Keychron Orca echoの実機を試す|モックじゃない実際の操作感や仕様をレビュー

  • URLをコピーしました!
商品レビュー
この記事の位置づけ
本記事は、実機使用または継続検証に基づくレビューです。使用感や評価には筆者の主観を含みますが、編集方針に基づき、提供・広告・収益化の有無を明示したうえで執筆しています。製品提供・広告出稿・アフィリエイトリンクの有無は、本記事内に明記します。

2026年8月30日、Greenkeysとして株式会社メディアジーン6階で開催されたKeychron Orca echoの先行体験イベントに参加してきました。

イベント案内:https://www.gizmodo.jp/article/orca-echo-g6-he-ultralight-event-1/

当日は、実際に動作するサンプル機が展示されており、「触り心地やサイズ感など、実物を購入前に見れる最後のチャンス」とアナウンスされていました。

執筆時点ですでに支援金額は6億円を突破、支援人数も23,000人を超える大人気プロダクトとなっているOrca echo。

626ff74c417e0acacb0530190613166b

クラウドファンディング日程も9月14日まで延長となるなど、実際に触った後も購入できるというまたとない機会ということで、多くの方が来場されていました。

P1107064 1
P1107067
体験には整理券が配られていました。

今回は、サンプル機の詳細や実際の操作感、運営スタッフさんへの質問に対する回答などを紹介していきます。

Table of Contents

Recommend|Init40のローンチオファーが8月27日まで。

Keychron Orca echoの外観や質感について

気になる点について順番に見ていきましょぅ。

ABS樹脂筐体の質感や剛性

外観や質感については、かなり良かったです。

やはり、Cornix LPなどの「アルミ筐体」を使っている方からすると、「樹脂筐体」という部分で「チープなのではないか」という懸念を抱いた方もいらっしゃるでしょう。

Kawamura top RKawamura

その懸念は完全に払拭されました。

筐体はABS樹脂製、おそらくは射出成形で作られていると思われます。

表面はマット調でプラスチックっぽい安っぽさはありません。

ある程度の厚みがあるため剛性としても問題なく、むしろ約420gという軽さを実現するための重要なファクターの一翼を担っているような印象を受けました。

P1107062

心配していた2段式テンティングレッグもある程度の強度を保っており、通常利用では折れる、ということはなさそうです。

トラックボールについて

6月の天キーでのモック展示の際は、トラックボールケースの造形が不十分でボールの脱落が見られましたが、この部分についてもサンプル版で大きく改善していることがわかりました。

採用されている19mmサイズのトラックボールに関しては、見た目の割にかなり重い印象でした。

網藤さんの話では「軽いと暴れるため、操作性を重視して少し重くしている」とのこと。

Kawamura top RKawamura

ボールの重さによってカーソル操作の挙動が大きく変わるのは、まさにその通りです。
重量が軽くなるほど回転する速さが早くなるため、カーソル移動はスムーズになります。一方で、早く回り過ぎる分、微調整が難しくなるというジレンマがあります。

トラックボールソケットについて見ていきます。

トラックボールソケットは、脱落防止用の「ツメ」が設けられています。

センサーは下方に設置されており、支持球は4点、材質は「セラミック」とのことです。

Kawamura top RKawamura

多くの方は、トラックボールの右側にあるサムクラスタ部分を右手のホームポジションにすることになるでしょう。
トラックボールケースの立ち上げをあえてサムクラスタキーがある方に設けたのは、おそらくボールの誤操作を防ぐためだと考えられます。
一方で、ボール操作の際はその立ち上げを越えないと操作ができません。
この辺りは好みが分かれそうですね。

P1107074

トラックボールの実際の操作感について

トラックボールの操作感はかなり良かったです。

適度に重さのあるボールを使っていることもあり、トラックボールの直径が小さいながらも、ノートパソコン上のカーソルを操作する上でストレスを感じることはありませんでした。

ボール位置に関しても、ホームポジションから構えた位置から「遠い」という感じはありません。

一方でホームポジションを「保持」したままボール操作やクリック操作をすることは難しい印象です。

Kawamura top RKawamura

タイピングをしながらカーソル操作を同時にする機会はほぼないと思いますので、ホームポジションから若干離れてしまう点は気にしなくても良いでしょう。

一方で、トラックボールケースの立ち上がり部分が右手サムクラスタキー側に来ているため、ロープロファイルスイッチをつけた状態でタイピングをすると、親指が太い方は接触が気になる可能性があると感じました。

P1107076

一方で、ノーマルプロファイルスイッチにすると、接触が回避できる可能性がありそうです。

P1107035

スイッチプレート周辺について

スイッチプレートは「アルミニウム製」でした。

P1107060

素材の選定理由のひとつとして、「抜き差しでの破損を最小限にするため」とのことです。

プレートは上からボトムケースに対してネジ止めするシンプルな「トレーマウント」となっており、樹脂ケースのネジ穴部分はインサートでネジ受け部分を固定することで剛性を上げているようです。

P1107059
P1107061
盛り上がっている部分がユーザーが外す想定をしている箇所。5箇所のネジ止めを外すとプレートが外れる

ノーマルプロファイル(ハイプロファイル化)について

今回採用された「Nova Socket」は、Cherry MX規格のノーマルプロファイルスイッチと、Keychronがリリースする新型ロープロファイルスイッチ「Samurai」「Ninja」の二つと互換性があります。

P1107030
ノーマルプロファイルとロープロファイルの両方が刺さる。Kailh choc v2との互換性はない

フットプリント自体は、「Samurai」「Ninja」の中央脚部分の方が若干大きいようで、それに合わせて作られているようでした。

Kawamura top RKawamura

Nova Socketの実物を初めて見ましたが、基板の反対側からハンダつけしているように見えたのが非常に興味深かったです。これどうなっているんだろう。

P1107032
P1107031
P1107033

ロープロファイルスイッチとノーマルプロファイルスイッチの金属脚のフットプリントは同様となっていても、「ツメの高さが違う」とのこと。

P1107050

よって、Orca echoを「ノーマルプロファイル」で使うためには、スイッチプレートを「ノーマルプロファイル用の厚さのものに変更する必要がある」ようです。

P1107022
Kawamura top RKawamura

ノーマルプロファイルとして使うことで、右手サムクラスタキーの隣のトラックボールケースの立ち上がりとキートップがほぼ同じ高さにになるため、親指が当たる感じが少なくなるのが印象的でした。
私はおそらくはノーマルプロファイルに組み替えて使います。

また、ノーマルプロファイル用のプレートについては、クラウドファンディング終了後に販売を検討しているようです。

Kawamura top RKawamura

同じようなハイプロ・ロープロを物理的に切り替えられる機構としては、NuPhy Kick75があります。
これはガスケットマウント構造のため、組み替えに時間がかかります。
一方でOrca echoはトレーマウントのため、バラす工数が少なくて済むのは手間が少なくて良さそうです。

キーキャップ・キースイッチについて

今回採用された「Samurai」「Ninja」に関しては、Cherry MX規格キースイッチと金属脚部分のフットプリントが共通という部分で、「Gateron LP 3.0」規格で作られていると予想していました。

実際にNuPhy Air75 v3などで採用されているキースイッチと比較してみると、形状自体が異なることがわかります。

結果的にコンセプトとしてはGateron LP 3.0規格のようには見えますが、その部分については明言されていない状況です。

キーキャップについてみていきましょう。

採用されているキーキャップは、従来からKeychronがロープロファイルキーボードに採用してきた「LSAプロファイル」を採用しています。

行によって傾斜が変わらないタイプとなっており、若干中央に窪んだようなスフェリカル形状となっています。

doubleshotpbtlowprofilekeycapset1 edited 1657005118939
画像参照:https://www.keychron.com/collections/keychron-low-profile-keycaps/products/low-profile-double-shot-pbt-keycap-set

材質はPBT製、印字は昇華印刷。

実際のキーキャップには3色の印字が色分けされており、fn1/fn2のカラーに連動して、視認しやすくなっていました。

P1107040

一方で、すでに Cornix LPなどの分割キーボードを使っており、Orca echoの独自キーマップ・キー印字が合わないケースも当然考えられるでしょう。

そういったケースも想定して、すでに「無刻印」「レイヤー印字なし」の2種類のキーキャップのデザインを始めているとの情報をいただきました。

レイヤー印字なしのキーキャップについては、「白地に白もしくはグレー印字」、「黒地に黒もしくは墨色の印字」など、あえて視認性を落としたデザインを考えているとのこと。

Kawamura top RKawamura

クラウドファンディング終了後も楽しめそうですね。

Orca echoの購入対象層はどんな人?

やはり気になるのは「どんな人がOrca echoを買っているのか」ということでしょう。

コペックジャパンの運営統括責任者である佐藤氏に、どんな方が購入しているかという部分について質問しました。

「正確なデータは持ち合わせてはいない」と前置きした上で、佐藤氏いわく、「京都での実際の購入者様とのお話の中で、始めて分割キーボードを購入したという方が非常に多かった」とのことです。

つまり、Orca echoを購入したのは、明確に「自作キーボードファンだけではない」ということでしょう。

Kawamura top RKawamura

執筆時点で購入者は23,000人を超えています。
自作キーボードファン層を考えても、明らかに多いと感じます。

キーボードとしてみると、Orca echoは「スイッチングコストが高い」商品であることは間違いありません。

40%という極めて少ないキー数に左右分割スタイル、使い慣れないトラックボールでのカーソル操作に加えてカラムスタッガードレイアウトを採用しているというのは、「新しいものの全部盛り」と表現しても過言ではないでしょう。

それでもこれだけ購入する方がいる、という背景には、おそらくは「新しいタイピング体験を買っている」と、編集部では考えています。

ホームポジションをキープしたままカーソル操作までを完結できる、という「新しい価値」に魅力を見出しているのではないでしょうか。

また、かねてより自作キーボードでこういった概念はあったものの、入手ハードルが高く、入手したとしてもハンダを用いた組み立てでもさらに障壁がありました。

Orca echoは、こうした数々のニーズをクリアした「完成品」というポジションだからこそ、このような売り上げにつながっているように感じます。

Greenkeysの見立て

Orca echoは、一般的なキーボードからの移行コストが高い製品です。

しかし、完成品として提供されることで、自作キーボード領域にあった入力体験を一般ユーザーが試せる状態にした点に大きな価値があります。

一方で、40%・カラムスタッガード・レイヤー操作への適応は人を選ぶため、購入前に実機を触れる機会は非常に重要です。

まとめ

以上、Orca echoの先行体験会レポートをお送りしてきました。

クラウドファンディングという売り方では、「実際にどのような使い勝手の商品なのか」という部分が見えないというデメリットがあり、なかなか購入に踏み切れないケースも多いことが予想されます。

そういった意味でも、今回の先行体験会は、「迷っている人の背中を押す」良い機会になったように思います。

Orca echoのクラウドファンディング募集締切まであと数日。

支援者がどこまで増えるのか、最後まで目が離せませんね。

Greenkeysの記事をGoogleで見つけやすく

Google検索の「優先ソース」にGreenkeysを追加します

ブランド/企業のご担当者様へ:
製品設計やリリース前のフィードバックに関するご相談は
こちらからお進みいただけます。

Share me!
  • URLをコピーしました!

河村 亮介のアバター 河村 亮介 Greenkeys chief editor

日本のキーボード専門メディア「Greenkeys」編集長。GreenEchoes Studio代表。

メカニカルキーボード、自作キーボード、入力デバイスに関するレビュー・取材・検証・撮影・執筆を担当しています。これまで100製品以上をレビューし、日本語配列キーボードの互換性問題や国内市場動向についても継続的に情報発信しています。

日本語配列キーボードの互換性向上を目的とした業界連携プロジェクト「Japan Layout Alliance(JLA)」を設立し、国内外メーカーと協力した活動も行っています。

Greenkeysでは編集の独立性と透明性を重視し、提供品・広告・アフィリエイトの有無を記事内で明示しています。取材・執筆・製品監修・日本市場向けの情報設計に関するご相談も受け付けています。

著者プロフィールはこちら
→ 編集方針は こちら をご覧ください。
→ 取材・執筆・製品監修などのお問い合わせは こちら からお願いします。

Table of Contents