニーズにダイレクトに刺さる設計思想が魅力的
- 外出先でのタイピング体験を1段階引き上げるポテンシャル
- 3DPケースながら完成度の高い仕上がり
- 好みに応じて選べる40%と30%レイアウト
- DIYキーボードとしての魅力
- 組み立て難易度は決して低くはない
- 交換用キーキャップの選択肢が限定的
- トラックパッドは割り切った運用が必要
- 小指側のレイアウトには注意が必要
- 3Dプリントらしい質感は残る
- 有線接続時の取り回しには注意
- 通常配列からの移行コストはかなり高い
- カスタマイズにはある程度の知識が必要
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価格・販売形態・入手性
- 入手性:★★☆☆☆(数量限定・予約販売で入荷が限定的)
- 価格帯:完成品では競合商品よりも高い傾向
- 販売形態:キット販売・完成品販売
- 入手先:beekeeb.jp/beekeeb.com
編集部コメント
Toucanは量販向け完成品キーボードというより、分割キーボードや自作キーボードに関心がある層に向けた製品です。購入時は本体価格だけでなく、組み立てに必要な作業、キーキャップや周辺アクセサリの相性まで含めて考えた方がよいでしょう。
Toucanのスペック概要

まずはToucanの概要から見ていきましょう。
Toucanは、左右分割構成、17mmピッチ、ロープロファイル、右手側に円形トラックパッド搭載を特徴とする分割キーボードです。
一般的な一体型キーボードとは異なり、コンパクトさと独自のタイピング体験を重視した構成になっています。
Toucanは単なる分割キーボードではなく、持ち運びやすさ、17mmピッチによる指の移動量の少なさ、トラックパッド搭載によるポインティング一体型の運用を狙っている点でかなり独特な特徴を持っています。
一方で、こうした特徴はそのまま導入ハードルにもつながります。
通常配列からの移行コスト、特殊なキーキャップ事情、トラックパッドの好みの分かれ方など、事前に理解しておきたいポイントがあるのは事実です。
価格とバリエーション
| 構成 | 36keys | 42keys |
|---|---|---|
| DIYキット | ¥29,800 | ¥29,800 |
| はんだ付け済み完成品 | ¥47,000 | ¥47,000 |
| はんだ付け済み完成品(バッテリー付き) | ¥49,800 | ¥49,800 |
| 項目 | Toucan 36keys | Toucan 42keys |
|---|---|---|
| 製品名 | Toucan 36 Wireless Split Keyboard with Touchpad | beekeeb Toucan キーボード |
| キー数 | 36キー | 42キー |
| レイアウト系統 | Piantor / Cantor系ベース | Piantor系ベース |
| 構造 | 左右分割キーボード | 左右分割キーボード |
| ポインティングデバイス | 内蔵トラックパッド | 内蔵トラックパッド |
| トラックパッド仕様 | Cirque 40mm GlidePoint Circle Trackpad | Cirque 40mm GlidePoint Circle Trackpad |
| 接続方式 | Bluetoothワイヤレス | Bluetoothワイヤレス |
| コントローラー | Seeed Studio XIAO nRF52840 Plus ×2 | Seeed Studio XIAO nRF52840 Plus ×2 |
| ファームウェア | ZMK | ZMK |
| ディスプレイ | 低消費電力メモリ液晶ディスプレイ ×1 | 低消費電力メモリ液晶ディスプレイ ×1 |
| スイッチ対応 | Kailh Choc v1 / Choc v2 | Choc v1 / Choc v2 |
| キーピッチ | Piantorと同じ狭ピッチ | Piantorと同じ狭ピッチ |
| Choc v2使用時の注意 | Choc-spacingのMXステムキーキャップが必要 | 狭ピッチ対応のMXステムキーキャップが必要 |
| ホットスワップ | Yes | Yes |
| ケース上面 | シルバーのアルマイト加工アルミトッププレート | シルバーのアルマイト加工アルミトッププレート |
| ケース下面 | 3Dプリントボトムケース(PLA) | 3Dプリントボトムケース(PLA) |
| その他ケース部材 | Acrylic decoration, protectors, screws, rubber feet | アクリル、プレート、ネジ、滑り止めゴム足 |
| ケース特性 | 軽量・コンパクトな密閉型ケース | 軽量・コンパクトな密閉型ケース |
| 販売形態 | DIYキット / はんだ付け済み完成品 / はんだ付け済み完成品(バッテリー付き) | DIYキット / はんだ付け済み完成品 / はんだ付け済み完成品(バッテリー付き) |
| バッテリー | バッテリー付き完成品のみ 3.7V Li-ion polymer battery ×2 同梱 | バッテリー付き完成品のみ 3.7V Li-ion polymer battery ×2 同梱 |
| 内容物に含まれないもの | スイッチ・キーキャップ | スイッチ・キーキャップ |
| 想定用途 | work / travel / flight など携帯用途 | 仕事や旅行などの外出先、機内利用も想定 |
Toucanのレビュー環境
レビュー環境は下記の通りです。
- 接続環境:macOS
- 使用スイッチ:Kailh choc v2 Kailh Deep Sea Island Mini Pink/Kailh choc v1 Ambients Silent Choc v1 Bokeh
- レイアウト:30%および40%
- 主な用途:コンテンツ執筆(日本語のタイピング)
打鍵感・打鍵音の評価
静音スイッチを用いてのレビューとなっている関係上、特筆すべき点は本記事においてはありません。
Toucanの性質上、アルミニウムスイッチプレートでかつトップマウント系の構成となっているためキースイッチの特性が直接現れるタイプのキーボードといえます。
Toucanはこんなキーボード

Toucanを一言で表すなら、持ち運びやすさを強く意識した、かなり尖った分割ロープロファイルキーボードです。
分割キーボードというと、どうしても据え置き前提でサイズも大きくなりがちです。
その点、Toucanは薄くコンパクトで、外出先に持ち出して使う用途で真価を発揮するでしょう。
このサイズ感と薄さは大きな魅力で、モバイル用途まで視野に入れられる分割キーボードはまだそれほど多くありません。
やはり17mmピッチを採用しているおかげて、通常の分割キーボードと比較してもかなりコンパクトな点は非常に魅力的です。
ロープロファイル構成と相まって、慣れてくるとかなり軽快な入力体験が得られます。
Toucanのメリット
それでは早速、Toucanのメリットから見ていきましょう。
Toucanのメリット
- 特定ニーズにダイレクトに刺さる設計思想が魅力的
- 外出先でのタイピング体験を1段階引き上げるポテンシャル
- 3DPケースながら完成度の高い仕上がり
- 好みに応じて選べるレイアウト
- DIYキーボードとしての魅力
特定ニーズにダイレクトに刺さる設計思想が魅力的

Toucanの最大の魅力は「特定ニーズをすべて満たす尖った設計思想」と言っても過言ではありません。
日本は、世界のキーボード市場では非常に珍しく「分割キーボード」の人気が高いかなり特殊なニーズがあるマーケットだと、Greenkeysでは捉えています。
その背景として考えられるのが、「効率化への探究心」です。
結果として生まれたのが「数字行を排除した40%レイアウト」なのではないでしょうか。
ホームポジションをキープしたままタイピングに集中できるという「タイピング体験」は、他に変えがたいものがあります。
この思想をさらに突き詰めた結果が「Toucan」だとGreenkeysでは捉えています。
Toucanの尖った特徴
- 17mmピッチ|小型化できることで携帯性が向上。指の移動距離が減るというメリット。
- ロープロファイル|ノートパソコンと同じ感覚でのタイピングを実現。パームレスト不要で外出時の荷物削減。
- トラックパッド|カーソル操作さえも腕の位置を動かさずに実現できる
- 完全無線接続|ケーブルから解放されどんなデバイスでも利用できる
- ZMK Studio対応|GUI上で簡単にキーマップが変更できる
- テンティングスタンド標準対応|好みの傾斜でタイピングができる
- 完成品も選べる|ハンダつけ未経験のビギナーでも利用可能
- 大画面ディスプレー|視認性が高いディスプレーを搭載
- 拡張性|Prospectorを用いた拡張性
これら全てのニーズを満たす商品は決して多くありません。
この独自性こそが、Toucanの最大の魅力と言えるでしょう。
外出先でのタイピング体験を1段階引き上げるポテンシャル

Toucanを使うと、外出先でのタイピング体験が変わります。
ノートパソコンを開いて、Toucanのスイッチを入れるだけで使えるため、すぐに作業に集中することができます。
完全無線設計のため、ケーブルの取りまわしを気にする必要もありません。
静音スイッチを使えば周囲を気にする事なくタイピングが可能で、別売りのテンティングスタンドと使えばさらに快適に文字を打つ事ができるでしょう。
トラックパッドを用いてキーボードから手を離す事なくカーソル操作まで完結でき、極限までコンパクトに仕上げた筐体は持ち運ぶ際も邪魔にならずバッグに忍ばせることができます。
どんな場所でも「究極のタイピング体験ができる」という意味では、Toucanには唯一無二の魅力があるといえます。
3DPケースながら完成度の高い仕上がり

Toucanは、筐体設計でも光るものがあります。
3Dプリント製のケースのため、側面の積層痕こそありますが、それ以外は射出成形のそれと大きな違いはありません。
極限まで薄く作られたケース設計だけでなく、電源のオンオフが視認できるシールが付けてあるなど、使い勝手に関しても配慮されています。
アルミニウム製のスイッチプレートは、その完成度をさらに1段階引き上げています。
好みに応じて選べる40%と30%レイアウト

Toucanは好みに応じて42keysと36keysのふたつのレイアウトから選択することができます。
Enter、バックスペース、シフト、Esc、Tabなどを、通常の60%レイアウト以上の操作と同じ感覚で使いたい人は40%が向いているでしょう。
一方で、30%キーボードは「より運指の少ない効率的なタイピング体験」を味わう事ができます。
小指での修飾キー操作を親指に割り振ったり、Mod-Tapで他のキーに割り振ったりと、キーマップを自分なりにカスタマイズする楽しさもあります。
DIYキーボードとしての魅力
Toucanのベースは「DIYキーボード」です。
これは、マイコン方式を使用した「組み立てる楽しみ」を体現しているのものであり、ハンダ付けをする楽しみも含めて大きな魅力と言えるでしょう。
やはり、自分自身で作ったものというのは、愛着がわきやすいです。
また、未使用のピンをつかったカスタマイズなどが楽しめるのもToucanの魅力といえます。
Toucanのデメリット
Toucanは非常に尖った商品です。
尖っているが故の魅力も大きい一方で、購入前に許容すべき注意点ももちろん存在します。
ここでは、筆者が感じたToucanを購入する前に注意したいことについてまとめます。
Toucanのデメリット
- 組み立て難易度は決して低くはない
- 交換用キーキャップの選択肢が限定的
- トラックパッドは割り切った運用が必要
- 小指側のレイアウトには注意が必要
- 3Dプリントらしい質感は残る
- 有線接続時の取り回しには注意
- 通常配列からの移行コストはかなり高い
- カスタマイズにはある程度の知識が必要
組み立て難易度は決して低くはない
Toucanは、基本的にはハンダつけを必要とするDIYキーボードキットです。
よって、「完成版」以外の商品を購入した場合、はんだを用いた組み立てが必要となります。
非常に丁寧なビルドガイドが用意されているため組み立て手順で迷うことは少ないですが、マイコン周囲ののハンダつけ難易度が若干高いように感じました。

このように1.57mmピッチの金属接点に対して側面に流し込むようにしてハンダつけをする必要があります。
隣り合う接点と分離する必要があるため、ある程度のハンダつけスキルを持っている必要があると言えるでしょう。
ご自身でのハンダつけが難しい場合は、第三者のハンダつけサービスも存在します。
Greenkeysでは作業実績が非常に豊富な「dawne keyboard services」を紹介します。
GreenEchoes Studioとの利害関係はございません。
交換用キーキャップの選択肢が限定的

Toucanは通常のキーピッチではないため、一般的なキーキャップを利用することができません。
一般的には基板上で19.05mm間隔のキーピッチとなっていますが、Toucanはそれよりも狭い17mmピッチを採用しています。
よって、通常サイズである18mm角程度のキーキャップを装着しようとすると、隣同士のキーが接触してしまうため、17mmピッチ専用のキーキャップを用意しなければいけません。
また、キースイッチ規格によってキーキャップの選択肢が異なる点も、この問題の複雑なポイントです。
ToucanはKailhロープロファイルキースイッチの「choc v1」と「choc v2」に対応しています。
- Kailh choc v1系キースイッチ|キーキャップをはめる穴はスリットが二つ並んでいるタイプ
- Kailh choc v2系キースイッチ|キーキャップをはめる穴が十字になっているタイプ

choc v1系キースイッチに関しては、choc v1 spacingという概念が存在し、いわゆる「狭ピッチ」に対応したキーキャップが多く存在します。
Kawamura実際にbeekeeb shopでも多く取り扱っています。
多くがFKCaps製のものになります。
ただし、中にはToucanで使用すると「小さすぎて隣同士のキーキャップとの隙間が空いてしまう」ものも存在するため、注意が必要です。
Kawamura編集部が確認した限りですが、chosfoxがリリースしているキーキャップは一回り小さいようでした。
Kailh choc v2系の狭ピッチキーキャップの「市販品」に関しては、現状で数種類しか存在しません。
- Tai-Hao MT165(フラット形状)
- Tai-Hao THCS-MX(フラット形状)
- Notra(スフェリカル形状)
- shell-caps(トップハット形状)
フラット形状のキーキャップに関しては慣れないとタイピングの際に指の位置が定まりにくい可能性があるためあらかじめ注意しましょう。
トラックパッドは割り切った運用が必要

トラックパッドの用途に関しては、イメージしているような操作は期待できないと考えたほうが良いでしょう。
Toucanに採用されているトラックパッドに関しては、基本的には「一本指操作」と捉えたほうが良いと判断しました。
タップでのクリック判定がノートパソコンやトラックパッドと比較して若干甘いことがその理由です。
よって、使い方としては、トラックパッドは「カーソル操作」の役割を担い、左右クリック操作に関しては別途キースイッチでの「キーの押下」として設定することをおすすめします。
小指側のレイアウトには注意が必要

ToucanはPiantor 配列をもとに設計されています。
左右分割カラムスタッガードレイアウトで有名な「Corne」のレイアウトと比較すると、小指側が手前方向へ大きく下がっている事がわかります。
距離にするとわずか数ミリではありますが、Corneを使用した事がある方であれば、小指の位置に違和感を感じる可能性があるかもしれません。
Toucanを斜めにおくとCorneと同じ感覚で使える可能性があります。(筆者は斜めに置いています)
3Dプリントらしい質感は残る

Toucanのケースは3Dプリント製です。
見た目上は一般的な製品とほとんど違いは見られませんが、よく見ると「積層痕」が見られます。
これは3Dプリント製品であれば避ける事ができませんので、あらかじめ納得して購入する必要があります。
Kawamuraアルミ削り出しのケースや射出成形の樹脂性ケースがニーズとしては高いですが、ニッチジャンルの製品という性質上、3Dプリントという選択になっていると推察されます。
有線接続時の取り回しには注意

Toucanは極限まで薄く設定されているため、有線接続時にはデスクとキーボード本体が干渉する可能性があります。
これはFAQでも解説されていることですので、購入前に理解する必要があります。
基本的にはToucanは無線接続で利用するため、大きな問題にはならないと編集部では捉えています。
通常配列からの移行コストはかなり高い

Toucanは、通常配列キーボードからそのまま違和感なく移行できるタイプではありません。
左右分割、カラムスタッガード、17mmピッチ、親指キーと、慣れが必要な要素が多く、スイッチングコストはかなり高めです。
慣れるまでは普通にタイピングすることもままならない可能性があるため、「練習が必要なガジェット」という感覚で受け入れられる方の購入が向いています。
カスタマイズにはある程度の知識が必要
Toucanは「カスタマイズ」の自由度が非常に高い反面、自身で設定するために学ぶことも多いデバイスです。
特に、ファームウェアの書き込みやZMK Studioを用いたキーマップの設定については、よくガイドを読み込む必要があります。
また、一部のトラックパッド設定項目などに関しては、ファームウェアを自身でビルドする必要があるため、あらかじめ注意しましょう。
Kawamuraさらにカスタマイズしたい方に向けに3Dデータの公開もぜひ検討して欲しいですね。
【写真で見る】beekeeb Toucan(36keys/42keys)レビュー
それでは、実際のToucanの写真を見ていきましょう。
今回提供していただいたのは42keys/36keysのバッテリー付き完成版です。

包装は、対静電気袋にスリープを装着した簡易包装です。


ウレタンをくり抜いた中に本体が収納されています。

写真の上側が36keysモデル、下が42keysモデルです。
片手単位で見ると、36keysが5列、42keysが6列となっているのが大きな特徴です。
左側には液晶面、右側には直径40mmのトラックパッドが装着されています。
スイッチプレートはアルミニウム製、各種パーツはアクリル製です。

裏面を見ると、中央に磁気リングが装着されているのがわかります。
ケース自体は3Dプリント製となっており、底面4箇所に薄型のゴム性の滑り止めが貼り付けられています。
技適シールの貼り付け位置はモデルによって異なっていますね。



この磁気リングは、別売りのテンティングスタンドを接着することができます。

スマホの磁気接着リングと同様の構造となっており、付け外しも簡単です。

分割キーボードはテンティングをする事でタイピングが快適に行えるようになる可能性があります。
ぜひセットで用意したい商品ですね。

ただし、傾斜をつけた時に左右端のグリップが不足してしまい、タイピング時に滑ってしまう可能性があります。
そう感じた方はGrip Plusを貼り付けることをお勧めします。



Toucanは通常よりもキーの間隔が狭く、その分コンパクトとなっているのが特徴の一つとして挙げられます。
他のキーボードと比較してみましょう。
上からPalmslave(16mmピッチ)、Toucan(17mmピッチ)、Corne v4 chocolate mini(19.05mmピッチ)です。
外径のサイズ感としてはかなり似ていますが、キー同士の間隔が若干異なる事がわかるでしょう。


続いて、Toucanの細部についてみていきましょう。
まず大きな特徴となるのがこの薄さです。
極限まで薄くなっています。

薄さ実現を優先しており、マイコンのUSB端子が底面と同じ高さになっています。
有線で使用する場合は、テンティングしないとケーブルとデスク面が干渉するリスクがあるため注意が必要です。

ケース素材は3Dプリント製となっており、よく見ると積層痕が見えます。

電源のオンオフがわかるようにオン側に緑色のマークがついてあるのはアクセシビリティに配慮されていますね。
なお、スイッチのオン方向は左右ともに「右方向へスライド」です。

キースイッチ周りをみていきましょう。
キースイッチは中央脚の直径が約5mmとなっており、choc v1だけでなくv2も利用可能です。



キーキャップのチョイスに関しては、17mmピッチ用のものを装着する必要があります。
choc v1であればFKcaps製のものであればキーとキーの隙間も目立たずにジャストフィットします。


ただし、FKcaps以外のキーキャップだと隣同士の隙間が空いてしまう可能性があるため、注意しましょう。
また、choc v2用の17mmピッチ対応キーキャップのバリエーションは現時点ではそれほど多くありません。
beekeebショップで販売しているTai-Hao製のキーキャップが第一選択肢として挙げられますが、ホーミングがなくキートップが完全にフラットとなっているため、普段はCherryプロファイルなどのシリドリカルスタイルのキーキャップを利用している方はかなり違和感がある可能性があります。


Kawamuraこのあたりのバリエーションは今後増えていくのではないかと予想しています。
私はKotiri Blankを愛用しています。


スイッチプレートはアルミニウム製です。
打鍵感はやや硬めな印象ではありますが、本体重量もそこまでないためほとんど気になりません。

商品説明によると、トラックパッドは「40mm Cirque GlidePoint Circle トラックパッド」を使用しているとされています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品系統 | Cirque GlidePoint Circle Trackpad |
| 代表型番 | TM040040 |
| 直径 | 40.0mm |
| センシングエリア | 38.0mm径 |
| 検出方式 | Mutual capacitance sensing |
| インターフェース | SPI または I2C |
| 電源 | 2.5〜3.6V |
| 座標範囲 | X: 0〜2048 / Y: 0〜1536 |
| 推奨アクティブ範囲 | X: 128〜1920 / Y: 64〜1472 |
| 位置レポート | Absolute / Relative 両対応 |
| タッチ圧 | 不要 |
| 動作温度 | -40〜85℃ |
資料上は「Simply move a finger across the trackpad to move the cursor」と説明されており、タッチデータも「absolute finger position」と表現されています。
つまり、少なくともこのTM040040/Pinnacle世代の標準仕様としては、スマホやMacBookのような本格的なマルチタッチトラックパッドではなく、1本指ポインティングデバイスとして捉えたほうが良さそうです。
Kawamuraタップ、ドラッグ、ジェスチャー風のコマンドはファームウェアビルドで実装できそうな印象ではありますが、精度的にはMagic Trackpadなどと比べるのは難しいです。
使ってみた印象では、タップでのマウスボタン操作はできなくはないですが、トラックパッドはカーソルを動かすという意味合いで割り切ったほうがストレスがないでしょう。
私はクリック操作は別途キーを割り振っています。
やはり、Keyball系の親指操作デバイスとは異なり、人差し指でポインティングするデバイスは右手側のホームポジションキープは困難です。
しかし、それほど大きな移動距離ではないためホームポジション復帰もそこまで苦ではありません。
ただし、やはり目印として「J」の位置にホーミングがあったほうがスムーズだと感じました。























Toucanはどんな人に向いているか

Toucanは、万人向けの完成品キーボードではありません。
- 分割キーボードにすでに関心がある人
- ロープロファイルでコンパクトな構成を求める人
- 指の移動量を減らしたい人
- 外出先にも持ち運べる分割キーボードを探している人
- DIYキーボードとしての調整や工夫を楽しめる人
- CorneやKeyballとは違う方向の分割体験を試したい人
こうした人にはかなり面白い製品です。
逆に、通常配列からすぐ移行したい人や、完成品として分かりやすい使いやすさを求める人には、少しハードルが高いかもしれません。
しかし、冒頭でも触れたように唯一無二の魅力を感じる方は、選ぶ価値のある選択の一つと言えるでしょう。
まとめ

Toucanは、薄さとコンパクトさを備えた分割ロープロファイルキーボードとして、かなり個性的な立ち位置にある製品です。
17mmピッチによるコンパクト設計や、軽量テンティングスタンドとの相性の良さなど、刺さる人にはかなり魅力的な要素を持っています。
その一方で、通常配列からの移行コスト、組み立て難易度、トラックパッドの割り切り、キーキャップ選びの難しさといった導入ハードルもはっきりしています。
完成品として広く勧めやすい一台というより、分割・ロープロファイル・ポインティングも含めたオールインワン性・モバイル性に価値を見いだす人に向いた、かなり尖ったキーボードとして捉えるのが良いかもしれません。
刺さる人には刺さる魅惑のデバイス、あなたも試してみてはいかがでしょうか。
- 初版執筆日:2026年5月1日
- 最終更新日:2026年5月1日
- 取材方法:商品提供および公式サイト参照
- 参照・引用元:https://shop.beekeeb.jp/products/beekeeb-toucan-keyboard
- 利益相反:商品提供:あり 本稿収益化リンク:なし

